CD柴田恭兵「Yuji The Best」
CD柴田恭兵「Yuji The Best」 (フォーライフ)届く。
実はここに収録されている「Running Shot(ランニング・ショット)」という曲、むかし東京キッドブラザースの仕事で知り合った柴田恭兵さんから「今度、刑事モノのTVドラマをやるんだけど曲を書いてくれない?」と言われて1986年(20年前!)に書いた私の唯一のポップス系ヒットソング。
ポップス系の曲を書いたのは後にも先にもこれ1回こっきりなのだが、そのTVシリーズ「あぶない刑事」で使われ、そこそこヒット(オリコン最高位7位)。おかげで、不遇の三十代をなんとか食いつなげた思い出の1曲である(笑)。
・このドラマ「あぶない刑事」(1986年10月〜日本テレビ)は、舘ひろし(タカ)と柴田恭兵(ユージ)の2人の刑事が主人公。最初のTVシリーズではエンディング・テーマを舘ひろし氏が歌うことが決まっていて、「それなら恭兵さんも歌わなきゃ」という話が放送直前になって急きょ持ち上がった…らしい。急にTV局に呼び出されてパイロット・フィルムを見せてもらい、恭兵さんからは「行くぜ!…っていう感じの奴を書いてネ」とだけ言われて書くことになった。恭兵さん演じるユージは、とにかく「(犯人を追いかけて)走る」&「(拳銃を)撃つ」ので、それで単純に「ランニング(走る)・ショット(撃つ)」というタイトルを思い付いたのだが、本来はテニスやゴルフの用語らしいと後で知った。当時は、ヒットするなんて誰も夢にも思わなかったから(そうでなければ、ちょっと知り合いで昔ロック・バンドをやってたというだけのクラシックの貧乏作曲家なんかに曲を頼むわけがない!)、作詞・作曲・編曲ぜんぶ一人でやった(…と言うか、やらされた、と言うか(笑)。でも、ものすごくうまい女声コーラス・グループをバック・コーラスで使えたり、当時の最新設備を持つ録音スタジオでコンピュータやシンセ音源や一流のスタジオ・ミュージシャンを扱えたりして、なかなか面白い仕事だった。ちなみに、劇中歌として流れたのは、放送が始まってから2ヶ月ほどたった第10話あたりから。
・曲としては、20年も前のコンピュータ打ち込み最初期のダンス・ビートで書いた曲……なのだが、その後、ドラマも映画もヒットして延々とシリーズ化されたおかげで、時代に合わせたデジタル・ビートに模様替えされたリミックス版が(作曲者に無断で!)続々と登場(…していたらしい。最近知った)。このアルバムに収録されているだけでも「HysteriCa Mix」「ShotGun Mix」「Hold On Mix」「Single Mix」など(知らないうちに)6種類も!。でもやっぱり、後半みっちりとピンク・フロイドっぽい厚いサウンドにした最初のオリジナル版Single Mix version(これがシングル・ヒットした当時のEP盤のもの。このVersionのみが私のオリジナル・アレンジ) が好きだなあ。それから、この曲のB面として書いた「真夜中のステップ」(これも作詞作曲&編曲)が、今回初めてCD収録されているのが何と言っても嬉しい。A面のホットに対して、こちらはクール。個人的にはこっちの曲の方がお気に入り。
◆シリーズ最新作「まだまだあぶない刑事」は10月22日より全国一斉ロードショー。
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