2006年の250年と100年
朝日新聞連載「ツウのひと声」掲載。今回は、モーツァルト生誕250年以外の生誕没後年特集。ちなみに、ショスタコーヴィチ生誕100年、シューマン没後150年、バルトーク生誕125年、リスト没後120年、宮城道雄没後50年などなど。
…と、西洋ではもっぱら50年とか100年が一区切りだけれど、そもそも音楽や時間は「12」や「60」が1単位。オクターヴは12音だし1日は24時間、1時間は60分で1分は60秒、1拍1秒ならMM=60。あんまり50とか100は使わない。ソナタは6曲で1単位だし、前奏曲は12曲、長短合わせて24曲。楽譜に書いてある速度表示の数字も…60・72・84・96・108・120…のように12進法。
考えてみれば「5」とか「10」というのは、実は「手の指が左右で10本」…という生物学的な理由以外、数学的にも物理学的にも音楽的にもまったく意味のない数字なのだ。それなのに、なぜ指は5本なのだろう?…と、じっと手を見る(笑)。