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2006年2月13日 (月)

不思議くんリフシッツのピアノ

 ジャパン・アーツで打合せの後、「今日こんなコンサートがあるんですけど」と勧められて、コンスタンチン・リフシッツのピアノ・リサイタル(東京オペラシティ in 初台)へ行く。

 デビュー時(18歳頃)の天才美少年のイメージしかなかった彼も、もう30歳(しかもヒゲが生えている!)。メイン・プログラムが「展覧会の絵」というのはあんまり興味をそそらなかったのだけれど、マネージャー女史が「ヘンな人なンですよぉ〜」と再三再四言うので好奇心に駆られて見に行ったのだが、これが大当たり。確かに「ヘンなヤツぅ〜」(^_^;)。

 なにしろ、何やら黒い羽織を着て舞台に登場したのからして「???」。しかも、聴衆から顔を背けるようにあっち向いて演奏するし「??」、弾き終わると「はい、終わり」とばかりに一度ペコリと頭を下げただけで舞台袖に引っ込んでしまうし「??」。

 ただし、演奏は物凄い。客席をシーンとさせる緊張のピアニシモから、重戦車の轟音のようなフォルティッシモまで自由自在だし、失速寸前のスローテンポ、疾走する狂気のプレスト、おまけにピアノ内部の弦を掻き鳴らす内部奏法まで、新兵器を次から次へと繰り出してくる。聴き慣れた(と言うより聴き飽きた)「展覧会の絵」が、何か別のオーケストレイションを施された別の曲のように(実際、あちこち楽譜をいじくっているみたいだし)「加工」されてゆく。

 ピアノの伎倆の凄まじい天才性と、指向の少年っぽさ(と言うより「お坊ちゃまっぽさ」)との「絶妙なアンバランス」。面白いなぁ、こいつ。「のだめカンタービレ」に出演させたいくらいだ(笑)

Lifschitz

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