悲しきゴジラ:伊福部昭氏死去
8日夜、日本作曲界の最後の重鎮、伊福部昭氏死去。享年 91。
新聞の訃報では案の定「ゴジラの作曲家」と紹介されていたけれど、これは仕方がないところか…。私も「ゴジラ」で育った世代だから、祖師(ちなみに私は伊福部さんの孫弟子に当たる)の音楽は大好きだし多々影響を受けているけれど、純音楽系作品の代表作として「リトミカ・オスティナータ」や「交響譚詩」や「タプカーラ交響曲」を挙げるにしても、やはり「ゴジラ」「大魔神」あるいは「わんぱく王子の大蛇退治」などの映画音楽の方が遥かに印象的だし…。
ちなみに、91歳というのはシベリウス師と同じ。R=シュトラウス85歳、ヴォーン=ウィリアムス86歳、ヴェルディ87歳、ストラヴィンスキー88歳を超える、ギネス級の長命作曲家ということになる。ご冥福をお祈りいたします。
(イラストは、96年に磯田健一郎著「ポスト・マーラーのシンフォニストたち」のカットとして描いた氏の肖像)