舘野泉ピアノリサイタル
舘野泉さんのリサイタルを聴きにサントリー・ホールへ出向く。拙作「タピオラ幻景」のほか、末吉保雄、林光、谷川賢作3氏の新作を並べた、日本人の左手のためのピアノ作品ばかりのコンサート。
私の曲は、初演やCD録音以来、何十回目の演奏か分からないけれど、弾くたびに上手になる…と言ったら失礼かも知れないが、弾き込まれることで曲に生命力が吹き込まれてゆくのがよく分かる。満員の聴衆を前に、本当に幸福そうな舘野さんを見ているとこちらまで心が豊かになる。
コンサートには美智子皇后もいらしていて、終演後、貴賓室に寄ってご挨拶。実は、以前、舘野さんと皇后様とのピアノデュオ(3手連弾)の曲を書いたことがあるのである。でも、じかにお話するのは初めて。私の曽祖父が先の陛下(昭和天皇)の小児科医(東宮侍医)をやっていたことなどお話する。「また連弾の曲を書いてくださいネ」と注文を受ける。皇室御用達か(笑)
舘野さんには、書き上げたばかりの左手のための作品の楽譜を2つほど献呈。〈アイノラ抒情曲集〉という7曲の小品集と〈ゴーシュ舞曲集〉という4曲のダンス・ピース。別に頼まれたわけではないのだが、タピオラをやったら次はアイノラでしょ…という声が天からしたものだから(笑)
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はじめまして。中島と申します。
15日(月)、舘野氏の福岡でのリサイタルへ行きました。
吉松様の「タピオラ幻景」、良かったですよ!
この日のアンコールで、舘野氏は上記吉松様の新作の中から『モーツァルティーノ』を演奏されましたが、そのときほんの少しですが右手も使って弾かれました。演奏前のご本人のコメントによれば、右手を使うのはこれが初めてとのこと。
会場にはすすり泣く女性の姿も見られました。僕自身、歴史的瞬間に居合わせることのできた幸運を感じました。
投稿: なかしま | 2006年5月17日 (水) 12:45