新編:現代の箏曲
宮城道雄から現代までの箏曲30曲を集大成したという「現代の箏曲」なるCD-BOX(5枚組)が届く。邦楽誌の読者アンケートで選ばれたベスト30なのだそうで、私の「双魚譜」(1986)という尺八と二十絃箏のDUO作品も、古典の顔をして収録されている(笑)。
それはそれで非常に光栄なことなのだが、「聴き手が選んだ作品」ということで、いわゆる現代音楽系の無調作品は皆無。基本的に…音楽愛好家が普通に聴けて、アマチュア演奏家でも頑張れば演奏できそうな…という曲が並び、洋楽系作曲家としては私のほか、伊福部昭・松村禎三・佐藤敏直…といった諸氏が名を連ねるくらい。それが果たして妥当なのかどうかは歴史の判断にまかせるしかないけれど…。
ちなみに、私が個人的にCD「現代邦楽ベスト10」を編むとしたらこんな感じ。
・宮城道雄「春の海」(1929)
・諸井誠「竹籟五章」(1964)
・長沢勝俊「人形風土記」(1966)
・武満徹「ノヴェンバーステップス」(1967)
・山本邦山+菊地雅章「銀界」(1970)
・安達元彦「邦楽器のためのシャコンヌ」(1971)
・石井真木「モノプリズム」(1976)
・武満徹「秋庭歌」(1979)
・吉松隆「星夢の舞」(2002)
……おっと、あともう1曲か…(笑)