ワルキューレ@メトロポリタン・オペラ
メトロポリタン歌劇場の来日公演「ワルキューレ」を見に行く(NHKホール)。呑気なことにあんまり下調べもせず出かけたところ、第一幕ののっけから、ジークムント役が異様な(イタリア・オペラ的)声質と存在感。「あれは誰だ?」とパンフレットで確かめたら、プラシド・ドミンゴ(笑)。
全体に、重厚でスペクタクルな神話劇というより、会話重視の叙事的心理劇といった作りで、音楽も心理描写にポイントを当てていて好感が持てる演奏。ただ、そういう情緒的な心理劇にしてしまうと、この4部作、なんとなくホームドラマ風に見えてきてしまうので、その手綱の締めどころが難しい。なにしろこのワルキューレ、ひとことで身も蓋もなく解説してしまうと、第1幕は「間男の不倫」、第2幕は「夫婦げんか」、第3幕は「娘の勘当」なのだから(笑)
でも、ヨーロッパの歌劇場がこぞって妙に現代風な演出(舞台がダムや工場だったり、革ジャンのヴォータンやTシャツ来たジークフリートだったり)の「指環」をやっている昨今、正攻法なゲルマン神話的な世界で「指環」が観られるのは貴重。その独特な雰囲気に、若い頃NYで見たメトの舞台(その時はワーグナーではなかったのだが)を思い出してしまった。
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作曲家にとっては、その時代に合わせたアレンジと、オリジナル版上演、どちらが嬉しいものなんでしょうか?
生まれた子供の成長と同じで、「どんなになっても、元気ならいいよ」なんでしょうか?
変わり果てた姿の我が子に、呆然とすることは無いんでしょうか?
投稿: センセ、オセーテ | 2006年6月23日 (金) 12:24