ピンクフロイド PULSE・・・
東京に戻ったら、ピンクフロイドのDVD「PULSE」が届いていた。1994年のライヴ映像の待望のDVD化。LDでは持っていたのだが、9月発売の国内盤まで待ち切れなくて輸入盤を注文していたもの。冒頭、円形スクリーンとバリライトの光の中からデイヴ・ギルモアの泣きのギターが聴こえてきただけでファンとしてはもう鳥肌が立ってしまう。歴史的名作「狂気」全曲を核に構成され、音響と光の圧倒的なシャワーが降り注ぐその映像は、音楽というより何かの壮大な宗教儀式(あるいはワーグナーの巨大な楽劇か)のようだ。
そう言えば今月7日には、このバンドの創立メンバーであり「狂ったダイヤモンド」と呼ばれた異端の天才シド・バレットが60歳で亡くなっているのだった。そのこともあってDVD冒頭で鳴り渡る「Shine on you crazy diamond」には改めてゾクッとしてしまう。
ただ、ピンクフロイドが70年代のロックシーンに登場した時(私がバンドで彼らをコピーしていたのもその頃だ)既に「過去の人」だった彼が、それから30年以上をどんな気持ちで生き、そして死んだのか…。それを想像するだけで(同じ音楽人としては)身の毛がよだつ思いだけれど・・・。
それにしても、この種の音楽の元祖であり、60年代70年代に同じように前衛的なサウンドやノイズやエレクトロニクスとメディアの融合を試みた〈前衛音楽(アヴァンギャルド)〉が、今や見る影も無く歴史の彼方に消えてしまったように見えるのは、何がどう悪かったのだろう? ・・・いや、答えは分かっているから言わないで・・・(笑)。
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僕は14歳の時に初めて買ったクラシックがフルヴェンの「運命&未完成」のLP(!)だったクラシック・ソフト・オタク男です。高三の時に新譜だった山下さんの「天馬効果」に感動し(年齢がバレますね)、大学時代以降吉松さんの主要CDと著作、「朱鷺」「天馬」のスコアも入手、というような者です。なんの因果か吾妻ひでお、高橋葉介もかなり持っていたりホームズも好きだったり、古典特撮とか…。
で、さらに何の因果か3、4年前からはプログレにもハマり、4大バンドはもちろん、イタリアもの、南米もの、東欧ものと約300枚ほど集めました。(もちろんHNの「ひばりの舌」はあのアルバムからいただきました。)今回、シドの死去に伴って検索していたらここにたどりつきました。
もちろん「PULSE」も買いましたしなかなかでしたが、個人的には2005年の「Live8」のDVDが更にすごいと思ってます。特に「ここにいない人たち、特にシドに捧げます。」というロジャーのMCで始まる「Wish You Were Here」は圧巻です。シドが亡くなったのを知ってからしばらく毎日視聴していました。
投稿: ひばりの舌 | 2006年9月 9日 (土) 22:21