狂気と底なし沼の日々
作曲をしている時はいつだって「このまま気が狂うんじゃなかろうか?」と思う。頭の中でメロディやリズムやハーモニー進行の細部が繰り返し繰り返し(いわゆる壊れたテープレコーダーのように)エンドレスで鳴り続け、止まらなくなるからだ。
確かに楽想が浮かぶ瞬間というのは楽しいけれど、その後それを磨いてゆく工程はストレスがたまるばかりの作業が延々と続く。この状態の作曲家に「どうですか?作曲は進んでますか?」などと声を掛けるのは、エサが見つからず気が立っている熊に「どうですか?お腹空いてますか?」と声を掛けるのと同じで、かなり危険と言えよう(笑)
そして、そんな狂気から現実に引き戻してくれるのが、〈〆切〉という存在だ。ものを創る人間にとって〆切というのはストレスの源泉でもあるが、これがあるおかげで「まあ、こんなもんかな」と夢から覚めることが出来るとも言える。
その〆切がなかった日には…いつまでたっても「これで完成!」という踏ん切りがつかないまま、ズルズルと終わりのない底なし沼にさまよい込んでしまいかねない。〈〆切〉というのは確かに無粋で腹立たしい代物だが、あれはあれで創作における重要な仕掛けだったりするのである。
で、ひとつの底なし沼から出ると、またもうひとつの底なし沼がある。そうやって、また「このまま気が狂うんじゃなかろうか?」と思う日々が続くわけなのである。
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8月ですが涼しいですね。それも今日までなのかもしれませんが。
エサが見つからずに気が立っている熊に、
「鮭を捕まえ様としてる?無理無理!」とか「あ~あの樹の蜂の巣の蜂蜜でしょー」などと先回りして言うのもw肝試し的怖さがあります。
投稿: pissa | 2006年8月 2日 (水) 23:09