転調パズル
常陸の国(茨城)ゆかりの曲を集めて〈お国自慢交響詩〉?にする…という不思議な仕事のスコアを制作中。オーケストラ・混声合唱・児童合唱・オカリナ・創作打楽器という(まるでマーラーかベルリオーズのような)巨大編成で、しかも、茨城産の民謡や童謡やポップスなどご注文の8曲をすべて繋げて構成してアレンジして12分ほどの作品にする…という恐怖の音楽ジグソウパズル。こういう仕事は初体験なのだが、人の曲を勝手にいじくるのも意外と楽しい事を発見(笑)。
冒頭は、水戸ゆかりの水戸黄門のテーマで笑い?を取り、その後もボレロを入れたりストラヴィンスキー混ぜたりして遊んでいたまでは良かったのだが、後半Fmajorで始めたポップスの曲が、リフの後でなんと半音転調する。気が付くと、#6つのF#majorになってしまって、スコアはもう#だらけ。「しまった」と思っても後の祭り。オーケストラはともかく、これでは子供たちやオカリナは付いてこられない。もう一回半音転調…などというチープな事も出来ないし、さて、どうしたものか…としばし悩む。
しかし、パズルを解くように、うんうん唸りながらF#→C#→B7→E→A7→D→G7…と転調をこねくり回しているうちに、いつの間にかCmajorに無事に着地。コーダは何事も無かったかのように(お約束の)ハ長調に戻ることが出来た。こればっかりは作曲家にしか味わえない、天にも昇るような達成感である(笑)。
かのブルックナー先生も、このような事をやっていたのだろうか・・・と、転調を重ねるたびに#♭だらけになる彼の交響曲のスコアを改めて見直して、感慨にふけることしきり。
え?おまえと一緒にするなって?
失礼しました。
「仕事&音楽」カテゴリの記事
- 草津の夜(2024.08.30)
- Finaleのフィナーレ(2024.08.27)
- 草津音楽祭オープニング(2024.08.17)
- お知らせ:草津音楽祭(2024.08.07)
- 対談Interview(2024.07.19)
コメント