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2006年10月

2006年10月30日 (月)

昴の舞(すばるのまい)

Subal 邦楽のグループ〈桐韻会〉の依頼で進めていたプレイアデス舞曲集の箏アンサンブル版を仕上げる。
 箏4面(十三絃x3、十七絃x1)という編成で、プレイアデス舞曲集のIからVまでの中から自由に7曲を選んでアレンジしたもの。

 この曲、音それ自体はとてもシンプルなのだが、楽譜にするととてもお琴の曲とは思えないような変拍子の嵐(笑)。なにしろ第1曲目冒頭から、4/4、3/4、5/4、5/8、4/4、7/8・・・と続くのだから(^..^;)。

 最近、アメリカの作曲家志望学生氏から私のこの変拍子趣味(?)について、「アナタの曲のリズム法というのは、どういう法則にのっとっているのですか? 色々な曲をアナリーゼしてみたのですがサッパリ分かりません!」というメールをもらったけれど、それは「企業秘密」(笑)。
 いや、それよりも、世間にはびこる音楽が(1・2・3・4と繰り返すだけの)4拍子リズムばかりであることの方が、私には「サッパリ分かりません!」。4・4・4・4・4・4・より、4・3・5・7・6・2・の方が美しいと思う。それが私の法則なんだよ、若者。

 ちなみに、お琴で「ぷれいあです・だんす」は違和感があるかな…と、「昴(すばる)の舞」と題することにする。
 初披露は、来年の春4月頃の予定。

2006年10月25日 (水)

ネコはらすめんと

Nekohara 天気が良いので散歩をしていたら、塀の上で眠っている猫がいた。
 あんまりふわふわで気持ち良さそうだったので、思わず背中をなでたら、片目をついと開けてこう言った。

 「なあ、兄ちゃん。きょうび可愛いから言うて、そこら歩いとる知らない女の子のお尻なでたらセクハラやろ? 
 なら、寝とる知らないネコの尻なでたら、そらネコハラや。人間として、やったらあかんことちゃうか?」。

 びっくりしてあわてて手を放すと、「うにゃあ」と大きなあくびをして、また眠ってしまった。
 そうか? そうなのか?

2006年10月23日 (月)

飲み屋で聞いたオヤジの正論(暴論)2?

Nomiya_1 1.いじめde自殺。「最近いじめで自殺した子供のニュースが多いわな。オレも会社でいじめられているから気持ちはよッく分かる。ただな、ニュースにすると今度は、いじめた相手とか教師とか果ては教育委員会のおじさんたちへの社会からの糾弾が始まるだろ。いや、当人が怒るのはいいやナ。でも、便乗して正義面して〈いじめ〉を非難しまくる連中。あれはまさしく〈いじめ〉の構造そのものヨ。なのに、当人たちはちっとも気付いていないんだワ。〈いじめてる本人はいじめてると思ってない〉というのがしみじみ分かる醜態だわなー」。…なるほど。確かに。

Nomiya2 2.平等deいじめ。「そのくせ、最近の日本人が好きなのは〈平等〉って言葉なんだとサ。平等で差別や格差のない社会…ってなもんだな。でも、ちょっと考えてみナ。平等って普通は、低いところにいるものを〈みんなと同じ高いところ〉に引き上げるモンだと思うわな。でも逆に、高いところにいるものを〈みんなと同じ低いところ〉に引きずり下ろすのも、これもまた〈平等〉ってことなのヨ。
 つまり、そもそも〈いじめ〉ってヤツも、根にあるのは差別意識なんかじゃなくて〈平等意識〉なんだワ。特に日本人っていうのは〈みんな一緒〉だわな。田植えでも稲刈りでも、みんな一緒にやるのが平等。同じものを食べ、同じものを着るのが平等。だからこそ、そこから外れるヤツは〈平等を壊すモノ〉として排斥するワケ。
 でも、強いヤツに対してはそんなコト出来ないわナ。だから、弱いヤツや毛色の変わったヤツを、みんなと同じ普通のところから低いところに引きずり下ろす。つまり〈いじめる〉のヨ。これこそ〈平等〉の精神というわけだナ」。…うーん、それは恐ろしい指摘だなあ。

Nomiya3_1 3.差別de区別。「そもそも人間たぁ、誰ひとり同じじゃないのヨ。それを全部一緒くたに〈平等〉扱いするのは平等に見えて平等じゃないわな。男も女も同じ仕事をさせてトイレも一緒にすれば〈平等〉か?。足が速いのも遅いのも老人も子供も全員42キロ走らせれば〈平等〉か?。金持ちからも100万円、貧乏人からも100万円税金取れば〈平等〉か?。そうじゃないよな。能力や性別や年齢や収入や容姿経歴前科や扶養家族の有るなしに応じて細かく〈正当に区別〉するのが本当の〈平等〉ってモンだ。そうだろ?」…うーん、でも〈正当に区別〉されるのって、〈不当に差別〉されるよりキツイような気も・・・(笑)

2006年10月20日 (金)

ホーロック・シャームズ式ことば遊び

Smloh
ケン・ジョージ

ラーリス・モヴェル

ハゼフ・ヨイドン

…と、ここまでで何の話だか分かったら、かなり頭が軟らかい証拠。3つとも作曲家の名前をある法則に基づいて変換したもの。分からない方のために、では、もう3人。

マスタフ・グーラー
ブントン・アルックナー
ショミトリ・ドスタコーヴィチ

…要するに、2つの文節の冒頭の一字を交差置換するわけで、子供の頃よくやった言葉遊びのひとつ(ちなみにアルファベットでも可能)。こういうのは正式には何と言うのだろう? 仮に〈ホーロック・シャームズ式ことば遊び〉とでも呼んでおこうか(某TV業界では〈ジャイケル・マクソン式〉とも言うらしいが(笑)。

 あるいは、もうちょっと高度に、百人一首みたいにして下の句だけ読むと言うのもある。
 では、次の3人は?

フパン
ローマン
ジャッチーニ

2006年10月16日 (月)

CD 1st edit @星夢の舞

Editcd CD「星夢の舞」の1st Edit (録音セッションのOKテイクを繋げた仮編集音源)をチェック。収録曲は「星夢の舞」「星幻譜」「風夢の舞」の3曲。

 CDの編集は、大なり小なり「作曲家の意向」と「演奏者の意向」と「録音プロデューサーの意向」という三者のせめぎ合いになる。
 作曲家にとってOKでも演奏家にはNGなテイク(音楽的な流れはベストなのに、些細な音ミスがあるような場合)というのもあるし、演奏家がOKでも録音サイドでNGが出るテイク(演奏は一番良かったのに、譜めくりや外部のノイズが入っている場合)もあるからだ。

 要するに、作曲家は「いい音楽」を、演奏家は「いい演奏」を、録音プロデューサーは「いい音」を目指すので、それぞれ目的は同じと言えば同じながら、その指向は微妙に違うのである。

 というわけで、「いい音楽」&「いい演奏」&「いい音」+「面白い」アルバムにするべく、現在最後の追い込み中。11月下旬には発売の予定。乞うご期待。

2006年10月13日 (金)

13日の金曜日のマメ知識

Schoenberg 現代音楽の始祖にして12音音楽の創始者シェーンベルクは、13日(1874年9月)に生まれたことから「13」を自分の運命的な数と考えていたと言う。

 そして、「13日の金曜日」はきわめて不吉な日だと気にしていて、49歳とか58歳とか67歳のように「足すと13になる数」(4+9=13、5+8=13、6+7=13)の年の13日の金曜日は、恐れるあまり外にも出なかったほどだったのだとか。

 これを迷信と笑うなかれ。なぜなら、彼はまさしくその予感の通り、76歳(7+6=13)の年の13日の金曜日(1951年7月13日)に、突然の喘息の発作で亡くなったのだから・・・

2006年10月10日 (火)

ショスタコーヴィチ考〈バビ・ヤールをめぐって〉

Philipsaa_1 Blog「月刊クラシック音楽探偵事務所」更新。

 今回は、ショスタコーヴィチの問題作「交響曲第13番(バビ・ヤール)」をめぐる色々なお話。この曲、最初に出たレコードは、こんなに(←)怖いジャケットだったのだけど、憶えておられる方はいるだろうか? 

 番号は世にも不吉な数「13」番で、作品番号までop.113だし、冒頭から、「バビ・ヤールに墓碑はない」などというおどろおどろしい告発で始まり、ユダヤ人問題や当時のソヴィエトの内政問題に踏み込んだ詞のせいで当局ににらまれ、長いこと演奏禁止を喰らっていたという問題作。

 おまけに、バス独唱は最初から最後までアジ演説みたいな詩を語るし、コーラスはすべて男どものドスの利いたユニゾンだけ。揚げ句、冒頭に重く暗い問いを投げつけたわりには、フィナーレはどこか諦めたような軽やかで透明な響きのまま、あっちの世界に行って終わってしまう…という不可解で謎めいた曲。

 一体この曲は何? ・・・と首をかしげても、残念ながら答えはどこにもない。果たして熱き人道主義に燃えたプロテストの偉大な成果か、時代を読み誤った単なる迷作か? 今、歴史の審判への1ページが開かれる・・・(かも知れない)。

2006年10月 5日 (木)

オリオンマシーン@Asia Orchestra Week 2006

Orionm_1 アジア・オーケストラ・ウィークでの、トロンボーン協奏曲「オリオン・マシーン」上演を聴きに行く(東京オペラシティ)。trb:箱山芳樹、指揮:大山平一郎、舞台芸術国際フェスティバル・オーケストラ。

 この曲、作曲した時は特に「面白くしよう」と考えたわけではなかったのだが、箱山氏が演奏すると(特にカデンツァのパフォーマンスあたりで)独特のユーモアが滲み、会場からも思わず笑い声が…。もう13年ほど前の作品なので、今回は「自分が死んだ後では、こんな風に演奏されるのだろうなあ…」というような何光年かの距離感を持って聴いていたのだが…、うん、確かに、面白いかも知れない(笑)

2006年10月 1日 (日)

いばらき夢八景@おーいニッポン

01 NHK BS2の「おーいニッポン」茨城特集で、笠間芸術の森公園・野外ステージより〈いばらき夢八景〉の上演生放送。

 オーケストラ・混声合唱・児童合唱に加えてオカリナ隊や陶器のパーカッションなど総勢300人を超える大編成で、茨城県ゆかりの8曲(平将門・水戸黄門・磯節・シャボン玉・ウサギのダンス・見上げてごらん夜の星を・浪漫飛行・いつでも夢を)を3部構成の交響詩もどきにして披露するという、なんとも壮大にして豪勢な(しかも再上演不可能。まさに一期一会の)企画。

 私は特に茨城には縁もゆかりもないのだけれど、オーケストラと混声合唱と児童合唱を使える…と聞いて、ついふらふらと引き受けてしまった(笑)。ただ、演奏がプロのオーケストラ&コーラスではなく、全員現地のアマチュア演奏家…という点については、最初は「大丈夫か?」と不安があったことは確か。でも、昨今アマチュアと言ってもレベルは高くなっているし、それより何よりお父さんお母さん子供たちがみんな一緒になって演奏する…という雰囲気が、プロの演奏にはない不思議なゾクゾクする感じを醸し出し、素敵な仕上がりになった。

02 本番は降りしきる雨の中で行われたのだけれど、野外にもかかわらず大勢の人たちがじっと聴いてくれ、地元の心意気というか、郷土の熱気をひしひしと感じる。オーケストラもコーラスも思う存分歌い上げ、茨城の未来を担う子供たちも熱い音楽を感じてくれた様子で、思い残すことはない出来。指揮の円光寺雅彦さんも満足げ。

 感動のフィナーレの後、司会の女優さんが「素晴らしかったです〜」と涙まで流して感動してくださっている横で、(実を言うと)作曲家の頭の中は「あそこは、こうした方がよかったかな」とか「ああいうところは、こうした方がより感動出来るかな」とかの反省とチェックでいっぱい。そのあたりはもう職業病(笑)。

 でも、やっぱり音楽というのは素晴らしいものだ。演奏に関わってくださった茨城の皆さん、子供たち、スタッフの皆さん、ありがとう。そして、ご苦労さまでした。

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