ネットの海漂流記
ホームページ〈吉松隆:交響曲工房〉のカウンターが30万を超えた。
というわけで、まずは、御愛顧に感謝。
開設は2002年4月だからHP歴は4年半ほどになるが、インターネット歴としては(パソコン通信と言われている頃から数えると)今年で19年目になる。
始めた当時(1987年)は、家庭用黒電話の受話器に音響カプラーというものを付けて「ピーーーー・キョロキョロキョロ」などという音声信号でデータを転送していた時代。モノクロ画面で文字情報しか送れなかったし、写真や動く映像を送るなんて想像も出来なかった。携帯端末でネット検索出来るなんてスパイ映画やSF映画だけの話だったわけだ(若い人にそういうことを話すと、まさに「有史以前」の話を聞くような顔になるのが面白い(笑)
あれから20年ほどが経ち、今では全世界のサイト数は1億を超えたと言うから、ネット世界の進化は本当にすさまじい。そこはまさしく〈情報の海〉であり、その中から瞬時にキイワードを検索出来るシステムは(まだまだ万全ではないにしろ)〈魔法〉の域に達している。
ただし、理想的な進化をしていると思うか?と問われると、ちょっと答えに詰まる。
そもそもネットが始まった頃の最初の理念は、お互いが持っている知識や情報を皆の共有財産とすること…(ネットそれ自体が、世界中の人間が共有する第3の脳・記憶バンクとなること)…だったはず。
ところが、現状は(御存知の通り)商業主義がはびこり著作権問題が侵入し、ハッカーやウィルスやネット性異常人格が浮遊する(まさに現代社会の縮図というべき)奇妙な世界になっているわけで、そのあたりについては「やっぱり人間のやることは…」という失望感があるのも事実。
それでも、この進化は止まらないと思うし、士郎正宗が「攻殻機動隊」(1991)の中で描いたように、ネットの情報の海から新しい人工的な知性が(アミノ酸の海から地球の生命が生まれたように)生まれる日も、いつかは来るような気もする。
それはたぶん清濁を合わせ飲むだけでなく、知性や感情とともに善悪をも超越しているに違いないから、人間から生まれ落ちながら、人間ではないもの…しかも、ロボットのように現実のボディは持たないもの…ということになる。
うーん、そんなもの見たくない気もするけれど、ちょっと見てみたい気もするな・・・
« 昴の舞(すばるのまい) | トップページ | 秋葉原発ロボットの未来 »
コメント