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名曲ポプリ(メドレー)「コンガラガリアン狂詩曲(Congalagarian Rhapsody)」および「ネコふんじゃったの主題による変奏曲 Variations on a "Floh Walzer" Theme for piano and orchestra (略して「ネココ変奏曲 Necoco Variations」)」のスコア、ようやく仕上がる。
あとは細かいチェックをしてから、スコアを浄譜屋さんへ渡してひと仕事終了。ちなみに、この2曲は、4月30日(月・祝)クラシック音楽の素敵な世界・ファミリー・コンサート(午前11時、午後3時の二回公演。渋谷 Bunkamura オーチャード・ホール。船橋洋介指揮東京フィル、p:三舩優子)にて初披露の予定。
・・・ただし、今月はもう一曲、月末までに仕上げなければならない作品(フルート・カルテット)があるので、お花見はまだおあずけ ;(>_<);
このところ、このコンサート用の名曲ポプリ(20曲メドレー)とかネコふんじゃった変奏曲とか、妙なもののスコアを書いていて、頭の中でぐるぐる色んな音楽が回っている。
なにしろ、モーツァルトのト短調シンフォニーにシュトラウスのラデツキー行進曲を繋げるとか、ブラームスのハンガリー舞曲にドヴォルザークの新世界よりを紛れ込ませるとか、ドビュッシー風&ラフマニノフ風のフルオケ「ネコふんじゃった」とか・・・もう、ほとんど悪魔の所業なのである(笑)
CDなどの音源の編集と違って、現実のオーケストラでの演奏作品として繋ぎ合わせるためには、キイ(調)を合わせたり編成や楽想をそろえたりして「自然に繋げる」ための小技を駆使しなければならないからかなり大変。
・・・ではあるのだけれど、それよりなにより、いやあ、人が苦労して書いた曲を勝手にいじくるのがこんなに楽しいとは!。著作権切れてるから文句も来ないし(笑)。
しかし、きっと天罰が・・・|(><)|
来月下旬に発売予定のCD「アイノラ抒情曲集」および、4月から全国で行われるコンサート・シリーズの件で、舘野泉さんと音楽誌での対談&インタビュー。
私の(左手のための)作品ばかりでのリサイタルは、もう既に何回か行なっていただいているけれど、4月18日:仙台(イズミティ21)、20日:横浜(フィリア・ホール)を皮切りに「吉松隆の風景」と題するシリーズが今年1年、全国各地で(本格的に?)開かれることになった由。
ちなみに、最初は「吉松隆の世界」だったのだが、「・・・の世界」というのはちょっと大げさで恥ずかしくて、「風景」に替えてもらった。むかしは「・・・の宇宙」なんていうのもあったけど、そんな大層なものじゃないし・・・(笑)
昨年からジタバタ制作を続けてきた「西村朗と吉松隆の"大作曲家診断"」(学研)が刷り上がってきた。(店頭に並ぶのは来週23日頃。定価は1,785円とちょっとお高い)
この本、最初は同業者(作曲家)の視点から、クラシックの大作曲家たちの不滅の傑作や奇跡の偉業について語る「真面目な作曲家対談」のはずだったのだが、いつの間にか作曲家たちの「マトモでない部分」を暴露し論評する毒舌大会になってしまった(笑)。
まあ、確かに「芸術(マジメな)音楽の作曲家」などというと偉そうだが、売れないクラシック音楽界のどん底でお金にならない交響曲なんかを書きまくっていた奇妙で偏屈な人たちなのだ。マトモなわけがない。
そして、それを論評している二人(西村氏と私)も、どん底のゲンダイ音楽界でもっともお金にならないオーケストラ曲なんかを書きまくっているわけで・・・以下同文(笑)
あとがきで西村氏はこう書いている。
「かくのごときたわけた対談を本にして世に出して良いわけがない」。
同感である。・・・でも、出てしまうのである。世も末である(笑)
Blog「月刊クラシック音楽探偵事務所」更新。今回は、私の中のアトムについて語る「手塚治虫とアトムの時代」。
私は作曲家としてデビュー以来、ずっと食えない「純音楽」に意固地なまでに固執してきた。でも、一度だけ「鉄腕アトム・アストロボーイ」(2003)では、アニメの音楽を担当したことがある。そして、その後は子供たちのための「アトム・コンサート」なるクラシック入門ファミリー・コンサートのシリーズを制作していたりする。
もちろん、それ以前から私の作品の中にしばしば登場する「手塚治虫っぽさ」について、気付かれていた方も少なからずおられるに違いない。そんなわけで時々「どうしてアトムなんですか?」と聞かれる。しかし、私の中では「アトム」と手塚治虫師は…それはもう特別な存在なのである。
そのあたりの因縁やいきさつについて、懐かしの昭和30年代から紐解いたのが今回のお話。書いているうちに昭和漫画史になってしまった気がしないでもないけれど(笑)
楽譜の作成に使っているソフト「Finale」を旧版(2006)から最新版(2007)にバージョン・アップする。
ソフト自体は一月以上前に手に入れていたのだが、すぐにインストールせず、しばらく寝かせておいた。というのも、ひとつの曲の作業の途中でソフトを新しいヴァージョンに替えると、何が起こるか分からない(例えば、逆に不便になる「新機能」などが付いていたりして、それに慣れるのに仕事を中断せざるをえなくなったりする)ので、ちょっと怖いのである。
しかし、ようやく作業が新しい曲に切り替わり、それを機にソフトも新しいバージョンに切り替えることにした。2007から、1枚のCD-ROMからインストール出来るマシンが2台限定となり、マシンごとにオンライン登録して認証番号を受け取らなければならないと言う奇妙な手間が増えたが、後はさして大きな不便も変更もなく、順調に動いてくれそうな感じ。これで心機一転、春のお仕事に取りかかれる(笑)。
というわけで、これから今月いっぱいオーケストレイション作業。
税務署へ確定申告に行く。
最近は、国税庁のHPの申告書作成コーナーにデータを入力してゆくと自動的にPDF形式の書類が出来上がるので(税理士なんかとは無縁の零細自営業者としては)作業が随分と楽になった。
とは言っても、それをそのままe-taxとやらで送信して納税終わり…という気にはならない。そこはやっぱり自分の足で税務署に足を運び、税金をふんだくられる…もとい、支払う幸福感を味わいたい…というマゾヒスティックな…もとい、社会人としての責務を果たしたい衝動(?)にかられるわけなのだ。
というわけで、いつもながら毎年この時期になると、作曲家などというヤクザな稼業をしているのに税金を払わせていただける…という幸福をしみじみ天に感謝する。
二十代の頃などは、税務署に行くと「こんな低い所得金額でしたら申告しないでいいんですよ」と同情とも軽蔑とも付かない顔をされ・・・。そのたびに「今に見ていろ。きっと税金を払える作曲家になってやる!」と天に誓ったわけなのだけれど・・・、その話をするとみんな「それ、間違ってる」と言う。なぜだ?