西村朗対話集「作曲家がゆく」
西村朗対話集「作曲家がゆく」届く。我が国の現代音楽作曲界の頂点を極める西村朗センセが、同じく現代の日本で「現代音楽の作曲家」をやっている中堅どころ12人(池辺晋一郎、三輪眞弘、佐藤聰明、中川俊郎、近藤譲、三枝成彰、新実徳英、吉松隆、北爪道夫、川島素晴、野平一郎、細川俊夫)から創作秘話を聞き出したマニア垂涎の対話本。(オリジナルは「レコード芸術」誌に「作曲家の現在」として2004年1月号から2006年3月号まで連載されたもの)
戦後のアヴァンギャルド音楽全盛期が終わった70年代(いわゆる「現代音楽」が落ち目になった頃)から創作の最前線に登場して来た作曲家たちばかりなので、現代音楽を見限った人、それでもまだ未練がある人、距離を置いている人、我が道を行く人…とそれぞれがてんでばらばらで、あんまり共通の話題がないところが「今」っぽくて面白い。
ちなみに私が対話した回は、シャンドスでの録音シリーズも一段落ついて、なんとなく燃え尽きていた頃(2004年11月)。そのせいか、西村氏が「お互い50歳を過ぎて、人生の真ん中を折り返したという感じかな?」と言うのに対して、「いやあ、(ぼくは)もう終わってるよ」・・・とか、「今後の予定は?」と聞かれて、「50歳を期に隠居したいね」・・とか、やる気のないことおびただしい。ははは(笑)
発売は今月下旬。春秋社/定価:2,200円。蛇足ながら、「作曲家がゆく」というこのタイトルを見て、思わずキャンベル.Jrの「影がゆく」というホラーSF(「遊星からの物体X」の原作)を連想してしまうのは、かなり危ないB級SFマニアかも。
« せんくら2007 出没予定 | トップページ | 吉松隆人人都懂音樂講座 »
「本CD映画etc」カテゴリの記事
- 帰ってきたあぶない刑事(2024.05.25)
- CD:チェロ協奏曲:ケンタウルス・ユニット(2024.03.06)
- チェロ協奏曲の夢(2024.01.19)
- ゴジラ-1.0(2023.11.03)
- CD宮田大「VOCE」(2023.10.23)
普通は司馬遼太郎の「竜馬がゆく」ではないでしょうか。
といいながら私が最初に連想したのは「アイちゃんがゆく」(坂口良子主演のテレビドラマ。確か1972年ごろ。フジテレビ)でしたが(^_^;)
投稿: 物体X | 2007年5月19日 (土) 10:36