芸術劇場〜左手のピアニスト その後〜収録
NHK教育テレビの「芸術劇場」収録。「左手のピアニスト その後 〜舘野泉に贈られた音楽〜」というコーナーに舘野泉さんと一緒に出演し、45分ほどスタジオで話をする。
メインは、左手のピアニストになられて3年を迎えた舘野さんと、その間に左手のために書かれたピアノ曲をめぐってのお話。舘野さんは、先月フィリアホールで行われたコンサートの映像などを見ながら、どこまでも穏やかに「今は元気で、ピアノを弾けることの喜びでいっぱいです」と語るのだけれど、途中、感極まって言葉に詰まる場面もあり、その道程が平坦でなかったことを改めて感じさせる。
思いもかけず多くの作品が生まれたことは、もちろん舘野さんにとって感慨に満ちたものに違いないけれど、〈タピオラ幻景〉〈アイノラ抒情曲集〉〈ゴーシュ舞曲集〉などなど、細かく数えると24もの左手のためのピアノ・ピースを書くことになった作曲家(わたし)の側からしても、こんなにいろいろなタイプの音楽を敬愛するピアニストのために書けた不思議な巡り合わせについては深い感動を覚えずにはいられない。
音楽も人生も世界も、確かに時には非情だったり残酷だったり無慈悲だったりして、思わず神を呪いたくなるようなことも多々あるけれど、それでも、やっぱり、音楽って素敵だ。そう思う。
放送は6月1日(金)22:25〜23:00の予定。
« 吉松隆人人都懂音樂講座 | トップページ | せんくらポッドキャスティング »
「仕事&音楽」カテゴリの記事
- 対談@都響WEB(2024.09.20)
- 草津の夜(2024.08.30)
- Finaleのフィナーレ(2024.08.27)
- 草津音楽祭オープニング(2024.08.17)
- お知らせ:草津音楽祭(2024.08.07)
コメント