埼玉・音探しの旅2
埼玉の音探しの旅2日めは、ここ数年、中学高校での卒業式の歌として定番になっている「旅立ちの日に」という曲が生まれた影森中学校の取材。
この曲、15年ほど前に、当時の校長先生(小嶋登氏)が詩を書き、音楽の先生(坂本浩美さん)が曲を付け、卒業生を送るために先生たちがサプライズの出し物として歌った歌なのだそうだ。
その一度きりのはずの歌が、口コミで広まって、今や日本中の学校で歌われている。
当の校長先生にもお話を伺ったのだが、「音楽の先生に〈なにか詞を書いて下さい〉と言われて、一晩で書いたもの」、「詞を書いたのは、後にも先にもこれ一曲っきり」とおっしゃる。確かに詞も曲も、プロの作詞家や作曲家にはない「巧まずして生まれた素朴さ」がある。なかなか素敵な話だ。
ロケでは、その「発祥の地」である学校で、音楽の時間に2年C組の生徒さんたち30人ほどが歌っているのを撮影し、自分たちの学校で生まれた歌について話を聞く。
そのあと突然、「ちょっと一緒に演奏してみませんか?」と言われ、急きょ私のピアノ伴奏でフルコーラスを歌ってもらうことに。ちなみにこの曲、コード進行なども含めて実はピアノ弾き語り系のロック・バラードそのもの。弾いているとどんどんロックのピアノになってしまうのが分かる(笑)。
それにしても、中学校の音楽室のピアノを弾くなんて40年ぶりだ。
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午後は、さらに足を伸ばして川越へ。(とは言っても、位置的には東京方向に戻る感じになるのだが)
これも〈埼玉の音〉ということで真っ先に頭に浮かんだ「時の鐘」の登楼を見上げに行く。レトロな蔵造りの商店が並ぶ街は平日だと言うのに観光客でいっぱい。さすが観光地である。
次いで、町外れの「三芳野神社」というところへ寄る。ここは「通りゃんせ」発祥の地と言われる神社。ただし、観光名所になっている気配はない。「ここはどこの細道じゃ」と入ってゆくと、鳥居の下からまっすぐ伸びた「天神さまの細道じゃ」があって、なるほどと合点。
ただ、歌の最後の「行きはよいよい帰りは怖い」という部分は(考えてみると)怖い。
謎めいた「かごめかごめ」の歌詞もそうだけれど、童歌というのは純朴な子供の世界に見えて、実はその底に暗くも恐ろしい深い「闇」が潜んでいるということか。
・・・と、うまくまとまったところで、埼玉を巡る旅、終了。
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「行きはよいよい帰りは怖い」の「こわい」の意味は、「疲れる」だと教えられた記憶がありますが、それは恐がりだった私のために母が作った話なのか、それとも本当の話なのかわかりません。
投稿: ひびかずこ | 2007年7月 4日 (水) 00:49