真夏に冬のヴィジョンを描く
なんだか急に夏らしい暑さになった東京で、左手のためのピアノ協奏曲(ケフェウス・ノート)の作曲を粛々と進める。
この曲、初演は12月だし、イメージとしてもどちらかと言うと冬の音楽。しかし、因果なことに、秋の音楽会シーズンに演奏される曲は、夏の間に書き上げなければならないのが、この世界の鉄則。かくして真夏の暑い盛りに、冷たい冬の星空のヴィジョンを描かなければならないわけなのである。
ただ、よく言われることだけれど、映画などでは夏の暑い時期に冬のシーンを撮影すると、「寒さ」が映像により強く現われるとも聞く。実際には寒くないぶん「寒さを描く」ことに集中するせいだろうか。むかし、「白い風景」という曲を書いた時も、「雪がしんしんと降り積もる情景(雪景色)」を描いたにもかかわらず、作曲したのは真夏だった。真夏の東京で暑さにへこたれながら書くからこそ、「美しき冬のヴィジョン」に心底あこがれた音楽が出て来る……ということなのらしい。
でも、出来ることなら涼しい避暑地で書きたいものだなあ。
夏は苦手だ。
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芸術は「憧れ」や「思慕」から生まれでるとすればw
暑ければ暑いほど、凍てつく冬の星空の作品が
生み出されるのでしょうね。傑作間違いなしですね!
しかし、いやはや・・・お暑ぅございます。
投稿: ぱゆ | 2007年7月27日 (金) 23:27