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2007年8月

2007年8月31日 (金)

左手のためのピアノ協奏曲〈ケフェウス・ノート〉

Cepheus この夏ずっとかかりきりだった左手のためのピアノ協奏曲〈ケフェウス・ノート〉のスコアがようやく仕上がる。

 全5章からなる20分ほどの曲で、15段のスコアが45ページ。今回は、左手ピアノ&室内管弦楽サイズ(弦楽&管5本)のオーケストラなので、両手&フルオケによるピアノ協奏曲のことを考えれば、音符数は(半分とはいかないものの)はるかに少ない。それでも、やはりオーケストラのスコアを書くのはくたびれるのだけれど。(特に、今年のような酷暑の夏には…)

 ちなみに、作曲家が作品を書きあげた瞬間というのは、最後の小節線をガッと引いて「出来たッ!」と叫ぶようなイメージがあるかも知れないが、実はそんなにスパッと割り切れるものではなく、その後もチェックがイジイジと続く。例えば、強弱記号やテンポ記号が抜けている所はないか、音符や休符の書き間違いはないか、小節番号や練習番号はちゃんと付いているか、奏法の指定あるいはテンポの指示などで矛盾している所はないか…などなど。そして、最後の言葉はいつでもこうだ。「うーーーーん。こんな、もん、かな…」

 というわけで、まだ記憶がさめやらぬうちに、作曲の次第については次回の「月刊Classic音楽探偵団」に書いてみるつもり(喉元すぎれば何とやらで、しばらくたつとすぐ忘れてしまうので)。そして初演は、舘野泉さんのピアノにより、今年12月のドレスデン室内管弦楽団の来日公演(東京、京都、山口ほか)にて行われる予定。

 それにしても、8月31日〆切というのは、なんだか夏休みの宿題みたいな感じで不思議な気分(笑)。今年は9月頭に土日がはいるので、先生に提出するのは9月3日の月曜日、というのも同じだし。(というわけで、これから提出日に向けて最終チェック…なのだが、実は明日明後日はBSの大仕事が残っている。夏休みの宿題は簡単には終わらない)

2007年8月29日 (水)

FM シンフォニーコンサート

Fmsym NHKでFMシンフォニーコンサート9月(9日放送)分の収録。おかげで10日ぶりに外に出る。ただし、3時間スタジオにこもりきりの仕事だったのだが… ¥(+_+)¥

 曲目は、ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」より前奏曲と愛の死、マーラー「さすらう若人の歌」(Br:河野克典)、交響曲第1番「巨人」(指揮:ダン・エッティンガー、東京フィル)。

 終わってから、例の〈クラシック入門三部作〉を今度は中国(本土)で出版する件で打ち合せ。あらたな日中問題の火ダネにならなければいいが…(~_~;)

2007年8月25日 (土)

ひきこもり残暑お見舞い

Cat825_2
 気が付くと、まる一週間、外に出ていない。

 そもそも8月になってから外に出たのは・・・一度リハーサルのためNHKに出向いたのと、iMacを見に新宿に出たくらい。ちゃんと「外を歩いた」のは大宮と久喜に行った2日だけだ。

 ということは8月になって太陽を見たのは・・・

 ・・・4回? 

 作曲をやっていると人生の記憶がほとんどない…というのは昔から気付いてはいた。作品のスコアひとつと引き換えに9年ほどの記憶が吹っ飛んだこともある。交響曲5つで確実に5年分は消し飛んでいるし。だから50年生きたって、実質の人生は5年くらいなんじゃなかろうか?(そのあたり、なんだかネコと同じような気も…)

 だから、今年の夏の記憶も、たぶん…ない。

2007年8月22日 (水)

ぴあのピア取材

Pianopia NHK BS-hi「ぴあのピア」の取材。仕事場のピアノの前でピアノについてのコメントを撮影収録。

 ピアノぴあ? ぴあノピア? ピアのピア?…と思わず悩むところだが「ぴあのピア」が正しいらしい。ピアノ生誕300年を迎え、バッハから現代に到る古今のピアノ曲を紹介しながらピアノの歴史をたどる10分の音楽番組(毎週・月〜金曜日。BS-hi:7:35/21:50、BS2:18:45)。ただし、BS限定。

 私は、シベリウスの回の出演ということで、シベリウス師とピアノについてもひと言ふたこと。曲は「花の組曲(5つの小品 op.85)」(演奏:田部京子さん)。師匠の作品の中で一番「可愛らしい」(あの怖い顔からは想像も出来ない…失礼!…少女っぽい可憐さを持った)小品集。むかしアイノラを訪れた時に弾かせてもらったピアノと、夏の青空の下で庭の花壇に咲き乱れていた花たちを思い出しながら・・・。

2007年8月19日 (日)

真夏の総合練習

Kuki 久喜市(埼玉県)の文化会館で全員揃っての初の総合練習。集まったのは、オーケストラ:大宮フィル(約60名)、金管別動隊(6名)、秩父屋台囃子(9名)、タケカワ・バンド(8名)、児童合唱(約50名)、混声合唱(約130名)という大所帯。

 これだけオーケストラと合唱がいても、太鼓やロックバンドが鳴り出すとなんにも聴こえなくなる。ビート・ミュージック恐るべし! おまけに、最後は金管別動隊(トランペット3,トロンボーン3)が登場し、まさに大音量の饗宴&音響のシャワー状態…。

 いや、これはこれでひどく面白いしワクワクするのだが、今は別の曲(…しかも、静かで清楚で穏やかな曲!)を作曲しているわけで、その落差に頭の中が「ぐるんぐるん」な状態(@:@)

 例えて言うなら、繊細きわまりない薄味のダシによる懐石料理を味わっているところに、いきなり激辛カレーキムチビフテキ(そんなのがあるかどうか知らないが)が飛び込んで来てしまったような…というか…

 まあ、自分で書いたスコアなので、自業自得なのだが…
 

2007年8月16日 (木)

新 iMac

Imac この8日に発表された新しいiMacを見に行く。暑さと忙しさでそれどころじゃない筈なのだが、そこはそれ、忙中閑。

 歴代PowerMac & PowerBook のユーザーとしては、いまいちこのiMacシリーズ(モニターと本体が一体化したオール・イン・ワン型デスクトップ)はオモチャっぽくて食指が動かなかったのだが、今回の新モデルは銀色アルミのしゃきっとしたデザインと極薄型キイボードのバランスも見事。ひさびさのヒット作と見た(売れるかどうかは別として)。

Mac_plus 私が最初に買った(ちょうど20年前だ!)のMac plus→と比べてみると、いかにも「未来に来た!」という感じがする。

 これで、モニター部分が回転して縦型でも使えると(スコアを書くのに)非常にありがたいのだが、それは「出来ません」とのこと。そういうリクエストする人はいないのだろうか? 不思議だ。

2007年8月15日 (水)

それにしても空の青さよ

Sky01

2007年8月12日 (日)

和と洋の合体リハーサル

Rehearsal NHKのスタジオに和太鼓(秩父屋台囃子)とロックバンド(タケカワユキヒデ氏のバンド)と指揮者(円光寺雅彦氏)が集まって和洋合体リハーサル。

 9月の本番では、これにさらにオーケストラとコーラスが加わる大編成になるのだが、そもそも和太鼓に「8ビート」とか「4小節」などと言っても通じず、バンドやオーケストラに「間合い」とか「呼吸」と言っても無理な話。それが合体するのだから、「一体どういうことになるのやら?」である。

 でも、実を言うとロックと和太鼓の合体というのは、もう30年近く前にニューヨークのオフ・ブロードウェイの仕事でやったことがあって、私としては逆に「懐かしい」サウンドだったりする。

 唯一にして最大の問題点は「太鼓は叩き出したら(そう簡単には)止まらない」という点なのだが、それもなんとかクリア出来そう。というわけで、来週はいよいよオーケストラも含めた全員が集まってのリハーサルである。

2007年8月10日 (金)

夏休み雑談・作曲家と著作権

5070 Blog「月刊クラシック音楽探偵事務所」更新。今回は「夏休み雑談・作曲家と著作権」。

 今年2007年は、シベリウス師の没後50年にあたる。ということは、師匠もこれで晴れて「著作権フリー」のパブリック・ドメインとして、世界の共有物になるわけである。(もっとも、保護期間70年の国も少なくないので、地域限定だが)

 しかし、果たして作曲家にとってこの「著作権」とは一体何なのか?
 夏休みの青空をボーッと見上げながら考えた。

2007年8月 7日 (火)

鉄道博物館へ下見に行く

Photo 大宮に新しく出来た「鉄道博物館」(JR東日本)を訪れる。

 次回のBS2「おーい、ニッポン(埼玉編)」では、ここの鉄道車両展示会場(歴史ゾーン)をコンサートホールに見立てて、オーケストラと合唱と和太鼓とバンドのために書いたRhapsodyが演奏される予定なので、美術や音響のスタッフさんたちと連れ立って、場所の下見に出向いた次第。

Oomiya オープンは10月なのでまだ工事中なのだが、メインの展示場は機関車の操車場のイメージで作られた巨大空間。中央にC57型蒸気機関車が鎮座し、その回りを明治・大正・昭和の懐かしい電車・機関車・ディーゼル車・貨車・客車などなど30両以上がずらりと取り囲む。鉄(鉄道マニア)にはたまらない空間である。

C57 ただ、場所としては巨大倉庫のような作りなので、オーケストラなどを大音量で鳴らすと音が響きすぎて収拾が付かなくなる恐れもありそうだ。それに、オーケストラと200人の合唱と太鼓とバンドを乗せるステージのセットというのも、考えただけで大変そう。
 まあ、とにかく前代未聞の試みなので、やってみないと分からないけれど。

2007年8月 6日 (月)

松村禎三氏死去

Matsumura 松村禎三氏が亡くなった。
 
 私が作曲を志した1960年代、日本にふたりの気になる作曲家がいた。ひとりは武満徹、そして、もう一人が松村禎三。まだお二人とも三十代の頃だ。

 武満さんの音楽はシャレていてセンスがよい一級の工芸品を思わせたが、松村さんの音楽は対照的に無骨で重厚壮大な壁画を思わせた。その音楽の強烈無比な存在感と個性は圧倒的であり、当時耳にした「交響曲」「管弦楽のための前奏曲」「ピアノ協奏曲第1番」「弦楽四重奏とピアノのための音楽」といった作品ほど、魂を震撼とさせた音楽はなかった。

 当時まだ十代だった私は、現代という時代に「交響曲」を書く松村さんの強靱な「魂」(そして「作家としての根性」)こそが欲しいと思い、弟子入りした。
 書いた作品を見てもらうくらいで、作曲について具体的に何かを教えてもらったわけではないが、「作曲道」とでも言いたくなる一人の「作家」の壮絶な存在に触れたことは、今も大きな心の糧になっている。あれから、もう35年がたつ。

2007年8月 5日 (日)

好きな作家の新刊3点

Photo 好きな作家(五十嵐大介)の新刊が3点届いたので、仕事を半日休んで読みふける。

 この人、最初の短編集(「はなしっぱなし」1996年)から、次作「そらトびタマシイ」(2002年)まで随分あったので、希代の寡作家かと思っていたのだが、ここ数年作品が増え(「魔女」、「リトル・フォレスト」)、今月は新刊3冊一挙発売。嬉しくて予約して手に入れた。

 月刊誌で連載中の「海獣の子供(1)(2)」は、海と生命の起源をめぐる大長編になりそうな物語。アナログの極致のような職人技の精密な画力と、それが生み出すファンタジー(そして美しい水中シーン!)が見事。主人公はかつての丸木俊(原爆の図などで有名な日本画家)の絵本を思わせる古風な筆致で描かれるのだが、それを取り巻く世界の3次元的なパースペクティヴは極めて現代的かつ映像的。これは出来れば全編カラーで見てみたい。

 一方の「カボチャの冒険」は、岩手の農村で暮らす作者と飼い猫カボチャとの田舎暮らしのエッセイ仕立て。ネコとの日常生活を描いたマンガは数々あれど、ほとんど女性作家のもの。男性作家の目から見たネコの日常と言うのはさすがに一味違う。ネコ好きにはたまらないかと…。

2007年8月 3日 (金)

左手のピアノのための法則

Photo 左手のピアノのための協奏曲を書くのにどういう法則があるのか(いまだに)よく分からないが、自分で弾こうとすると指を捻挫しそうになることだけは、今まで左手のピアノ曲を何曲か書いてきてなんとなく分かった。(要するに、慣れない筋肉を酷使するらしい)

 特に、和音だ。右手なら簡単な何でもない和音が、左手で弾くと指がねじ曲がりそうになることがある。右手の領域である高音域に行けば行くほど、それが顕著になる。
 それでも逆に、右手では難しいことが左手だといとも簡単(あるいは効果的)に弾けることもあるから、簡単に不利と言い切ることも出来ない。なかなか奥が深い世界である。

 それに、ひとつだけ、左手のためのピアノ曲の作曲には「有利」なことがある。

 普通に作曲する時は、指の間に鉛筆(シャープペン)と消しゴムを挟みながら、両手でピアノを弾いて作曲する。これはなかなかコツがいるし、弾きながら同時に楽譜を書くことは絶対に出来ない。

 しかし、左手のピアノ曲を書く時は、左手でピアノを弾きながら、右手に鉛筆を持って楽譜を書くことができるのだ!。おぉ、これは便利 ♪(^..^)¥。(…それがどうした、って?)

2007年8月 1日 (水)

どうやら8月になったらしい

Vacances 只今アカプルコで夏休み中・・・


 ・・・なわけがなく、暑い東京で、スコアをもそもそと書き綴る日々。

 このところ、いきなり雷雨になったり猛暑になったり、下界の天候は色々のようだが、仕事部屋に入ってしまえば、そこはいわば「結界」が張られた異空間。冬の星空も、冷たく光る湖面も、頬を撫でる優しい風も、虹の架かった丘も、ここにはすべてが(夢のように)広がっている。

 何も聴かない、何も聴こえない、理想の(架空の)音楽宇宙。・・・(ただ、時々「牢獄」にいるような気もしないのでもないのだけれど)

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