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2008年3月

2008年3月29日 (土)

満開の桜の下に誰もいない

Olym01 天気がよく桜も見頃のようなので、午前中、近所の某国立青少年センターの「観桜」にぶらりと出かける。

 ここは健全な青少年たちが研修や合宿に使う施設(私も高校の頃、オーケストラ部の合宿で泊まったことがある)で、毎年、桜の季節(3月下旬から4月の初旬)は一般開放している。

 とは言え、さすが国立(いわゆる独立行政法人)、入口にはしっかり守衛がいるうえ「関係者以外立ち入り禁止」の看板もそのままで、もちろん飲酒厳禁(お花見会はできません)。

Olym02 おかげで、時間のせいか、場所のせいか、桜は満開なのにほとんど誰もいない(@ @;)

 花見というと、花を見るより人の群れを見ることの方が多いけれど、これぞまさしく目の保養。

 桜は人がいないに限る。

2008年3月27日 (木)

オーケストラの夕べ@NHK-FM

Okeyou NHK-FMで4月から始まる新番組「オーケストラの夕べ」の解説収録。

 とは言っても、今まで日曜日の午後(2時から6時まで)やっていた「サンデー・クラシック・ワイド」の中の「シンフォニー・コンサート」がそのまま移行しただけで、大枠は変わらず。毎週日曜日の19:20から21:00までの1時間40分で、東京・大阪・名古屋などで行われたコンサートほぼ一晩分を放送する。私は第1〜2週の「東京」編(東京フィル)を担当。

 本日収録したのは、4月6日放送分の、モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番(vn:久保田巧)、ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(指揮:船橋洋介)。
 および4月13日放送分の、マーラー「花の章」、ベルク「初期の7つの歌曲」、ウェーベルン「夏の風の中で」、シェーンベルク「ペレアスとメリザンド」(以上、指揮:若杉弘)。

 収録後、渋谷の寿司屋でパ・ドゥ・シャ(パーカッション:山口多嘉子、ピアノ:小柳美奈子)のお二人と飲む。なんだか「猫が主人公の3幕もののバレエ曲を書くッ!」と言ったような気もするのだが、酔っぱらいの言うことを真に受けちゃいけませんや(^ ^;)
 

2008年3月25日 (火)

咲イタ咲イタ桜ガ咲イタ

Sakuraa 朝、春の日差しを受けて、仕事場の窓の外に見える代々幡村の〈基準桜〉がようやく咲き始める。

 東京は22日に「開花宣言」が出ているから、数日遅れ。それでも、昨年よりはさらに数日早い。ということは、今年の夏は暑いということか・・・

Jasracmarch 昼、JASRAC(日本音楽著作権協会)より3月分の分配金明細が届く。作曲家にとっては年に4回(3月、6月、9月、12月)しかない貴重な給料日。こちらもようやく春が来た・・・のか?

 午後、表参道のカフェで、藤岡幸夫氏(指揮者)と三村奈々恵さん(美人マリンバ奏者)と密談(^ ^)。「ヨシマツさん、今、何書いてるんですか?」と訊かれて「えーーと…」。そう言えば、最近Macで遊び呆けていて、すっかり作曲の仕方を忘れてるような気が…。

 夜、TVで爆笑問題が京都大学で教授陣とトークバトルをやっている番組(ニッポンの教養)を見る。テーマは「独創力!」。学生も交えて結構熱いバトルが繰り広げられ、青臭い議論ながら(でも、学生時代はよくこういう議論を徹夜でやったものだなぁ)思わず見入ってしまった。太田光の、挑発とボケが絶妙なバランスを持った話芸が凄い。

2008年3月23日 (日)

別館OPEN@代々幡村音楽館

A 先週オープンした〈代々幡村音楽館〉に、早くも「別館アネックス」を増築。

 ここは、いわばお宝映像資料館?みたいなもので、さしあたり期間限定映像をふたつほど公開中。

 ひとつは、昔、とあるテレビ番組のために書いたものの、企画が流れてお蔵入りになった幻のテーマ音楽。ホームズ氏とワトソン博士のキャラクターにご登場願って架空のドラマ「怪奇事件簿」のタイトル仕立てにしてみた。これは世界初公開。

 もうひとつは、最近BS番組のために構成&編曲したお国自慢メドレー宮崎編から、著作権に抵触しない(と思われる)芸能&民謡の部分の映像。子供たちの歌う刈干切唄が聞きもの。

2008年3月20日 (木)

ベルリン・フィル特番@BS hi

Nhk_bs_hi_march08 NHK衛星ハイビジョン「夢の音楽堂〜ベルリン・フィルのすべて」に出演。13時から20時までの7時間番組(司会:高橋美鈴アナウンサー,ゲスト:土屋邦雄、吉松隆)。

 フルトヴェングラー〜カラヤン〜ザンデルリンク〜ヴァント〜アバド〜ラトル〜小沢征爾との共演で聴く数々の演奏は、打合わせのDVDで聴き、当日スタジオで聴き、また放送で聴いたわけだが、やはり「凄いオーケストラだなあ」という印象。最高性能のスポーツカーを見る感じだ。

 ただし、ベルリン・フィルで43年間ヴィオラを弾いておられた土屋邦雄氏ともども、スタジオのコメントでは結構辛口の苦言もしゃべっていたのだが、「これはカットされるだろうなあ」と思っていたところは漏れなくカット(~ ~)。

 面白かったのを2〜3ご紹介。

 司会「ベルリン・フィルは世界のトップ・オーケストラであるわけなんですが…」「今はトップじゃないですよ。最近の調査では,ウィーン・フィルがトップ,次がコンセルトヘボウで、その次くらいじゃないですか」

 司会「世界各国から優れたプレイヤーが集まっている国際的なオーケストラですよね…」「でも、世界中から優れた牛肉を集めてブレンドしたら、それはもう和牛じゃないでしょ。食品だったら〈産地偽装〉と言われかねない。〈国際的〉は一歩間違えば〈国籍不明〉になりかねないですからね〜」

 司会「カラヤン以降、オーケストラの団員の民主的投票によって,アバド、ラトル…という国際的な指揮者を常任に迎えたわけですが…」「いや、当時、投票の選択肢の中にドイツ人の指揮者が一人もいなかったというのは、国際的だと笑ってすませる問題じゃないですよ。日本の国技のはずの大相撲に日本人の横綱がいないのと同じで、ドイツ人としては内心かなり忸怩たる思いがあるんじゃないですか。イタリア人(アバド)やイギリス人(ラトル)を続けてシェフに迎えたベルリン・フィルは、もはやベートーヴェンやブラームスを弾かせたら天下一品という〈ドイツのオーケストラ〉とは言えなくなっていますしね」

2008年3月18日 (火)

代々幡村音楽館 OPEN

Hall 先週から開館に向けてじたばたしていた〈代々幡村音楽館〉、本日ようやく無事OPEN。

 欲張って、コンサート大ホール,室内楽ホール,リサイタル小ホール…と3つも作ってしまったが、なにしろネットの中の架空音楽館なので、建設費用はゼロ。
 面白い時代になったものだ。

 開館記念の演目は・・・
 ◇コンサート大ホール
  ・コンガラガリアン狂詩曲(第1部/改訂版)
 ◇室内楽ホール
  ・アトムハーツクラブ・カルテット第1番
  ・夢色モビール(新作)
 ◇リサイタル小ホール
  ・5月の夢の歌(桜ヴァージョン)

 ちなみに、代々幡村(よよはたむら)というのは、私が住んでいる渋谷(特に代々木八幡から幡ヶ谷あたり)の昔の地名。この辺に音楽ホール建てたら、数十億じゃ利くまい。



 追記:この音楽館、.Macの領土内に建設したので、Windows & Explorer 環境だと字体やレイアウトに不具合が出ることが確認されています。随時修理してゆく予定ですが、お気づきの点がありましたらお知らせください。

2008年3月16日 (日)

BBCフィル@横浜みなとみらい

Bbcphil 横浜みなとみらいホールに、BBCフィルの来日公演を聴きに行く。

 Chandosでは私の作品集CDを6枚も録音してもらった仲なので表敬訪問。とは言っても、メンバーの中でフルネームを知ってるのはMr.Peter Dixon(チェロ協奏曲〈ケンタウルス・ユニット〉を献呈したチェロのトップ)くらいなのだが・・・

 ホールを埋め尽くした満員の聴衆のお目当ては、どうやらシベリウスを弾いたヒラリー・ハーン嬢。確かに、冷たくも美しいオーラが出ている尋常でないヴァイオリンだ。
 ただ、無理な望みと分かってはいるけど、ここはやはりシベリウスより(最新録音盤で披露した)シェーンベルクを聴きたかったなあ。

2008年3月15日 (土)

アトムハーツクラブ@音楽館

Finalcutsample 音楽館に〈アトム・ハーツ・クラブ・カルテット〉追加。室内楽ホールにて上映中。

 ←ちなみに、音楽と映像の合体作業はこんな感じ。使用ソフトは〈Final Cut express〉。下の2段がオーディオ(音楽)のトラックで、その波形を見ながら音に合わせて楽譜やイラストなどをカット割りし、画像エフェクト(ズームインやフェードアウトなど)を加えてゆく。慣れてくると,なかなか楽しい。

 でも、「そんなことやってる場合じゃないでしょ?」と天から声がする。・・・あいたた(+ +;)

2008年3月13日 (木)

録音&コンサート打ち合わせ

Trio 4月のCD録音(室内楽作品集)と、秋に開催予定の室内楽コンサート(アトムがらみのクラシック入門コンサート)の打ち合わせ。

 共に、関西在住のピアニスト:河村泰子さんのプロデュースで、場所は宝塚のベガ・ホール。メイン・プログラムは、ピアノ・トリオ版の「アトム・ハーツ・クラブ・トリオ」全2曲(初披露)ほか。

 なにしろ今年は、手塚治虫(宝塚出身!)の生誕80周年。その記念すべき年に祝福すべき聖地でアトムゆかりのアルバムと室内楽コンサートが出来るとは!。手塚ファン50年の私としては「うふふ…」である。

2008年3月12日 (水)

音楽館新設@試験運営中

01 ホームページ内に私設音楽ホール「代々幡村音楽館(仮)」を新設してみた。

 そもそもは、3日前に「Final cut express」という映像編集ソフトを手に入れ、自分の曲と写真画像とで遊んでいるうちに2つほどコンテンツが完成したのがきっかけ。

 こういうお遊び動画は、普通 You Tubeとかニコニコ動画とかに投稿するのだろうけれど、よく考えてみると「作曲家」だと微妙にまずい?…と気付いて断念。仕方なく、私設のページを作ることにした次第。

 まあ,一言で言って、隠居の道楽ですな。(^.^)

          *

 ただ今、試験運営中。現在、下記の2作品を上映しております。入場無料。(ただし、パソコンにQuickTimeがインストールされていないと見られない・・・かも知れません)

 代々幡村音楽館 Yoyohata-mura Music Hall
 □ コンサート大ホール
 ・コンガラガリアン狂詩曲 第1部 
 □ リサイタル小ホール
 ・5月の夢の歌(桜ヴァージョン) 

          *

 追記:↑上記のリンクで見られない(?マークが出る)場合は、私のホームページのmenu「◇音楽館」からホール入口に飛んでみてください。

 最新のQuickTimeのダウンロードはこちら。

2008年3月10日 (月)

チェロから始まる弦楽器の事情

Cello_3 Blog「月刊クラシック音楽探偵事務所」更新。今回は「チェロから始まる弦楽器の事情」。

 最初はチェロについてだけ書くつもりだったのだが、名前の由来などを書いているうちに、最近ベルリン・フィル特番や高関健氏との会話の中に出てきて気になった「標準配置」と「対向配置」についての話に飛び火。なにやら弦楽器豆知識というか雑感のようになってしまった。

 ・・・のだが、いろいろ楽器の向きなどについて書いていて、改めて「?」と考え込んでしまったのが、「右向き」と「左向き」。

 むかし体育の時間なんかで「右向け〜、右!」と言われたら、自分から見て右を向いた記憶がある。と言うことは、本人が「右を向いている」と思っている姿は、人から見れば「左向き」? いやいや、本人が「右を向いている」と思っているのが「右向き」?

Karehira_2 うわあ、どっちだ〜? と頭を抱えている時に思い出したのが、「左ヒラメに右カレイ」という言葉。(これはヒラメとカレイの見分け方。背びれを上にして置いた時、左を向いているのがヒラメで、右を向いているのがカレイ)

 そうか、そうか。左向きがヒラメで右向きがカレイだった。
 じゃあ、ヒラメが向いている方が左で、カレイが向いている方が右ではないか。簡単だ。

 で、どちらがヒラメでどちらがカレイかと言うと・・・左を向いているのがヒラメで、右を向いているのが・・・(@ @;)
 

2008年3月 7日 (金)

夢の音楽堂@NHK BS hi

Nhk_bs_hi NHK102スタジオで「夢の音楽堂〜ベルリン・フィルのすべて〜」収録。

 フルトヴェングラー〜カラヤンから、アバド、ラトル、小沢征爾の現在まで、ハイビジョン映像+5.1チャンネルのサラウンド・サウンドで聴く7時間!の音楽番組。(司会:高橋美鈴、ゲスト:土屋邦雄、吉松隆)。

 私はそもそも、中学生時代の1960年代にカラヤン&ベルリン・フィルを聴いてクラシックに目覚め、作曲家になってしまった人間。そこで、こういう番組に引っ張り出されたらしいのだが、まさにその時代にカラヤン&ベルリンフィルでヴィオラを弾いておられた土屋邦雄氏に当時のお話を聞けて感激。なので、その頃の話をし始めると、もう、と、止まらない(^ ^)/

 個人的には、ベルリン・フィルと言ったら、それはもう「フルトヴェングラーとカラヤンのオーケストラ」以外の何物でもない(その点は、土屋氏も同意見)のだが、一応ハイビジョンの映像が手に入るもの…という限定で集まったのが下記の演奏。

 ・ムソルグスキー・ラヴェル:展覧会の絵
   指揮:ラトル(2007年)
 ・R・シュトラウス:ティルオイレンシュピーゲルの愉快ないたずら
   指揮:フルトヴェングラー(1950年)
 ・ブラームス:交響曲第4番/第4楽章
   指揮:カラヤン(1973年)
 ・ショスタコーヴィチ:交響曲第8番
   指揮:ザンデルリンク(1997年)
 ・ヴェルディ:レクイエム/リベラ・メ
   指揮:アバド(2001年)
 ・ブルックナー:交響曲第9番
   指揮:ヴァント(1998年)
 ・チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
   指揮:小沢征爾(2008年)

Bshi02 どれもファン垂涎の貴重な演奏&映像だが、特にフルトヴェングラーの指揮ぶりが見られる映像や、ヴァントの入魂のブルックナー、ザンデルリンクが振る歴史的なショスタコーヴィチ、そして最後を締めくくる(カラヤン生誕100年記念コンサートでの)「悲愴」など、心をかき乱される演奏が続く。

 そのほか、ベルリンフィルの歴史を綴るドキュメンタリーや、珍しいリハーサル風景から、大道芸人?好田タクト氏の世にも傑作な指揮者の形態模写!なども登場する充実の7時間。
 当然、収録するのには7時間以上かかったわけで、朝スタジオに入って、収録がすべて終わったのが夜の10時半。く、くたびれた・・・

 放送は、3月20日(木)13:00〜20:00。衛星ハイビジョン(NHK BS hi)にて。

2008年3月 5日 (水)

アルビレオ・モード@1st edit

Albireocdsample イギリスよりソプラノ・サクソフォン協奏曲「アルビレオ・モード」の録音1st edit(sax:須川展也、指揮:佐渡裕、BBCフィル)が届く。

 実はこの曲、2005年4月のあの死者107人を出した福知山線脱線事故の直後に大阪で初演されている。アルビレオは、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に出てくる死の国への分水嶺に立つ星で、この作品もそれを描いているのだが、奇しくも列車で107人が星の国に旅立った事件の直後とあって、初演の時は曲を聴きながら泣けてしようがなかった。

 特に音楽を志す若い人が何人も犠牲になった(中には、そのコンサートに来る予定だった人もいたかも知れない)ことは、本当に痛ましいとしか言いようがない。この曲を聴くたびに、そのカンパネルラたちのことを思い出す。

 CDは、須川氏によるサクソフォン協奏曲集としてCHANDOSより夏頃に発売予定。

2008年3月 3日 (月)

確定申告の季節

Tax_2 税務署に確定申告に行った。

 むかしは税務署の窓口と言ったら怖そうな男性(…かなり「取られる側」の主観が混じっているけれど)と決まっていたような気がするのだが、今回は女性が2人並んで「ご苦労さまですぅ」と優しい笑顔。ちょっとした質問にも、「はい。これはこうして。あれはそうして」と、説明も丁寧。

 でも、考えてみれば、一人一人から何十万かずつふんだくる……もとい、納めてもらう訳なのだから、コーヒーくらい出したってバチはあたらないよね。



 …などと、愚痴は言うまい。
 こんな浮き草稼業をやっていて、ちゃんと税金が払える(いや、払わさせていただける)なんて、お天道さまに感謝、感謝である(- -)

2008年3月 2日 (日)

輝け!ふるさとラプソディ

All

 NHK(総合)TVで「輝け!ふるさとラプソディ」放送。
 ここ1年にBS-2「おーいニッポン」で放映した「ふるさとラプソディ」6曲の総集編。

・新潟(編曲:藤野浩一)
・埼玉(編曲:吉松隆)
・島根(編曲:渡辺俊幸)
・愛媛(編曲:栗山和樹)
・岐阜(編曲:和田薫)
・宮崎(編曲:吉松隆)

 そう言えば、NHK総合TVに出るのはひさしぶり(> <)

2008年3月 1日 (土)

伊福部昭「管弦楽法」(完本)

Orch 伊福部昭「管弦楽法」(音楽之友社。定価¥24,000+税)届く。

 この書は、言わずと知れた作曲家必携のオーケストレイションのバイブル。私も高校生時代に手に取って以来、40年間ピアノの横にずっと置いてある文字通りの座右の書である。

 今回の「完本」は、旧1968年版で上下巻からなる大著(A5版)だったものを、いくぶん大判(B5版)にし、さらに上下巻を合併させたもの。一昨年、同じく音楽之友社から発売されたベルリオーズの「管弦楽法」とサイズも同じなので、作曲学生は(なけなしの金をはたいてでも)2冊そろえて買うべし(+ +;)。

 何しろあらゆる楽器の機能について網羅している点で(おそらく)世界一の「管弦楽法」の書物。ただし、どこかコンピュータの操作マニュアル本に似ているナ…と、今回改めて気付いた。すべての機能が120%書き記されているが、読みやすさ分かりやすさへの配慮はなく、知りたいことにたどり着くのがえらく大変なのだ。

 しかし、その「やさしくない」点こそがこの書の「品格」であり、それゆえに永遠の名著として残るべき風格をたたえていることは間違いない。この本を書いている時の伊福部先生は、音楽家ではなく完全に「学者」になっていたということなのだろう。

 音楽ファンがちょっと読んで楽しむという本では金輪際ないけれど、これだけは言える。この本を持っていない作曲家はモグリですぞ。


 ・・・ってモグリの作曲家が言っても説得力ないか・・・(~ ~;)

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