伊福部昭「管弦楽法」(完本)
伊福部昭「管弦楽法」(音楽之友社。定価¥24,000+税)届く。
この書は、言わずと知れた作曲家必携のオーケストレイションのバイブル。私も高校生時代に手に取って以来、40年間ピアノの横にずっと置いてある文字通りの座右の書である。
今回の「完本」は、旧1968年版で上下巻からなる大著(A5版)だったものを、いくぶん大判(B5版)にし、さらに上下巻を合併させたもの。一昨年、同じく音楽之友社から発売されたベルリオーズの「管弦楽法」とサイズも同じなので、作曲学生は(なけなしの金をはたいてでも)2冊そろえて買うべし(+ +;)。
何しろあらゆる楽器の機能について網羅している点で(おそらく)世界一の「管弦楽法」の書物。ただし、どこかコンピュータの操作マニュアル本に似ているナ…と、今回改めて気付いた。すべての機能が120%書き記されているが、読みやすさ分かりやすさへの配慮はなく、知りたいことにたどり着くのがえらく大変なのだ。
しかし、その「やさしくない」点こそがこの書の「品格」であり、それゆえに永遠の名著として残るべき風格をたたえていることは間違いない。この本を書いている時の伊福部先生は、音楽家ではなく完全に「学者」になっていたということなのだろう。
音楽ファンがちょっと読んで楽しむという本では金輪際ないけれど、これだけは言える。この本を持っていない作曲家はモグリですぞ。
・・・ってモグリの作曲家が言っても説得力ないか・・・(~ ~;)
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僕も第二版を持ってますが、内容より日本語に苦戦しました(笑)
投稿: JUN | 2008年3月 2日 (日) 04:30
吉松隆様
ご無沙汰しています。完本管絃楽法のご紹介と、ご購入誠にありがとうございました。細心の注意で仕上げつもりですが、お使いになった上でのご意見があればぜひお教えください。
junさんへ お使い頂いてありがとうございます。旧漢字は新漢字になり、随所にルビを振りましたので、格段に読みやすくなっていると思います。二度買うという本ではないでしょうから、今さら申し訳ないのですが、できうれば「完本」を出入りされている図書館ででも買っていただき、お読みいただければ嬉しく思います。
音楽之友社代表取締役社長
堀内 久美雄
投稿: 堀内 久美雄 | 2008年4月11日 (金) 11:30