水有りすぎの水無月
ここは、私にとっては、ベートヴェンにおけるハイリゲンシュタットの森のようなもの(別に遺書を書いた覚えはないが)。作曲の構想にはよくここをぐるぐる歩き回る。
こういう暗い木の枝の影から、楽想は(人がいない隙を見計らって)音もなく降りてくるのである。
・・・もちろん、降りてこない時もあるけれど(+ +;)
*
歩き疲れて仕事場に戻ると、なにやら馬鹿でかい封筒が届いていた。開けてみると、しばらく前に発作的に注文して忘れていたオペラ(リゲティ「グラン・マカブル」)のスコア。
思わず、むかし買ったツィンマーマン「兵士たち」とライマンの「リア王」のスコアと大きさ比べ(笑)
それにしても、こういうオペラの巨大フルスコアを見るたびに、しみじみと「作曲って体力だなぁ」と思い知らされる。
刺身つまみながら日本酒ちびちび飲んでいる人間には、こういう2キログラムのステーキでワインがぶ飲みしているような構造物を見ると、ちょっと気が遠くなる。
それでも、そろそろ頑張ってオーケストラ、書かねば。
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