MobileMe
iPhoneの登場に合わせて旧「.Mac」が「MobileMe」に移行した。
これは、メール、アドレス帳、カレンダー&スケジュール帳(iCal)、データ(iDisk)などを「仕事場のデスクトップ・パソコン」「携帯のノートブック」「携帯電話(iPhone)」の間で〈同期〉するシステムで、(私は「.Mac」の頃から使ってきて、もはや生活必需品になっているが)至極便利である。
たぶんこれが、今後のコンピュータ〜ネット〜電話〜データを統合する基本システムになるのだろう・・・が、巨大で致命的な問題がひとつ。
例えば、スケジュール帳を兼ねたカレンダー「iCal」というのは凄く便利なのだが、私のMacには、これを使い始めた2年前からのデータしか入っていない。その前の10年くらいは別のカレンダー・ソフトを使っていて、データは全部そこに入っているのだが、残念ながらフォーマットが全然違うのでまったく読み込めない。(さらにその前の10年間、今は亡きOSでカタカナ入力したデータは・・・聞くも涙の物語である(+ +;)
これで思い出すのは、例の「年金記録の消失」。「コンピュータにデータを入力する」というのは普遍性を保証された行為だが、最初の最初はどんなデータも人間が「手入力」するしかない。ポチポチと一字一字入力するのだから、当然間違える。そのうえ、コンピュータというやつは十数年単位でハードやOSや接続や記憶媒体が根本的に変わる。10年前のデータが10年後に読める保証はほとんどないと言っていい。もし、コンピュータに入力したからと言って、紙に書いた(あるいは印刷した)データを破棄していたら、そのデータは永遠にこの世から「削除」されたと言っていいのである。
どんなに便利なコンピュータ&ネットも、それが生まれた以前の記憶はない。(だから、ウチのMacも、手書き楽譜だった頃の私の作品の記憶は全くない)。どんなに便利な「MobileMe」も、昨日より前の記憶はないわけなのだ。
というわけで、さて、昔の記憶をこれからこの子にポチポチ入力しようか、…それともあきらめようか……と思案中。
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