洞爺湖幻景
何年か前、札幌での仕事の後、洞爺湖まで足を伸ばして「あのホテル」←に泊まったことがある。
見晴らしの良い山のてっぺんに建っているので、部屋から洞爺湖が一望できる大パノラマが広がる最高のロケイション。こういうところにグランドピアノを持ち込んで長期逗留できたら、交響曲の2つや3つ書けそう・・・だが、現実はそう甘くない。(そもそも、こういう処に連泊などしたら、どんなに作曲料もらっても数日で消し飛んでしまうだろうし)
というわけで、(現実世界では)東京の狭いマンションの一室で電気ピアノとパソコンにまみれて「ケフェウス・ノート」の改訂版スコアをようやく完成したところ。先ほどNHKオフィス企画(楽譜制作)にDATAをメールで送付して、一仕事終了。
もっとも、昔はオーケストラ作品をひとつ仕上げると、大きなスコアを抱えて浄譜屋さんまで歩いて持って行くという「儀式」があったので、それなりに「ひと仕事終えた」という感慨があったけれど、今はメール添付でマウスのクリックひとつ。何かを「作った」という実感は限りなくゼロに近い。
それに、作曲という仕事は、実際に「音」になるのが(どんなに早くても)数週間から数ヶ月先。下手をすると数年先(あるいは演奏すらされない)ということだってある。当然ながら、演奏された時には、作曲家の魂はもう別の処に行ってしまっているわけで…
これはもうコミュニケイションの手段としては、考え得る限りもっとも効率の悪いもののひとつに違いない。…と言うより、こんなものをコミュニケイションと言えるのかどうか・・・
・・などという空しい愚痴はこれくらいにして、洞爺湖の夢でも見ながら、次の曲のスコアに取りかかるとしようか。
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ケフェウス・ノートお疲れさまでした~。!!
NHKで楽譜にしてもらうんですか?TV放送があるといいですねぇ。
聴ける日を楽しみにしてます~~。
次の曲もがんばってください。(^^
投稿: ホルたん | 2008年7月 8日 (火) 09:09