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25日から、ケーブルTV「日本映画専門チャンネル」でハイビジョン化したゴジラ・シリーズの連続放送中。第1作「ゴジラ」(1954)、第2作「ゴジラの逆襲」(1955)、第3作「キングコング対ゴジラ」(1962)・・・。みんなDVDで持っているのだが、古いフィルムを修正しハイビジョン化した新版とあって、見ないわけにはいかない(^ ^;)
期待した白黒の第1作(歴史的大傑作!)は、フィルムの傷や汚れが減ったのは分かったが、既に持っているDVDに比べて映像が鮮明になった感じはあまりない。でも、そもそも鮮明でないからこそ怖いのだから、あまりクリアにしないでいいのかも。
一方、シリーズ初のカラー作品「キンゴジ」はハイビジョン化で明らかに美しくよみがえった感じ。公開当時の「総天然色!」という言葉を思い出して、ちょっとわくわくする。
ただ、あんまり鮮明になると、特撮のアラが見えてしまうわけで、微妙なところか。
この後、12月にかけてシリーズ全28作(昭和ゴジラ15作、平成ゴジラ7作、ミレニアム6作)が放送予定。
慶應義塾創立150年記念ワグネル・ソサィエティ特別演奏会(サントリー・ホール)にて「大学祝典序曲EX」の初演(指揮:藤岡幸夫)に立ち会う。
後半、マーラー「復活」の前座を務める10分ほどの(文字通りの)「序曲」。なぜ「大学」祝典なのかは、聴いていただけば一聴にして分かる仕掛けもあり、若々しく力感のこもった演奏と満員の聴衆の暖かい拍手もあって、なかなか素敵な仕上がりになった。
こんな曲を書かせてもらう機会があろうとは、当の大学を「中退」している(独学で食わせモノの)作曲家には、まさに「身に余る光栄」と言うしかない。
なにしろ私の大学時代はと言うと、それこそ「思い出したくない過去」でしかなく、きれいな大ホールで自分の音楽を鳴らすなんて夢のまた夢。
だから、きらきらしたシャンデリアの下で晴れ晴れと演奏している彼ら後輩諸君を見ていると(羨ましくて)眩しくて目がつぶれる思いも少し。
音楽というのは、どこまでも素晴らしいけれど、音楽の道はどこまでも険しい。いばらの道であり底なし沼であり地獄の業火であり、しかも一度入ったら抜けられない。
でも、この泥沼にはまった先輩として言わせてもらえれば、「音楽にはそれだけの価値がある」というところかな。(…などという妄言にだまされてはいけないよ)
ちなみに、11月8日の〈創立150年念式典〉(日吉キャンパス)では、短縮版にて上演の予定。
東北新幹線に揺られて仙台に出向き、仙台ジュニア・オーケストラのリハーサル(旭ヶ丘:青年文化センター)に立ち会う。
来年、彼らのための新作を書くことになっていて、その下見。本当は2日後に定期演奏会があり、それに伺いたかったのだが、慶應ワグネルのコンサートと重なっているため、急きょ事前のリハーサルを見学することに。
指揮の山下一史氏や仙台フィルのメンバーの手厚い指導を定期的に受け、青年文化センターの大ホールを練習場所に使えるという好条件もあってか、なかなかの腕前。小学校5年生から高校2年生までの120人ほど(一見したところ女の子が80%!)が繰り出すハイドンやショスタコーヴィチの響きは、可愛いと共に頼もしい。
さて、どんな曲を書こうか・・・
このところ(ひきこもりの作曲家のわりに)外出する機会が多い。と言っても、せいぜい国内の近場なのだが、そんな時に実に重宝なのが(最近復活した)愛器 iPhone。
行く先(なんとか駅とか、なんとかホールとか)を入力すると、現在位置をGPSで割り出し、最寄りの駅まで何分、そこから何時の何行き電車で何分、どこで乗り換えて目的地には何時何分着、運賃はいくら…とアッという間に明示してくれる。うーん、なんて賢いんだろ。
こうした実用的な機能のほか、AppStoreで買えるおまけのアプリ(一個100円+消費税くらいから)には、ピアノやギターやメトロノーム、各種パーカッションからガムラン!などというのもあって、中にはヒーリングっぽい音楽を勝手に作ってくれるものまである。
そのうち交響曲を書いてくれるものも・・・
MDをデッキで再生し→キャプチャ(UA3-FX)に繋ぎ→USBでMacに入力。
それをSound Itというソフトで編集し→曲ごとにMPEG(mp4)というデータに変換。
iTunesで曲順に並べ→CD-Rに焼く。
ジャケット紙面は、ToastというCD作成ソフト付属のDiscusで作成し(イラストを貼り付け、文字をレイアウトする)→A4の光沢紙に印刷。それをジャケットサイズに切り取り→CDケースにはめ込む。
CDの盤面は、プリンタ(Canon PIXUS)付属のCDデザインソフトで作成し(同じく、イラストと文字をレイアウト)→印刷対応のCD-Rに印刷。・・・という手順。
出来上がったのは、お話や拍手も入った全長のコンサート記録(1時間45分)CD2枚組。そして、音楽だけを編集したCD(70分)1枚。
制作時間は…音の編集とCD-R制作に2時間、ジャケットと盤面のデザインと印刷に2時間といったところ。
結構きれいに仕上がったCDを見ながら、「ふふ…、こういうことが出来る時代になったのだな」…と、しばし感慨にふける。
iPhoneが故障したのでApple Storeへ修理に出向く。
・症状:動作が重くなり、気が付くと電話受信・3Gとも受け付けなくなる。電源オフ→再起動を試みると「iTunesにつなげ」という画面。
・復元:MacBookでiTunesにつなぎ「復元」をクリック。バックアップは完了するも、症状は変わらず。そこで、追加アプリケーションなどをすべて外し「工場出荷の初期状態」にして「復元」。それでも、症状はそのまま。
・状態:以後、時々発作的に「再起動」(白リンゴ状態)になって沈黙し、画面に戻ると「アクティベーション中です。しばらくお待ちください」の文字。これを延々と繰り返し、電池を浪費し続けるという半病人状態。
・治療:仕方ないのでApple Storeのジニアス・バーへ持ち込む。症状を説明すると「ああ、それはたぶん交換になりますね」と言われ、あっさり新品を渡されて15分ほどで治療?終了。
帰宅後、MacBookにバックアップしてあったデータを同期し、無事復活。しかし、ちょっぴり信用をなくしたね。キミ。
@Niftyのサイト「語ろ具」ネットDE豪遊クラシックに連載(クラシック漫遊ガイド)を始める。
Naxosのミュージック・ライブラリとリンクし、連載に掲載されているクラシック名曲は無料試聴できるという画期的なクラシック入門ガイドである。
このNaxosのライブラリはとにかく曲の在庫が圧倒的(CD2万枚、曲数は30万曲以上なんだとか)で、どんな作曲家のどんな曲(珍品)でも「ないものはない」と思われるほど。私も、知らない曲・聴いたことのない曲(&聞いたことのない作曲家)を調べる時に愛用しているヘビー・ユーザーの一人。
ちなみに私の作品も、Chandos録音の全アルバムほかが登録されていて、会員(月額:1,890円)になれば、すべての曲が聴き放題(…それが作曲家にとって良いことなのかどうかはよく分からないが)。
有名指揮者や演奏家によるいわゆる「名盤」はないが、どんな作品なのか聴いてみるのには極めて有効な(ネットの中の)音楽資料館と言ったところ。
宝塚ベガ・ホールでアトム・コンサート開催。正確には、親子のクラシック入門コンサート「河村泰子とアトム・ハーツの仲間たち」。
カルテット編成(ピアノとお話:河村泰子、フルート:中務晴之、ヴァイオリン:友永健二、チェロ:黒田育世)で、「アトム誕生」「ウランのワルツ」から始まり、「ネコふんじゃったのテーマによる変奏曲」「クラシック名曲メドレー」、各楽器の紹介そして「アトム・ハーツ・クラブ・トリオ第2番」の舞台初演まで盛り沢山の2時間半。
休日昼間の親子コンサートということで、その名の通り子供が半数以上だったのだが、むずかる子もなく、みんなおとなしく静かに聴いていたのが印象的。この子供たちの中から第2の手塚治虫が…というのは期待しすぎにしても、クラシック好きのすてきな大人に育ってくれれば、と切に思う。
コンサートの最後は、地元の宝塚少年少女合唱団が加わって、お約束の「鉄腕アトム」の大合唱。
*
と、コンサートは大成功だったが、大阪に来てからiPhoneが絶不調。
東京に帰ったら修理に出さねば。
Blog「月刊クラシック音楽探偵事務所」更新。今回は、ルトスワフスキの「ピアノ協奏曲」の日本上演に絡んで、現代音楽のお話を少し。
例えば、不可解でわけの分からない新しいモノ(例えば宇宙人)に出くわした時、「友だちに違いない!」と思って近づくか、「敵に違いない!」と思って武器を構えるかは、その〈わけの分からないモノ〉の形状にもよるけれど、反応する側の「性格」が顕著に現れるような気がする。
何でも無防備に面白がる…というのもちょっと問題があるが、とにかくピストルを撃って機関銃を連射してミサイルぶっ放して、相手が動かなくなってから近づく…というような(どこかの国みたいな)出会いはつまらない。
ヘンなもの、新しいモノは、ひとまず面白がろう。
現代音楽は噛みつきません。(…たぶん)
*
↑と、上の原稿をupしてから、13日のアトム・コンサートのリハーサルに立ち会うため大阪へ。
オーケストラ版からカルテット版(flute,violin,cello & piano)にアレンジし直した名曲メドレー(コンガラガリアン狂詩曲)がなかなか面白い仕上がり。…あともう一歩でお笑いコミック・カルテット?になりそう。さすが関西!?(^ ^)¥。
夕方、芦屋で河村泰子さんと一緒に新聞の取材をひとつ。今回のCDと11月のリサイタルの話。
その後、最終ひとつ前の新幹線で東京に戻る。
くたびれた。
新しく仕事をする相手に〈ヨシマツさんはこんな音楽を書いてます〉と簡単に紹介できるようなCDがないですかね?とマネージャーから言われて、自分の作品の聴き所を集めた「試聴盤CD-R」を試しに作ることにした。
自家製ベスト盤「グレイテスト・ヒッツ!」みたいなものである。(もちろんマネージメント経由で試聴していただくだけの非売品の見本盤。念のため)
しかし、そう思い付いて(自分の曲が入っている70〜80枚ほどのCDを引っ張り出し)選曲すべく改めて並べて聴いてみると・・・まあ、なんとも節操なくいろいろな音楽を書いてきたもンだ…としばし呆然(@ @;)。
鳥ありロックあり邦楽ありジャズありヒーリングあり前衛あり静かなのあり喧しいのあり壊れたのあり耽美的なのありブチ切れたのありお涙頂戴ありイカレたのあり・・・
それでも(気を取り直して)さしあたり「Type-A:静かで叙情的っぽいの」と「Type-B:賑やかでロックっぽいの」の2枚を赤盤・黒盤みたいに作ってみた。
ちなみに、レコード会社で作るベスト盤は、どんなに頑張っても自社の録音からしか選曲できないので、こういう超法規的?コンピレーションは不可能。これこそ作曲者本人にしか出来ない贅沢!
(…と思ったが、よく考えてみたら、個人的マニアは自分で買ってきたCDでこういうのを作ってiPodなどで聴いているんでした…)
午後、渋谷TOWERレコード(6Fクラシックフロア)にて、CD「アトム・ハーツ・クラブ」発売記念インストア・イベント。
河村泰子(ピアノ)&吉松隆で、トーク+ピアノ・ソロ+サイン会。チェロ(& Finger snap?)の黒田育世さんも駆けつけてくださって、サイン会に加わる。
このアルバム、編成はクラシックのピアノ三重奏(&四重奏)なのだが音楽は80%ロック。…なので、クラシック・フロアに曲が鳴り渡るとなんとも奇妙な違和感が・・・(+ +;)
なぜか太宰治「ヴィヨンの妻」の映画化作品の音楽を担当することになって、撮影の見学と打ち合わせに東宝の撮影所へ伺う。
まず入口でゴジラがお出迎え。嬉しくなって思わず写真を撮ってしまうのが「怪獣世代」の性か。
今回の映画の舞台は終戦直後(昭和21年頃)の東京。ということで、巨大スタジオの中にトタン屋根の家や中野界隈の路地や飲み屋など「昭和の町」のセットが組まれ、まるでタイム・スリップしたような懐かしくも不思議な感覚に襲われる。
監督は名匠:根岸吉太郎氏。写真→は、主人公の妻(松たか子)が勤める居酒屋「椿屋」(女将:室井滋)の店内と、中野の飲み屋街のセット。
日本なのに異国、異国なのに日本…というギリギリの異次元空間。いいなあ。こういうところに紛れ込んで行方不明になってみたい・・・
映画は、来年の太宰治生誕100年にあわせて秋頃上映の予定。詳しくはそのうち。
とあるオーケストラから現代音楽コンサートの企画の相談を受ける。
そもそもは、20世紀の現代音楽作品(特に日本)の名作を厳選してシリーズ演奏する…という話だったのだが、現代のオーケストラ作品を集めてきて演奏し、そこに時々委嘱新作を交える…というだけでは普通すぎて、どうも未来を感じない。
それに、オーケストラが自分でお金を出して自分たちの未来を買おうというのなら、もっとも重要なのは(作曲家が書いた独善的な新作ではなく)オーケストラ自身が聴衆と共有できる「新しいレパートリー」のはず。
そこで、〈どこでもドア〉ならぬ「何でもオーケストラ」をモットー?に、クラシック名曲からジャズやロック果ては街に流れるメロディの断片まで、何でもかんでもアイデア勝負のオーケストラ版にしてしまい、そこから新しいレパートリーを模索して行こう…という暴走プロジェクトを提案。
夢は、「面白ければ何をオーケストラ化してもいいで賞」…という新作公募(持ち込み可)のシリーズ化。…なのだが、果たしてそんな無謀な企画が実現するや否や?
ロック系音楽雑誌「ストレンジデイズ」の編集長:岩本晃市郎氏と会談。
ビートルズの「ホワイト・アルバム」(1968)を基点にして、70年代以降の音楽を総括する…という特集に、クラシックの作曲家の視点で参画していただけないか?というご相談。
しかし、そのあたりの話を始めると、と、止まらない。ピンク・フロイド、イエス、エマーソン・レイク&パーマー、キング・クリムゾンは言うまでもなく、ムーディー・ブルース、10cc、フォーカス、キャメル、ルネサンス、マイク・オールドフィールド、アラン・パーソンズ・プロジェクト・・・と、幾らでも出てくる出てくる(^ ^).o0
この1960年代後半から70年代前半というのは、ロックのみならずクラシック音楽界にも現代音楽界にもジャズ界にも名曲名盤がひしめき、凄い音楽が次々と噴出していたような気がする。
確かに、あの時代は熱かった。それは、あの頃に青春の真っ只中だったおじさんたちだけの妄想ではない…(と思う)
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