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2008年11月

2008年11月30日 (日)

M第2稿

Tohog_2 映画「ヴィヨンの妻」音楽サンプルの改訂稿9曲を作って、ふたたび東宝の撮影所で音楽の打ち合わせ。

 まずは台本上でざっと音楽が入る場所をチェックし、MIDIで作った音楽サンプル(Mp3の音データ)を、コンピュータ画面で映像と合わせてみる。

 そして、監督から「ここは、もうちょっと暗い感じがいいなあ」とか「このシーンにも音楽が欲しいね」とか「この場面は少しとぼけた感じでいいんじゃない?」というような注文を書き留めてゆく。

Tohoq なにしろ映画にとって「音楽」は主役ではないけれど、世界を作る重要なファクター。付け方次第で視点ががらりと変わる。

 例えば、主人公がどんな真面目な顔をしていても、重厚な音楽の代わりにすっとぼけた音楽を付ければ「ヒーロー」でなく「へんなオジサン」にも見えてくるわけで…。

 うう、やってみたい・・・(^ ^)¥ 

2008年11月27日 (木)

ヴィヨンの妻@M初稿

Photo 映画「ヴィヨンの妻」の音楽サンプル10曲(15分)ほどを持って東宝の撮影所へ。根岸吉太郎監督と音楽の最初の打ち合わせ。

 純音楽の作曲と違って、色々注文が(…もう少し暗く、とか、この辺で天の声が…とか)出て来るのが面白い。まあ、作曲家という「お仕事」の場合は、その方が当然なのだが・・・

 作業は←こんな感じ。
 DVDにしてもらった映像(上の画面)を見ながら、作曲ソフト(下の画面)で音を当ててゆく。

 でも、音楽なしの映像を何度も見ていると「音楽なんか無くてもいいんじゃないか?」と思えてくるのがちょっと・・・

2008年11月26日 (水)

nanoKEY来る

Nanokey1 予約注文していたnanoKEYが届いた。

 MacBookとちょうど同じサイズのミニ・キイボード。2オクターヴ25鍵で、キイの感触(ちょっとパコパコする)はほぼパソコンのキイと同じ。小さいピアニカみたいな形状だが、これで演奏する…というのはちょっと難しそう。あくまでも作曲ソフトの音価入力用端末という位置づけか。

 値段は¥4,980。想像したよりはるかに安価(というより安すぎ?)。もうちょっとプロ仕様(鍵盤が象牙で、Bruetooth!)のnanoKEY proというのがあってもいい。
 あるいは折りたたみ式で3オクターヴ半あれば・・・(と夢は広がる)

Nanokey2
 でも、カバンに入るキイボードというのは、昔から夢の夢だったのだ。ああ、こういうのが欲しかった!!。これを持って今すぐ旅に出たい!!!

2008年11月25日 (火)

広瀬量平氏死去

Hisoser 24日、作曲家:広瀬量平さんが亡くなった。

 広瀬さんは、かつての「現代音楽の時代」を作った綺羅星のような1930年前後生まれの日本の現代作曲家・・・武満徹(1930)、黛敏郎(1929)、松村禎三(1929)、間宮芳生(1929)、湯浅譲二(1929)、諸井誠(1930)、林光(1931)、外山雄三(1931),三善晃(1933)ら・・・の一人。

 私が作曲家を志した1960年代末から70年代には、彼らは30代後半から40代の脂の乗りきった頃で、(70年の大阪万博をピークとして)毎年毎年名作話題作が生み落とされる様はなかなか壮観だった。まだ現代音楽に勢いが感じられ、熱気のある時代だった。

 私が1981年に「朱鷺によせる哀歌」でデビューした時、いきなり初演直後の会場ロビーで「よかったよ」と声をかけてくださったのが広瀬さんとの出会いだ。
 その後、「朱鷺」の海外初演(メキシコ!)の機会を作ってくれたり、ご自身が入れ込んでいたフルートオーケストラのための新作を書く機会を与えてくださった。その時に「チカプ(鳥)」という曲を書いたおかげで私の「鳥のシリーズ」が始動した。

Hirosecomp 広瀬さんの曲には時々「鳥」が登場する。室内楽曲「打楽器とヴィオラのチェロのためのコンポジション」(1970)ではハーモニクスで鳥が鳴くフレーズがあって、私の「鳥のシリーズ」の元ネタのひとつになっている。作品でも「カラヴィンカ」というインド仏教に因んだ架空の鳥「迦陵頻(かりょうびん)」をテーマにしたものがある。

 広瀬さんの音楽は、(以前ここで言及したルトスワフスキにも通じるのだけれど)自由でアナログな書式が実に面白い。縦に合わせるアンサンブルなんかどうでもよくて、「はい、チェロの次にパーカッション適当に叩いて!」というような遊び心が楽しいのだ。リコーダーや尺八のアンサンブルの曲ではそれが炸裂していて、音の遊びに満ちている。

 でも、個人的に好きなのは、チェロ協奏曲「トリステ」(1975)だろうか。シリアスだが、乾いた抒情がなかなか素敵で、スコアは今も私の仕事場のピアノの横に置いてある。

 あまりじっくりお話ししたことはないが、とにかく精力的に日本中世界中を飛び回っていて、いつも突然現れては汗をかきかき「今XXから帰ってきたところ。これからXXに行って、XXの初演に立ち会って、明日までにXXの曲を書き上げなくちゃ。じゃあね」と消えてゆく。

 忙しいはずで、私がいた頃の現代音楽協会の委員長もやっていて、とにかく人の面倒をよく見る太っ腹の性格。外見も太っ腹で(人のことは言えないが)、ある時、突然「吉松くん、ぼくダイエットを始めたんだ」と言う。
 そこで「どういうダイエットですか?」と聞くと、「夜10時を過ぎたらケーキを食べないことにしたんだよ」。

 ご冥福を・・・という言い方は嫌いなので言わない。でも、今日は一日、広瀬さんの曲を聴いて過ごそうと思う。

2008年11月23日 (日)

猫カメラ

Nekocamera iPhoneの人気アプリに「猫カメラ」というのがある。

 ボタンを押すと「にゃあ」とか「みい」とか(録音された)猫の鳴き声がして、猫がこちらを向いた隙にパチリと写真を撮る…というだけ代物なのだが・・・

Nekoq さすが、効果てきめん→。見事なカメラ目線である。

 でも、5〜6回やったらネタバレしたらしく、振り向きもしなくなった。

2008年11月20日 (木)

お仕事2題

Strangedays ロック専門誌「ストレンジ・デイズ」2009年1月号:「ビートルズの構造学(ホワイト・アルバム)」特集にインタビュー記事掲載。

 1968年に発表されたビートルズのホワイト・アルバム(「The Beatles」)をめぐって、3ページにわたり音楽と時代とのあれこれについて語っております。(聴き手:岩本晃市郎氏)

 ちなみに、イギリスでのアルバム発売が1968年11月22日だったそうで、真っ白な(小さくThe Beatlesと書いてある以外)何も描いていないジャケットの2枚組新譜に驚いたあの時が、ちょうど40年前ということになる。うーん・・・40年・・・・・

          *

Tokyoq 夕方、NHKで次回「おーいニッポン」(東京編)の打ち合わせ。

 茨城編〜埼玉編〜宮崎編に次ぐ4回めの参加で、ようやく地元に帰省(?)。放送の本番は3月…とまだまだ先なのだが、スコアは1月中に仕上げなければならない。

 これで今年の年の暮れから正月までは忙殺期に決定。

2008年11月18日 (火)

Naxos Music Library 新装開館

Naxosnew クラシック音楽を中心にした〈ネットの中の楽曲図書館〉とでもいうべきNaxosのミュージック・ライブラリが新しくなり、ぐっと使いやすくなった。

 ここは、クラシックから近現代ものまで、ほぼどんな曲でも「検索」→「試聴」が可能。

 通常の「名曲」はもちろんのこと、例えば突然FMで解説しなければならなくなったマイナーな楽曲(!)などを探すのに、以前なら分厚いCD総目録でチェックしたり、あちこちのレコード店で探し回ったり、なかったら輸入盤で注文したり…などという手間が必要だったものが、ほぼ瞬時にあっさり手に入る。

 こんな便利なものはない。
 おかげで、最近では自分の仕事場のCD棚をごそごそ探すより、こちらで検索する方が多くなってしまった。

 もっとも、こういうものをみんながこぞってオープンに使い出した方が良いのか、それともマニア用の会員制秘密クラブにしておいた方が良いのか…

 いつの間にか自分のCDが聴き放題のリストに入ってしまっている作曲家としては、その便利さを前に複雑な気分ではあるのだが・・・

2008年11月17日 (月)

??年ぶりに歯医者に行く

Ha_3

2008年11月14日 (金)

試写&打ち上げ

Sisha 東宝の試写室で(今度、音楽を担当することになった)映画「ヴィヨンの妻〜桜桃とたんぽぽ」(監督:根岸吉太郎)の最初の仮編集版の試写。

 今回の映画、舞台は昭和20年代の東京なので、いくら私でも「懐かしい」時代というわけではないのだが、見ていたらなんだか場末の居酒屋で安酒と怪しいモツ煮込みで飲んだくれる主人公(太宰治)が羨ましくなって、試写の後、渋谷の居酒屋へ直行(笑)

          *

Wmatu 夜、俳優さんたちはこれで撮影終了、ということで、渋谷のホテルにて打ち上げの軽いパーティ。(松たか子、浅野忠信、広末涼子、伊武雅刀、山本未來…という豪華メンバー!)

 ただし、音楽は、これから書かなければならないので、それどころではない・・・(ちなみに、公開はまだちょっと先で、来年秋の予定)

 それでも、パーティ冒頭で、主演の松たか子さんとしっかり(役得の)ツー・ショット→。

        * * *

 追記:心配をおかけしましたが、風邪による咳は何とか治まった模様。でも、その代わりに奥歯が(小学生の時以来??年ぶりに)疼き出したりして・・・。

2008年11月13日 (木)

ようやく天気に…

Mejiroc_2

2008年11月11日 (火)

温泉療養中

Chinzan_2 疲れがたまったのか、かれこれ3週間近く風邪が抜けず、ただいま温泉療養中。

 ただし、電車とか新幹線に乗る元気もなく、都内・・・

2008年11月10日 (月)

音楽の荒唐無稽とウソ

Shostako_2 Blog「月刊クラシック音楽探偵事務所」更新。今回は、ショスタコーヴィチの幻のバレエ「明るい小川」日本上演に因んで、彼の音楽の矛盾する二重性についてのお話。

 時に「本当にやりたいこと」とか「本当の私」なんて無邪気に語る人がいるけれど、そんなこと(ショスタコーヴィチでなくとも)人間である以上かなうわけもない(少なくとも法治国家では)(笑)

 だからこそ、人はみな、虚構(芸術・娯楽)の世界を慈しむ。

2008年11月 8日 (土)

慶應義塾創立150年記念式典

Keio150w あいにくの小雨の天気の中、慶應大学日吉キャンパスで行われた「慶應義塾創立150年記念式典」に出席。
 式典の冒頭での拙作「大学祝典序曲EX」の演奏(藤岡幸夫指揮ワグネル・ソサイエティ・オーケストラ)に立ち会う。

 私は(自慢じゃないが)小・中から高校・大学を通じて、ヨシマツの「ヨ」でもYoshimatsuの「Y」でも、呼ばれる順番はすべて最後尾。
 なので、式の最初の最初に自分の順番…なんてことは、学生時代にはまったくなく、まさに初体験だったりする。

Keio150e それはそれで光栄の極みながら、おかげで出番は、最初の10分で、・・・終了。
 まだ、風邪が抜けきれず、そのあと雨の中で2時間も祝辞を聞く元気はなかったので、天皇皇后両陛下ご列席の本式典の方は失礼して、そそくさと帰宅。

 明日はコンサートやイベントがあるそうで、そちらは晴れそう。

2008年11月 7日 (金)

式典前夜

Keioe_2 明日12時より慶應義塾創立150年記念式典。

 式の冒頭(11:50頃)には「大学祝典序曲EX」(短縮版)が演奏される。(式の様子は11:15頃よりインターネットで同時配信される予定。詳しくは記念式典のページで)

 で、参加証が2つ届いた。(このICチップ付きの参加証と写真付きの身分証明書を携帯していないと式場には入れないのだそうだ)。ひとつは「出演者」用。もうひとつは式典の「参列者」用。さて、どっちで入ろうか?

2008年11月 5日 (水)

脳科学と芸術

Nokagaku 一文を寄稿した「脳科学と芸術」(工作舎)届く。

 脳と芸術のかかわりを、神経科学や心理学から美術音楽など色々なジャンルの専門家の体験から解き明かす一冊で、私は舘野泉さんのための左手のピアノ作品作曲に因んで〈右脳と左手〉〈左脳と右手〉に関して思うところを述べた「音楽の神が降りてくるところ」という一項(間奏4)を執筆。

 むかし〈心〉とは、その名の通り〈心臓〉に宿ると考えられてきたが、現代では〈脳〉こそが知性と感性の中枢と信じられている。「感動」も「思想」も、脳の構造にその源があるというわけだ。

 でも、コンピュータを見ていると分かる。演算するのがCPUの集積回路だとしても、そこに「心」はない。多彩なソフトやモニタや入力デバイスを得てネットに繋がることで初めてコンピュータは「感じる」端末になる。

 人間も同じだ。
 目や耳や五感で世界とリンクし、情報や記憶を共有することで人は「感じる」端末になる。リンクも共有もなければ、脳はただの箱だ。

2008年11月 3日 (月)

鳥ポリリズム for percussion ensemble

Tripoly パーカッション・アンサンブルのための「鳥ポリリズム(鳥リズムⅡ)」完成。op.106。

 洗足学園音楽大学打楽器アンサンブル委嘱作品。初演は12月20日の予定。

 ちなみに、「トリポリ・リズム」ではなく、「とり・ポリ・リズム」。念のため(- ^)¥

2008年11月 1日 (土)

4つのヴィネット初演@大阪

081101a 大阪に出向いて、河村泰子ピアノ・リサイタル(吉松隆作品シリーズvol.2)での「4つのヴィネット」初演(ムラマツ・リサイタルホール@新大阪)に立ち会う。

 今回は、河村さんによる私の作品のみによるリサイタル・シリーズの第2回。ピアニストのリサイタルなのに、ギター・ソロ(増井一友氏による「水色スカラー」)や、ピアノ・トリオ(vn:友永健二氏、vc:黒田育世さんによる「アトム・ハーツ・クラブ・トリオ第2番」)もあるという異種格闘技?コンサート。

 演奏曲目
・3つのワルツ
・プレイアデス舞曲集Ⅳ、Ⅴ
・水色スカラー(Guitar solo)
・タピオラ幻景
・4つのヴィネット(初演)
・アトムハーツクラブトリオ第2番(Piano Trio)
(+アンコール:モーツァルティーノ、ピアノ・フォリオ)

Osaka2 2年前の第1回(2006)の時は「何で関西のピアニストが私の作品ばかりでコンサートを?」と首をかしげた気がするが、その後、思いもかけず室内楽作品集CD(アトム・ハーツ・クラブ)が生まれ、この10月には宝塚で子供たちのためのコンサートを開催、その赤字も癒えぬまま(?)第2回のリサイタル。東京ではあり得ない(関西ならではの)怒濤の展開のような気が…。

Osaka1 私はと言うと、まだ風邪の続きで咳が止まらないというボロボロのコンディションながら、トークとサイン会は(咳止めを服用して)なんとか参加。
 終演後、お客さんに花一輪プレゼントというちょっと洒落た演出もあり、なかなか素敵な雰囲気のコンサートでした。

 最後に出演者全員そろって記念写真。左から黒田育世さん(チェロ)、友永健二さん(ヴァイオリン)、河村さん(ピアノ)、私、増井一友さん(ギター)。

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