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2008年11月 5日 (水)

脳科学と芸術

Nokagaku 一文を寄稿した「脳科学と芸術」(工作舎)届く。

 脳と芸術のかかわりを、神経科学や心理学から美術音楽など色々なジャンルの専門家の体験から解き明かす一冊で、私は舘野泉さんのための左手のピアノ作品作曲に因んで〈右脳と左手〉〈左脳と右手〉に関して思うところを述べた「音楽の神が降りてくるところ」という一項(間奏4)を執筆。

 むかし〈心〉とは、その名の通り〈心臓〉に宿ると考えられてきたが、現代では〈脳〉こそが知性と感性の中枢と信じられている。「感動」も「思想」も、脳の構造にその源があるというわけだ。

 でも、コンピュータを見ていると分かる。演算するのがCPUの集積回路だとしても、そこに「心」はない。多彩なソフトやモニタや入力デバイスを得てネットに繋がることで初めてコンピュータは「感じる」端末になる。

 人間も同じだ。
 目や耳や五感で世界とリンクし、情報や記憶を共有することで人は「感じる」端末になる。リンクも共有もなければ、脳はただの箱だ。

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