FMシンフォニーコンサート収録
NHK404スタジオで「FMシンフォニーコンサート」6月分2本の収録。
6月7日(日)放送分は、ベートーヴェン:交響曲第4番、ワーグナー(フリーハー編曲&構成)「ニーベルングの指環」(4部作の聴き所全14曲を繋ぎ合わせて1時間のコンサートピースにした交響詩)。指揮:ペーター・シュナイダー。
6月14日(日)放送分は、エルガー:チェロ協奏曲(vc:長谷川陽子)、ショスタコーヴィチ:交響曲第5番。指揮:渡邊一正。
ベートーヴェン&ワグナーの回は、バイロイト音楽祭仕込みのシュナイダー氏の棒がなかなかの聞き物。ただし、時間がきつきつで解説の時間ほとんどなし。話したのは曲と演奏者の紹介だけで、これでギャラがもらえるならこんな楽な仕事は・・・・m(+ +)m・・・おっとと
エルガーのチェロ協奏曲は、ハリソン、デュプレとなぜか女性チェリストによって普及されてきた名曲。今回の長谷川陽子さんも好演。もしかしたら美空ひばりとか都はるみ系のコブシが必要な曲なのかも?
最後のショスタコーヴィチは、40年来聞き慣れすぎた名曲だが、聴き方によってずいぶん印象の違う奇妙な曲。悲観と恐怖で鬱のどん底みたいな音楽なのに、「さあ、これで文句あるか!」という終曲が(これ本当にショスタコーヴィチが書いたのだろうか?と昔から不思議でならないのだが)くっついている。さて、これをどう解釈すべきなのか?
・・・ちなみにこの曲、昔から「体制迎合による社会主義リアリズムの代表作」、「二重構造を持った反体制的かつ悲劇的な名作」、と評価が分かれる不可解な名曲である。
最近ではさらに「カルメン」(の中の「ハバネラ」)がなぜか下敷きになっていることも指摘されてきて、「作曲当時のスペイン内乱の悲劇を描いたもの」(この曲が作曲された1937年はピカソがゲルニカを描いて有名になったゲルニカ爆撃が行われた年)、あるいは「むかしの恋人に絡んだ引用」(かつての恋人がカルメンという男性と結婚したのだそうだ!)、はたまた「カルメンの中で唯一ビゼーの作曲でない〈偽作〉の曲にかこつけた〈この曲は私の本当の音楽ではない〉という宣言」(ハバネラは「もっとスペインっぽい歌を」という歌手からの要請でスペインの作曲家によるメロディを借用したもの)などなど、色々な意見が出てきて面白い。
実際、テンポの取り方ひとつでずいぶん印象が変わるのも不思議(今回の演奏は全体にテンポをゆっくり目に取って〈悲劇的な美しさ〉にポイントを当てた秀演)。
すべては音楽が語っている。
でも、音楽は何も語らない
« 雷雨 | トップページ | ウッドテラスもどき »
「仕事&音楽」カテゴリの記事
- お知らせ@市民講座(2024.10.12)
- 対談@都響WEB(2024.09.20)
- 草津の夜(2024.08.30)
- Finaleのフィナーレ(2024.08.27)
- 草津音楽祭オープニング(2024.08.17)
コメント
« 雷雨 | トップページ | ウッドテラスもどき »
質問です。ご担当の日曜夜の「FNシンフォニーコンサート」のBGMの曲名、作曲者名を教えてください。長年気になっていました。よろしくお願いいたします。
投稿: 片山 俊彦 | 2009年9月 6日 (日) 21:36
以前司会を担当されていた
作曲家の故山本直純さんのオリジナルだと聞いています。
投稿: ryk | 2009年9月 6日 (日) 23:41