とある出版社から、Blog「月刊クラシック音楽探偵事務所」を新書で出版する(かも知れない)ことになった。
この連載はもうかれこれ3年以上になるので、ネタはたっぷり40回分。最初は「おお、これを右から左に本にすればいいわけだから楽な仕事ではないか!」……と一瞬思ったのだが、どうやらそうは問屋が卸しそうにない。
そもそもこのブログは、ジャパンアーツとの連携で「近々の主催コンサートの内容を反映する内容」という「お題」がある連載。
好き勝手に書いていると言えば言えるのだが、基本は招聘コンサートの演奏家や作曲家あるいは楽器に因んだ(これを読んだらコンサートに行きたくなる…というのが狙いの)コラム。なので、通常名曲やロシアものが多い半面、フランスものや現代ものは皆無…などなど結構「かたより」がある。
それでも結構さくさく書き飛ばして来られたのは、ブログ形式なので原稿の分量が自由…という点。なにしろ頼まれ原稿で一番頭を使うのは「字数をあわせる」ことで、400字(原稿用紙1枚)とか1600字(同じく4枚)と言われてピタリとその字数に納めるのは至難の技。原稿を書き終わった後で、字数をあわせるのに延々と何日も頭を抱えることだって少なくない。
その点ブログは(なにしろ誰も止める人がいないので)、思い付いたまま自由に書いてゆける。説明が必要だと思えば加筆すればいいし、画像を作成したり探してきて貼ることも出来る。それで長くなればざっくり削ればいいし、何も思い付かなければ数行ですませてもいい。間違いや誤字脱字などは公開後でも(読者からの指摘などで)気が付けば修正できる。
だからこの探偵事務所の連載も、多い回は(原稿用紙で)30枚以上の長いものになることもあるが、少ない回は4枚ほど…とかなりフレキシブル。これをもし「毎回10枚」などと決められていたら、続けるのは難しかっただろう。
というわけで、ブログで書き飛ばしているのと、それを本にして出版するのとでは大違い。今はまず、どういうテーマで、どの回を選んで、どういう組み合わせで並べるか?……という段階で頭を抱えているところ。
それに、どう組み合わせても半分以上は加筆・補筆が必要になりそうだし・・・
教訓:世の中に、楽な仕事などありませぬ。