« 2009年7月 | トップページ | 2009年9月 »
Macの新しいOS X(10.6:Snow Leopard)届く。
以前シングルパックで失敗したことがあるので、今度は5台までインストールできるファミリーパックにして、まずはセカンドマシン(MacBook)にインストール。
新しいOSは嬉しさ半分・怖さ半分(なにしろ昔OS9になった時とか、OS Xになった時は凄かった。ほとんどすべてのアプリケーションが動かなくなったのだから)なので、使っているアプリがすべてちゃんと動くかどうかチェック。
などと言っている先から〈FINALE 2009〉の音符がぐちゃぐちゃに文字化け。これはライブラリ→PreferencesフォルダのFinale2009Preferencesを捨てて再起動するのだっけ。
Windows Media Playerも動かなくなってNAXOS Libraryが聴けなくなったが、これはFinaleと同様PreferencesフォルダのWMP Preferencesを捨てて再起動し修復。日本語入力のATOK(2007)およびHP作成用のDreamWeaver(8)は動かなくなってしまった。これは新しいヴァージョンにしないとダメそう。
というわけでメインマシンにインストールするのは、もう少し触って様子を見てから。
宝塚ベガ・ホールで、昨年秋に次いで2回めの室内楽版アトム・コンサート開催。
カルテット編成(ピアノとお話:河村泰子、フルート:中務晴之、ヴァイオリン:友永健二、チェロ:黒田育世)で、前半は「アトム誕生」から始まって「クラシック名曲メドレー(全18曲)」、各楽器の紹介。後半は「新・動物の謝肉祭(全6曲)」の初披露、「アトム・ハーツ・クラブ・トリオ第1番」、そして会場のこどもたちも加わって「鉄腕アトム」の合唱。
関西では(インフルエンザの影響で短くなったため)夏休み最後の日ということもあって、客席の子供率80%?以上。
しかし、ネタやギャグ満載のアレンジと演奏に加え、子供を舞台に上げて楽器を弾かせる体験コーナーなどもあり、つまらなそうな顔をしている子は見あたらず。結構おとなしくちゃんと聴いているし、時には音楽に合わせてノリノリの子もいて良いバランス。
かつては「退屈」だの「難しい」だのと敬遠されてきたクラシックのコンサートも、最近は随分エンターテインメントしているものが増えてきた。
演奏家たちが、「ただ黙って楽譜を弾いている」だけから脱却し出したという点では歓迎すべきイノベーション(技術革新)だが、その裏では熾烈な「生き残り」がかかっているわけだし、面白がってばかりもいられないか…。
この関西発「なんでやねんカルテット(仮称)」、夢は東京公演&全国ツアー?。興味おありの方は宝塚ベガホールまで。
大阪で一日空いたので、39年ぶりに万博公園に行く。(最近、こういうネタばかりのような気が…)
1970年8月、高校生の夏休みに、鉄鋼館(武満徹、クセナキス)やドイツ館(シュトックハウゼン)・松下館(松村禎三)・繊維館(湯浅譲二)を目当てに数日通ったのだっけ。まさに現代音楽バブルの最後の残照だった。
今、太陽の塔は相変わらずそそり立っているものの、数千個のスピーカーとレーザー光線が飛び交っていた未来音楽の牙城:鉄鋼館(写真下)はすっかりツタだらけで見る影もなし。まさに「兵どもが夢の跡」という思いで、しばし落涙。
こんな高価なおもちゃをたかだか三〜四十代の作曲家に買い与えていたなんて、当時の日本は・・・(以下自粛)
ふと、日本という国の廃墟を訪れたような気になり、思わず合掌してしまった。
大阪にて24日の宝塚のコンサートのリハーサル。
大阪にはずいぶん何回(何十回?)も来ているのだが、いまだに土地勘がまるでなく、右も左もよく分からない。
そもそもお好み焼きもたこ焼きも一度も食べたことがないし、最近ようやく道頓堀と心斎橋の位置関係が分かった…くらい。
まあ、ホテルとホールとを往復しているだけでは、何十回来てもその街は分からないのが当然か。少し気ままな散歩をしてみなければね・・・
私の最初の作品集「鳥たちの時代」が〈カメラータ・コンテンポラリー・クラシックス〉シリーズとして再発売になったそうで、その見本盤(CMCD-50011〜12)が届いた。(発売は8月25日とのこと)
CDの初出が1991年だから18年前。一番古い録音(チカプ。1982年)は27年前!だ。これを読んでる「キミ」は生まれていたろうか?
なんだかはるか昔のようにも思えるし、ほんの昨日のようにも思える。思い出したくもない記憶の闇の奥で、懐かしさも微妙に蠢いていて、何というか……老人ホームに入ってテレビを見ていたら、若い頃の自分が映っている青春映画が放送されていて、嬉しいような恥ずかしいような思いに駆られる老俳優の気持ち……がちょっとわかると言うか。
でも、このアルバムのおかげで「野垂れ死ぬ前にきれいな音楽の一つも残したい」という生涯の夢は果たせた。それだけは自信を持って言える。
で、あとは野垂れ死ぬだけになったわけだが・・・
部屋の片付けをしていたら、机の引き出しの奥から昔のネガフィルムが何本か出てきた。
ふと、今使っているプリンタに「フィルムのスキャン」という機能があったことを思い出し、何枚か取り込んでみると、なんと28年前のニューヨークの写真だった。
1981年に、オフオフ・ブロードウェイのラ・ママ劇場というところでミュージカルを上演するために2週間ほど滞在していた時のもので、当時は作曲家にデビューしたての28歳の頃。
飛行機とホテル代は出してくれたもののギャラはゼロの仕事で、そもそもカメラを持って行ったかどうかすら記憶はないのだが、連日、リハーサルが午後から夜(ほぼ徹夜)まで続き午前中だけはヒマだったので、ぶらぶら町を散策しながら撮ったものらしい。
宿泊していたのは、ワシントン・スクエア・パークのすぐ横の安ホテル。小説「火宅の人」を執筆中の壇一雄がNY滞在中(自殺を考えながら)ここに泊まっていたそうで、数年前、娘の壇ふみさんが訪れるドキュメンタリーをテレビで見た憶えがある。
当時のNYはあまり治安がよくなくて、しかも劇場の周辺は観光客用マップでは「危険地域」のレッド・ゾーンの真っ只中。舞台衣装の鎧カブト(サムライ・ミュージカルだったので)を着た俳優さんたちの護衛で真夜中ホテルまで帰る日々だったのだが、途中よくビッグバードのぬいぐるみ(どうやらマリファナの売人さん)とすれ違った。考えてみると、怖ろしくシュールな風景だ。
ちなみに、写真は20枚ほどあったのだが、なぜか肝心の劇場や舞台の写真はおろか、俳優さんたちやスタッフなど(自分も含めて)人間が写っている写真が1枚もない!。人付き合いの悪さはこの頃から徹底していたらしい。
というわけで、ラ・ママ劇場の写真はGoogle Mapのストリート・ビューおよびHPから。なにしろものすごく狭いところだった…という記憶しかない。
ただ、懐かしいか?と言われると微妙なところ。若い頃の記憶というのは、思い出したくもないことで満ちているからね。
先日、お盆休みでガラガラの飲み屋でチビチビお酒を飲んでいたら、隣の若いサラリーマン二人連れの会話が耳に入ってきた。
なあ、「泥の付いたパン(泥を払えば食べられないこともない)」と「水に濡れたパン(少なくともバイキンはついてない)」と、どっちかどうしても食べなきゃいけないとしたら、おまえならどっち食べる?
なんだ、それ。どっちもやだよ。
いや、だからどうしてもどっちか食べなきゃならないとしたらさ。
うーん・・・・・
・・・・・・・・
そりゃあ、もう目つぶって選ぶしかないけど、どっちか選ばなきゃならない立場に立った時点で、なんかものすごく情けないよな。
そうだよなあ。
(・・・キミたち、何の話をしてるのかな?)
映画「ヴィヨンの妻」、今年のモントリオール映画祭に出品決定・・・とのこと。
9月初めにワールド・コンペティション部門で上映され、根岸吉太郎監督と主演の浅野忠信氏はモントリオールに行くらしい。
予告編映像はこちら。
Blog「月刊クラシック音楽探偵事務所」更新。今回は「夏休み雑談:名曲の生まれ方」。
数年前、クラシック初心者の口からいきなり「モーツァルトの2台のピアノのためのソナタ」とか「エルガーのヴァイオリン・ソナタ」とかの曲名が出た時には、ちょっと驚いたものだった。
その後、「ベートーヴェンの7番」とか「プッチーニのトゥーランドット」になり、最近では、「ハチャトリアンの仮面舞踏会」に「ヤナーチェクのシンフォニエッタ」。
クラシックの「名曲」がブレイクするのは、むかしは映画がきっかけと決まっていたのだが、最近ではテレビ、CM、コミックス、小説、ネット…なんでもありになってきた。
(なにしろそれぞれ数百万数千万の視聴者&読者がいるから、そのコンマ数%の人が反応しただけでもクラシック界にしては「大ヒット」が生まれてしまうのである)
そんな世情を利用して、ひそかに「ショスタコーヴィチの第4番」とか「シュトックハウゼンのグルッペン」とかをブレイクさせようと目論んでいる輩もいそうだが・・・
なんだか…ありえなくもなさそうなのが怖い。
乃木坂のスタジオで映画「ヴィヨンの妻」のサウンドトラック盤(BMG)のマスタリングに立ち会う。
全23曲をCD用2チャンネル・ステレオにまとめ、全体で36分ほど。
実際に映画で使用したのは、この半分ほどなのだが、サウンドトラック盤ということで、スタジオ収録した音源はほぼすべて使用することに。
(なので、一番念入りに書いたのに本編では使わなかった「お宝音源」?も聴ける)
とは言え、長いもので5分、短いものは20秒ほど、平均1分弱といった短い断片的音楽を、映画の使用順にM-1,M-2,M-3…と並べたもの。
コンサートで通して聴く「音楽作品」とはかなり違い、「素材集」という感じだ。
どういう人がどういう風に聴くのだろう?
発売は、映画のロードショー(10月10日)と同じ頃の予定。
宮本文昭さんの「NEXTAGE」という番組にゲストで呼ばれる。
映画「ヴィヨンの妻」の音楽を担当したことから始まって、映画作りの裏話や、作曲家になったいきさつ、鳥へのこだわり、独学のわけ、現代音楽撲滅協会の趣旨、などなど(音楽をまじえながら)1時間半ほど楽しくおしゃべり。
宮本さんの優しい笑顔に誘われて(少しアブナイ)オフレコ話をしていたら「今の話、面白いから録っちゃいました」と言われた処もあり、さて、どうなっていることやら。
放送は、MusicBirdで9月27日(日)16:00〜18:00(…と少し先)。