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2009年10月16日 (金)

我思うゆえに第九あり

No9 一年も後半になったせいか「第九について」の原稿を頼まれる。

 そう言えば、いつの間にかベートーヴェンが亡くなった歳(56歳)になっている自分に気付き、しばし複雑な気分に浸る。まさかあなたより長生きするとは思いもしませんでしたよ、ベートーヴェン先生。(…「いや、まだ分からンよ」…と悪魔の声がする)

 この曲、今でこそ、押しも押されもしない西洋音楽中屈指の名曲だが、最初に聴かれた方々はさぞかし吃驚仰天したことだろう。私も最初に聴いた時、「これがあの第九?嘘だ!」と思いましたもの。何と言いますか…その……壊れてます、あちこちが。

 にもかかわらず、死後180年以上も経ってもなお、極東のチンピラ作曲家にまで「交響曲なら9つ書いて死ね」というリングな呪いをささやき続ける怨念。これは怖い。そうでなくとも「9」には近づきたくない。「7」で止めるか「6」で止めるか、そろそろ考えなくては。(…「いや、もうとっくに〈5〉で止まってるだろ」…とまた悪魔の声がする)

 それにしても、↑この自筆楽譜を出版譜にした楽譜屋さんは偉い!!!。わたしが死んでこういう楽譜だけ残っていたら、即ヒモで縛られて「資源ゴミ」行きだ。(まあ、資源になるだけましだけれど)

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