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2009年11月

2009年11月30日 (月)

戦術核ペンギン

Penguin 著書や作品のタイトルに悩みつつ、あちこちリサーチしているうち、ちょっと衝撃的なネーミングを発見。

 「戦術核ペンギン(Tactical Nuclear Penguin)」

 世界でもっとも強い(アルコール度数の高い)ビールだそうで、ペンギンの棲息する温度マイナス20度で凍結処理し、アルコール度数を32%にまで高めた…ということでこのネーミングとなったらしい。

 そう言えば、ビールのビンというのは、ミサイルっぽくもあり、ペンギンっぽくもあるし、このシュールさは、山村暮鳥の「窃盗金魚」、「賭博ねこ」、「傷害ひばり」、「殺人ちゅうりっぷ」(…だったっけ?)の方向か。

 そのほかタイトルとしては、ミロの「一羽の鳥の翼から落ちた一滴のしずくが蜘蛛の巣のかげに眠っているロザリーを起こす」というのがいたく気に入ったのだが、さすがに新しい曲にこれをつける勇気はない。

2009年11月27日 (金)

第九とオリオン

Kakurega 月刊誌「男の隠れ家」2010年1月号:特集「大人のクラシック」に〈第九を識る〉寄稿。
 第九の聴きどころからベートーヴェン先生の思惑、そして初演から現代までの受容史(日本での演奏史や年末の風物詩になるに至る歴史)などを全8ページにわたって紹介。

 とは言え、この曲、ひと言で言ってしまえば(歓喜にも楽園の娘にも縁遠い)五十男のアブナイ妄想の産物。合唱付きの終楽章は文字通り「取って付けた」代物だし、今までの自分の音楽を全否定して「こういうのじゃなくて、もっと楽しい歌を」と歌い始めるのが(よりにもよって)「あの」メロディ。初めて聴いた人は絶対「(ベト先生)壊れた!」と思ったはず。
 それが、180年の時を経て東洋の島国の年末まで汚染する「クラシック音楽屈指の傑作」かつ「人類の至宝」になるとは、世の中捨てたもんじゃない。だから友よ、世界中の五十男たちよ。現実を捨てて妄想せよ!星空の彼方には貴方を抱擁してくれる壊れた神サマがきっといる!

 蛇足ながら、第九の今風な使い方…として映画「時計仕掛けのオレンジ」(1971)とアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」(1996)を挙げたのだが、つい最近、ビートルズの映画「ヘルプ!」を(何十年ぶりかで)見ていたら、「第九を聴くとおとなしくなるトラ」に襲われそうになり、みんなで第九を大合唱するという(アホな)シーンを発見。こっちの方が面白かったかも。

        *

Orionm 宣伝ついでにもう一点。カメラータ・トウキョウの〈コンテンポラリー・クラシックス〉シリーズで、作品集 II「オリオンマシーン」(CMCD-50020)再発売。

 初作品集「鳥たちの時代」に次いで1996年に発表した2枚目の作品集で、収録曲は、トロンボーン協奏曲「オリオン・マシーン」(箱山芳樹、外山雄三指揮日本フィル)、および「カムイチカプ交響曲」(尾高忠明指揮東京フィル)。

 ちなみに両曲とも初演の音源で、デフレ時代にふさわしく(作曲家泣かせの)廉価版(¥1,575)での再登場。こちらは(当時)三十男の妄想の産物。

 

2009年11月25日 (水)

タイトル未定

Zones 新書版「クラシック音楽探偵事務所」の最終的な校正を戻し、発売は来月21日と決まったものの、タイトルがまだ決まらず。現在、編集さんと販売の方々が頭をひねっているところ。
 
 編集さん曰く、(音楽関係に関しては)「クラシック愛好家とジャズ愛好家は本を読む」でも「ロックやポップス愛好家はほとんど読まない」のだそうで、間口を広げれば多くの人が手に取る…というわけでもないらしい。

 素人考えでは、例えばクラシックもロックも絡めた内容の本なら「クラシック好きの人もロック好きの人も読んでくれるのでは?」と思うのだが、実際は逆で「(最近は)両方に興味のある少数の人しか読まない」のだそうだ。

 なるほど。確かに「クラシックとジャズとロックと民族音楽と現代音楽をミックスした音楽を書けば、すべての人が聴いてくれる」というのは逆で、実際は「クラシックもジャズもロックも民族音楽も現代音楽も好きなごく少数の人しか聴かない」。これは実感として納得。

 ということは、今回のようにブログ発でクラシック音楽とミステリーとオペラと暗号を絡めた本は、ブログマニアでクラシックマニアでミステリマニアでオペラマニアで暗号マニアな人(そんな奴いるのか?)しか読まないことになるな。う〜ん。

2009年11月24日 (火)

FMシンフォニーコンサート12月分収録

Brahmsq NHK404スタジオで「FMシンフォニーコンサート」12月分1本の収録。

 今回は、12月6日(日)放送分で、ブラームスの大作「ドイツ・レクイエム」。演奏は、チョン・ミョンフン指揮東京フィル、ソプラノ:林正子、バリトン:チェ・ウンジョ、東京オペラシンガーズ。

 全7曲からなる1時間10分の圧倒的大作!…なのだが、1時間40分の番組の中にはめ込むと30分も時間が残ってしまうわけで(うち10分はベートーヴェンの序曲を入れたのだが)、なんと20分近くもブラームス先生について話さなければならない羽目に…。先日「凄くもなく新しくもなく才気も華もない」などと言ってしまった呪いだろうか(+ +;)

 でも、「悲しむものは幸いである.彼らは慰められるだろう」、「人はみな草のごとく、その栄華は草の花のごとし」、「あなたを慰めましょう。母が子を慰めるように」などなど、この曲のためにブラームスが選んだ聖書の語句は、優しさと同時にどこか東洋風の無常観があり、なかなか素敵だ。それを淡々と歌う合唱はどこまでも平明で美しく、演奏も素晴らしかった。

 ブラームス先生の「凄くも新しくもないゆえに凄くて新しい」世界を改めて実感した1時間10分。(・・・まだ言うか!)

2009年11月22日 (日)

初燗酒

Kan ずいぶんと寒い季節になり、ちょっと風邪気味だったこともあって、DVDで映画を見ながら今年初の燗酒。

 そう言えば、2〜3日前に「映画史上ベスト10」(キネマ旬報で100人ほどの評論家・文化人による投票を集計したもの)というのが発表されていて、例えばこんな具合・・・

日本映画
1.東京物語(1953年。小津安二郎)
2.七人の侍(1954年。黒澤明)
3.浮雲(1955年。成瀬巳喜男)
4.幕末太陽伝(1957年。川島雄三)
5.仁義なき戦い(1973年。深作欣二)

外国映画
1.ゴッドファーザー(1972年。コッポラ)
2.タクシードライバー(1976年。スコセッシ)
  ウエストサイド物語(1961年。ワイズ&ロビンス)
4.第三の男(1949年。リード)
5.勝手にしやがれ(1959年。ゴダール)
  ワイルドバンチ(1969年。ペキンパー)

 この種のベスト10集計をすると、評論家や文化人というのはいかにもな(例えば高校生や中学生でもあげるような)名前を挙げるのを避けて、大人ぶったマイナーな作品を選ぶ傾向にある。
 その結果、絶対誰もがトップにあげるような作品がランクから外れ、誰もが「こんなマイナー作品を挙げるのは俺だけだろう」と思って投じた作品が上位を占めたりすることもあるわけで、これも何となくそれっぽい。(それに選者の年齢層の高さも気になる…)

 ちなみに私の「映画史上ベスト1」は、日本映画では「ゴジラ」(1954年。本多猪四郎、円谷英二)、外国映画では「シャイニング」(1980年。キューブリック)。
 これが王道でしょう。

 え、違うって?

2009年11月20日 (金)

ブラームス先生の凄さ

02 某テレビ番組の作曲家取材(ネタ探し)第2弾。今度のお題はブラームス先生の交響曲第1番。

 ♪ブラームスはどこが凄くてどこが斬新なんでしょうか?
 いや、どこも凄くなくてどこも斬新じゃないでしょう。「三大B」っていうのは「土用の丑の日」みたいな語呂合わせのキャッチコピーだし、1番が「まるでベートーヴェンの10番だ」って言うのは第9のリスペクトメロディがあることの皮肉だし、あの曲で記憶に残るのは冒頭のティンパニと最後の終わり方だけで後は何をやっているのか記憶無いし、2楽章3楽章ってどんなでしたっけ?って言われてもとっさに思い出せないくらい印象薄いし。20年かかって書いたって言うのも、横でブルックナーが変な交響曲を書き出したのを見て、「あいつなんかに交響曲やられてたまるもんか」とあわてて20年間ほったらかしだった楽想を引っ張り出して、派手な冒頭と最後のコーダくっつけて仕上げたっていうことでしょ。その証拠に、続く2・3・4番は数ヶ月でひょいひょい書いてる。そもそもブラームスの音楽ってハッキリしたメロディはないし耳に残るところないし新しいことは何もやってないし、内声が延々と内省的なこと言っているだけでメインテーマも発展性も結論もないですし、才気も華も全然ないんですよね。

 ♪じゃあ全然ダメじゃないですか?
 とんでもない!。どこも凄くなくてどこも斬新でなく才気も華もないにもかかわらず、彼の交響曲はその後のチャイコフスキーやドヴォルザークやシベリウスなど民族楽派交響曲の教科書的なお手本になったし、ブラームス型2管編成は現在でもオーケストラのグローバル・スタンダードだし、自分勝手に暴走して自爆したベートーヴェンの散らかしっぱなしの交響曲の世界を地道に整理整頓して「聞いて面白いわけでもお金になるわけでもないクラシック音楽」を21世紀の現代にまで生き延びさせることになった基礎を作った。その「どこも凄くなくてどこも斬新でない」ところが凄くて斬新なんですよ!

 ♪????????

 あのー、今回もボツでしょうか?

2009年11月18日 (水)

コンクール課題曲考

Compe 今年の日本管打楽器コンクール・フルート部門は「デジタルバード組曲」、来年の国際サックス・コンペティションでは「ファジイバード・ソナタ」が課題曲のひとつなのだそうだ。

 なのだそうだ…というのは、別にこういう場合に限らず作曲者には特に何も知らせがないからなのだが、前者は24年前(1985年)、後者は18年前(1991年)の作品で、共に初演の演奏家に「こんなの(難しすぎて)吹けるかッ!」と怒られた超難曲。

 両曲とも「生身の人間には演奏できません!」というお墨付きをいただいたにもかかわらず、20年ほどたつと、コンクールで新人諸君が普通に(…かどうかは分からないが)演奏するようになる。演奏技術の進化とは恐ろしい。

 しかし、どんなものでも初めての道を切り拓くのは命を賭けた大挑戦。「当たり前」で「普通」なものを人間が一つ手にするために、先人たちは血を吐くような努力を重ねてきた。次は君たちの番、というわけだ。


 でも、「こんなの(難しすぎて)吹けるかッ!」と叫んでいるコンクール参加者諸君の声が世界中から聞こえる…ような気がする。

 ……ごめん。

2009年11月16日 (月)

ムダの削減@芸術部門

Cutcut 政府の行政刷新委員会による「ムダ削減」の事業仕分けは、文化振興事業(国立劇場も含む)や芸術家の国際交流事業にまで及び、音楽界にも飛び火するのは時間の問題。

 確かに「意味があるのか?」「投入した予算に見合った成果が上がっているのか?」と言われてしまったら、芸術部門はぐうの音も出ない。

 中には「東京芸術大学、事業仕分けで廃止が決定」などというガセネタもあって、思わず信じてしまいそうになった。(しかし、ホントにガセなんだろうか? 案外・・・いやいや)

 大体、ちゃんと採算が取れているなら国になんぞ世話になる必要はないわけで、それを言ったら「国がお金を出しているもの」は100%すべてがムダという理屈になる。

 そもそも胸を張って「私がやっていることはムダではない」と言いきれる人がこの世にいるのか?

 私は胸を張って「私がやってることはすべてムダである!」と言えるぞ。(^ ^;)

2009年11月14日 (土)

タルカス・アメリカ・ミステリー

Tarkusq オーケストラ版「タルカス」と「アメリカreMix」のスコア、交互に進行中。

 面白いのだが・・・・・大変。まだ1年ある・・・・まだ半年ある・・・・と引き伸ばしてきたが、そろそろ本腰を入れなければ。

 ちなみに「アメリカ」は、ナイスのではなく、ドヴォルザークの方です。念のため(と言っても、マニアにしか分からない業務連絡)

        *

 ところで、講談社からの新書版「クラシック音楽探偵事務所」の方は、「クラシック音楽はミステリーだ」というタイトルになるらしい。
 
 こちらは、本格ミステリー?で、私の本では初めてのイラスト無し大人向け仕様。「著者写真はスタジオでシャーロック・ホームズ風に撮りますか?」と聞かれたものの、それはさすがにパス。

 再校が戻ってきて、ただ今チェック中。来月下旬(クリスマスの頃)に発売予定。
 

2009年11月11日 (水)

鳥たちの時代@関西フィル11/27

Kansai 今月下旬に関西で演奏される「鳥たちの時代」のプログラム解説を(ほかの作曲家たちの解説と一緒に)書く。

 プログラムは…
・吉松隆「鳥たちの時代」
・サンサーンス「ピアノ協奏曲第2番」
・ルトスワフスキ「管弦楽のための協奏曲」

 演奏:藤岡幸夫 指揮 関西フィルハーモニー
  ピアノ:許 忠(シュー・ツォン)
 日時:11月27日(金)、19:00開演
 場所:ザ・シンフォニー・ホール(大阪)

 自分の曲の曲目解説を頼まれる…というのは良くあることだが、さすがに、20年以上も前に書いた作品ということになると、記憶をたぐり寄せるのが(少し)大変。

 作曲家は作品を「生み落とす」けれど、曲がそこから先どう育つかは、演奏家や聴衆との出会い次第。そもそも初演したら後は他人様のモノなのだ。特に、嫁にやってしまった娘に関して「何か話せ」と言われても、男親としては悩むばかり。

 今回の曲(鳥たちの時代)にしても、生み落として以来、親らしいことは何一つしておらず、それでも知らぬ間にすくすく育ってもう23歳。CDになったりこうしてコンサートで演奏されたりという近況を風の便りに聞くたびに、何となく不思議な感覚に襲われるわけだ。

 これって「人の親」と同じ感じなのか、全く違うのか・・・。「人の親」になり損なった身には分からない。

2009年11月10日 (火)

映画音楽の作り方

Titleq Blog「月刊クラシック音楽探偵事務所」更新。今回は「映画音楽の作り方」。

 最近、根岸吉太郎監督の「ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ」(公開中)で、映画音楽に初挑戦したので、その体験をまじえての〈やぶにらみ映画音楽制作ノウハウ講座〉。

 簡単にざっと概要を……と書き始めた割に結構な分量になってしまったが、これから映画音楽の作曲を目指す方(あるいは映画音楽に興味のある方)に少しでも参考になれば、これ幸い。

2009年11月 8日 (日)

横浜・中華街

Yokoh 久しぶりに横浜に出る。

 パシフィコ横浜での「楽器フェア2009」にも寄りたかったのだが、若者たちが演奏する賑やかなパーカッションの音を遠くに聴きながら結局素通り。

 最近なんとなく社会主義人民共和国っぽくなりつつある日本で、彼らはどんな音楽を目指し、音楽業界はこれからどうなってゆくのだろう。

 夜、甥っ子たちと中華街で食事して、少し気分転換。

2009年11月 6日 (金)

それでも町は廻っている

Soremachi 月刊誌「アワーズ」連載のコミックス(やまむらはじめ「天にひびき」)に指揮者に関するコラムを書き始め、そこで出会ったのが石黒正数「それでも町は廻っている」という作品。すでに6巻出ているのだが、ちょっとはまっている。

 下町の喫茶店で(なぜかメイド姿で)アルバイトをしている女子高生が主人公のコメディーで、ほのぼの系の絵柄なのにSFや探偵趣味もスクランブルするバランスが絶妙。 
 淡々としているようでストーリー展開は結構緻密だし、作品のあちこちに仕掛けられたネタ(人の名前や看板やTシャツの文字などなど)も凝っていて面白い。


 ただ、最近の漫画家って大変そうだな…と思うのは、こういうコメディものでもディテールがみっちり描き込まれていること。

 むかしの漫画は服なんか輪郭だけでよかったし靴なんてマル描くだけでよかったのに、最近は着ている服から靴から小物まで、メーカーからモデルまで特定できそうな精密さで描かれている。

 まあ、そういうディテールにおける遊びも魅力の一つではあるのだが、これは結構漫画家にとって過酷な時代なのではなかろうか。(・・・もちろんどんな仕事も過酷だろうけれど)

2009年11月 4日 (水)

新書版「クラシック音楽探偵事務所」@初校

Bookalfa 新書版「クラシック音楽探偵事務所」(仮題)の初校ゲラをチェック。

 ミスを見つけたらすぐに修正できるホームページやブログ記事と違って、本というのは印刷出版されてしまうと直しようがないわけで……スペルや数字なども入念にチェック。(それでも見落としはあるものだが)

 来週あたり再校が出てタイトルなどを決定し、12月下旬頃、講談社の「+α新書」として発売予定。

2009年11月 2日 (月)

松島や・・・

Mazshima 午前中、天気が良さそうだったので、松島に行って、何をするともなく海を眺める。

 何か見覚えがあるな、と思ったら、20年ほど前に一度来たことがあったのだった。

 でも、昼ころから曇り空になってきたので、後はどこにも寄らず、新幹線でそそくさと東京に戻る。

 知らない人が見たら、何かのアリバイ工作をしているような不審な動きだったかも・・・

2009年11月 1日 (日)

鳥のシンフォニア初演@仙台

Sendaijr1 仙台ジュニアオーケストラの創立20周年記念コンサート(仙台市青年文化センター)にて、委嘱作品「鳥のシンフォニア〜若き鳥たちに op.107」の初演に立ち会う。

 メンバーは小学生から高校2年生までの約120人(うち女の子が3/4ほど)、指揮は山下一史氏。仙台フィルのプロの演奏家たちが各パートのコーチに付いていることもあり、クォリティは「子供の」というレベルを遙かに超え、今回はエルガー「威風堂々」、チャイコフスキー「くるみ割り人形」「イタリア奇想曲」を颯爽と演奏。

 委嘱作「鳥のシンフォニア」は、
 1.プレリュード
 2.トッカータ
 3.ダークステップス
 4.ノクターン
 5.アンセム
 という全5楽章からなる20分弱の曲で、鳥の歌ありミニマルありフリーインプロヴィゼイションありビッグバンドジャズあり夕焼け小焼けありファンファーレありシベリウスありのオーケストラサウンドてんこ盛りシンフォニア。

Zendaijr2 仙台という「杜」の都に生きる「(若き)鳥たち」がテーマで、「難しすぎず、でも易しすぎず」「分かりやすく、でも簡単すぎず」という究極の難題リクエストに七転八倒したものの、ホールを埋め尽くした満員の聴衆の方々の熱き拍手をいただきホッとする。

 それにしても、子供たちによるこういうオーケストラが仙台という地方都市で20年根付いているというのは何とも頼もしい限り。
 そもそもオーケストラというのは、多くが街の名前(ウィーンやベルリンやロンドンなど)を冠しているように、「街」単位の文化集団。これからも大切に育てて、今後さらなる20年、そして100年先に向けて「自分たちの音楽」を豊かな文化にして欲しいと願わずにはいられない。

Yamashita コンサートが終わってから、指揮の山下一史氏らと大成功を祝して打ち上げパーティ。
 ただし、団員は当然ながらすべて未成年なのでビールで乾杯というわけにはいかず、お茶で乾杯してお弁当食べてビンゴ大会(景品はお菓子)という可愛い集い。

 なにしろ舞台から降りれば100人のキャピキャピ集団。世にも珍しい「生きている作曲家」相手に、記念撮影をしたり、サイン責めにしてみたり。

 そして、ようやく子供の寝る時間になり、大人は飲み屋に直行してアルコール補充(笑)
 かくして仙台の夜はふけてゆく・・・

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