仙台ジュニアオーケストラの創立20周年記念コンサート(仙台市青年文化センター)にて、委嘱作品「鳥のシンフォニア〜若き鳥たちに op.107」の初演に立ち会う。
メンバーは小学生から高校2年生までの約120人(うち女の子が3/4ほど)、指揮は山下一史氏。仙台フィルのプロの演奏家たちが各パートのコーチに付いていることもあり、クォリティは「子供の」というレベルを遙かに超え、今回はエルガー「威風堂々」、チャイコフスキー「くるみ割り人形」「イタリア奇想曲」を颯爽と演奏。
委嘱作「鳥のシンフォニア」は、
1.プレリュード
2.トッカータ
3.ダークステップス
4.ノクターン
5.アンセム
という全5楽章からなる20分弱の曲で、鳥の歌ありミニマルありフリーインプロヴィゼイションありビッグバンドジャズあり夕焼け小焼けありファンファーレありシベリウスありのオーケストラサウンドてんこ盛りシンフォニア。
仙台という「杜」の都に生きる「(若き)鳥たち」がテーマで、「難しすぎず、でも易しすぎず」「分かりやすく、でも簡単すぎず」という究極の難題リクエストに七転八倒したものの、ホールを埋め尽くした満員の聴衆の方々の熱き拍手をいただきホッとする。
それにしても、子供たちによるこういうオーケストラが仙台という地方都市で20年根付いているというのは何とも頼もしい限り。
そもそもオーケストラというのは、多くが街の名前(ウィーンやベルリンやロンドンなど)を冠しているように、「街」単位の文化集団。これからも大切に育てて、今後さらなる20年、そして100年先に向けて「自分たちの音楽」を豊かな文化にして欲しいと願わずにはいられない。
コンサートが終わってから、指揮の山下一史氏らと大成功を祝して打ち上げパーティ。
ただし、団員は当然ながらすべて未成年なのでビールで乾杯というわけにはいかず、お茶で乾杯してお弁当食べてビンゴ大会(景品はお菓子)という可愛い集い。
なにしろ舞台から降りれば100人のキャピキャピ集団。世にも珍しい「生きている作曲家」相手に、記念撮影をしたり、サイン責めにしてみたり。
そして、ようやく子供の寝る時間になり、大人は飲み屋に直行してアルコール補充(笑)
かくして仙台の夜はふけてゆく・・・