それでも町は廻っている
月刊誌「アワーズ」連載のコミックス(やまむらはじめ「天にひびき」)に指揮者に関するコラムを書き始め、そこで出会ったのが石黒正数「それでも町は廻っている」という作品。すでに6巻出ているのだが、ちょっとはまっている。
下町の喫茶店で(なぜかメイド姿で)アルバイトをしている女子高生が主人公のコメディーで、ほのぼの系の絵柄なのにSFや探偵趣味もスクランブルするバランスが絶妙。
淡々としているようでストーリー展開は結構緻密だし、作品のあちこちに仕掛けられたネタ(人の名前や看板やTシャツの文字などなど)も凝っていて面白い。
ただ、最近の漫画家って大変そうだな…と思うのは、こういうコメディものでもディテールがみっちり描き込まれていること。
むかしの漫画は服なんか輪郭だけでよかったし靴なんてマル描くだけでよかったのに、最近は着ている服から靴から小物まで、メーカーからモデルまで特定できそうな精密さで描かれている。
まあ、そういうディテールにおける遊びも魅力の一つではあるのだが、これは結構漫画家にとって過酷な時代なのではなかろうか。(・・・もちろんどんな仕事も過酷だろうけれど)
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