コンクール課題曲考
今年の日本管打楽器コンクール・フルート部門は「デジタルバード組曲」、来年の国際サックス・コンペティションでは「ファジイバード・ソナタ」が課題曲のひとつなのだそうだ。
なのだそうだ…というのは、別にこういう場合に限らず作曲者には特に何も知らせがないからなのだが、前者は24年前(1985年)、後者は18年前(1991年)の作品で、共に初演の演奏家に「こんなの(難しすぎて)吹けるかッ!」と怒られた超難曲。
両曲とも「生身の人間には演奏できません!」というお墨付きをいただいたにもかかわらず、20年ほどたつと、コンクールで新人諸君が普通に(…かどうかは分からないが)演奏するようになる。演奏技術の進化とは恐ろしい。
しかし、どんなものでも初めての道を切り拓くのは命を賭けた大挑戦。「当たり前」で「普通」なものを人間が一つ手にするために、先人たちは血を吐くような努力を重ねてきた。次は君たちの番、というわけだ。
でも、「こんなの(難しすぎて)吹けるかッ!」と叫んでいるコンクール参加者諸君の声が世界中から聞こえる…ような気がする。
……ごめん。
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はじめまして。私は今高校でマリンバを勉強していて、吉松さんの曲が大好きです。
デジタルバードやランダムバードのような曲を是非マリンバで!書いて頂きたいです。
絶対いい曲になると思うので。お願いします
投稿: H.O | 2009年11月20日 (金) 22:43