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2010年2月24日 (水)

NHK-FMシンフォニーコンサート3月分収録

Fmsymq NHK406スタジオで「FMシンフォニーコンサート」3月分2本の収録。

 3月7日(日)放送分は、モーツァルト:交響曲第25番ト短調、フルート協奏曲第1番ト長調(fl:工藤重明)、交響曲第40番ト短調。梅田俊明指揮東京フィル。

 3月14日(日)放送分は、ショスタコーヴィチ:ジャズ組曲第1番、ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番(vn:三浦章弘)、レスピーギ:ローマの祭りほか。D.エッティンガー指揮東京フィル。

 モーツァルトの回は「ト調」つながり(ト短調〜ト長調〜ト短調)と一目で分かるけれど、面白いのはショスタコーヴィチ〜ブルッフ〜レスピーギと並べた(ちょっと見には脈絡の無さそうな)プログラムの方。

 指揮のエッティンガー氏はイスラエル生まれ。この4月から新しく東京フィルの常任指揮者に就任する俊英で、単純にロシア(ソヴィエト〜JAZZつながりでアメリカ)〜ドイツ〜イタリア…と国際的に並べたとも見えるが、ショスタコ・ブルッフとも(自身はユダヤ系ではないのに)ユダヤ音楽に固執し、自作に組み込んだり引用などして当局から睨まれた同志ということに思い至るとちょっと意味深。

Fiddler レスピーギはムッソリーニ政権下でぎりぎり嫌ファシズムを通した人だが、その「ローマの祭」はローマ皇帝ネロのキリスト教迫害シーン(チルチェンセス)から始まる曲。ネロは同じくユダヤ人迫害でも知られ、その時それに反抗して一人ヴァイオリンを奏でた英雄がユダヤに伝わる「屋根の上のヴァイオリン弾き」の伝説。「ローマの祭」の前に(ユダヤ風のトーンを持った)ヴァイオリン協奏曲を持ってきたのは、そのあたりの連想からか。

 さすがにNHKの放送では「これはユダヤつながりですね」とは言えなかったが、こういう深読みの楽しさが〈クラシックはミステリー〉(笑)。
 

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