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NHK405スタジオで「FMシンフォニー・コンサート」7月分2本の収録。
7月4日(日)放送分は、ベートーヴェン:エグモント序曲、ピアノ協奏曲第3番(p:若林顕)、交響曲第6番「田園」。渡邊一正指揮東京フィル。
7月11日(日)放送分は、マーラー:交響曲第2番「復活」。Sp:平井香織、Alt:カティア・リッティング、合唱:新国立劇場合唱団、D.エッティンガー指揮東京フィル。
ところが、収録中に「セブンイレブン問題(7月11日参議院選挙)のため後者は8月に延期」と決定。開票速報が入るので、ラジオもFMも夜の番組は大幅変更になるのだそうだ。
それにしても、「参院選で〈復活〉は無くなりました」・・・というのは、聞き方によっては結構意味深?
先日の「タルカス」オーケストラ版についてのインタビュー記事が掲載されている「ストレンジデイズ」8月号(特集:EL&Pと仲間たち)届く。
EL&Pは今年結成40周年。別に合わせたつもりはなかったのだが、「タルカス」発売と同じ7月下旬には4枚組のライブBOX盤も出る予定で、さらに7月25日にはロンドンで一夜限りの再結成コンサートも行われるのだとか。
8月(22日)には、日比谷野外音楽堂で日本初の「プログレッシヴ・ロック・フェスティヴァル」(ルネッサンス、ジェネシスのスティーヴ・ハケット、日本が誇るプログレバンド四人囃子が参加!)も開かれるとのことで、なぜか今プログレが元気。(単にプログレ好きのオジサンたちが元気……なだけか?)
ちなみに、今回は、ネット上の電子雑誌販売サイト「マガストア」→からも¥450(書籍版は¥980)で買ってみた。
雑誌や新聞がすべてこういう形で読めるようになると、(古新聞や古雑誌の束もなくなって)個人的にはきわめて便利だと思うのだが・・・出版社側から見るとどうなのだろう?
CHANDOSで浄書譜を制作中のトロンボーン協奏曲「オリオンマシーン」のスコア校正。
まだコンピュータ入力でなく「手書き」だった時代(1993年)の作で、この頃はとにかくごちゃごちゃと音符を書き込むのが好きだったため・・・とにかく音符が多い。
「こんなに音を書くな〜!」と(自分の曲に)ツッコミを入れながら赤入れ(+ +;)。
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余談ながら、作業の遅れ具合のいいわけにメールで「今、頭の上でドリルが唸っているので」と書いたところ、「・・・ご病気ですか?」と心配されてしまったが、そっちの病気ではありません。
マンションの真上の部屋で改装工事をやっていて、文字通り「頭の上」で「ドリル」が唸っているのです。念のため。
本日発売の「The DIG」プログレッシヴ・ロック特集号でのキース・エマーソン氏のインタビュー記事から、先日の東京フィルでの「タルカス」の演奏についてのコメント(抜粋)。
ラフ・レコーディングの状態で聴いたんだけど、それにもかかわらずあまりに圧倒されてしまい涙がこぼれてきたよ。エネルギー、ミュージシャンシップ、作品に捧げてくれた想い、それらすべてがこの作品に込められていてとても優れていた。
各プレイヤーからオーケストラ全体に至るまで、こんな演奏を実現させることがいかに困難であるか僕もよく分かっているんだ。実に恐れ多い気持ちでいっぱいさ。ぜひこれを直に聴く機会があればと願っているし、東京フィルハーモニーのようなオーケストラと一緒に演奏してみたいと思う。
嬉しくてこちらも涙がこぼれてきた・・・・
同誌には、難波弘之氏とのプログレ対談も収録。
先日の「タルカス」コンサートの話から、オーケストレイション秘話、松村禎三氏とジョン・レノン、クイーンとピアソラ、現代音楽とプログレなど、同世代ならではのネタ満載。
また、今回の「タルカス」に関わった荒井英治氏(東京フィル・コンサートマスター)とピアニスト:三柴理氏との濃〜いプログレ談義も載っていて、こちらも面白い。
Blog「月刊クラシック音楽探偵事務所」6月号更新。今回は「天才とは何だ?〜ブラームス型凡楽のすすめ」。
むかし、まだ「気違い(以下XXXX)」という言葉がNGワードでなかった頃、ちょっと奇矯なところのある人物を表するのに(犯罪者でも作家でも芸術家でも)すべて「こいつはXXXXだ!」で済ませてしまう先生がいて、凄い違和感を感じていたことがある。
それと同じような感覚に襲われるのは、クラシック音楽界で連発される「彼は天才である!」という言葉だ。モーツァルトでもショパンでも何でもかんでも「天才」と言って切り捨ててしまうのは(いや、切り捨てているわけではないのだが)、どうもなんとも言えないムズムズ感と言うか、違和感がずっと付きまとっている。
というわけで、天才でも何でもないオジサン:ブラームス先生を肴に(失礼ッ!)「天才」の秘密を徹底的やぶにらみ解剖。(妄言多謝ッ!)
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本文はほぼ書き終え、あとはイラストと付属CDの音源作り。「運命はなぜハ短調で扉を叩くのか」〜調性で読み解くクラシック名曲(サンプルCD付)…というようなタイトルになる予定。出版は8月頃。
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近々ベールを脱ぐ「タルカス」フィギュアの入った謎の箱。
(それにしても「タルカス在中」って……)
誰が言ったか「タルカスの卵」・・・
ここしばらくiPadを使っていて、もっとも使用頻度が高いのはどうやら「i文庫HD」というアプリだ。
もともとは青空文庫(著作権Freeの作家の書籍を無料提供している日本のサイト。一万冊近い古典名作が収録されている)を読むためのアプリケーションで、使い勝手やめくり機能なども含めて英語版「iBook」の日本語版といったところ。
しかし、基本は「PDFを読む」ツールなので、画集や写真集やコミックスはもちろん、スコア(楽譜)から自分のパソコンの中にある文書や書類からイラストまで、PDF化しさえすればそのまま一冊の本の形で読書が可能。(Macでは「プレビュー」というソフトで簡単にPDF化できる)。iPad用アプリとしては少しお高いが、ある意味、万能の読書ツールと言えそうだ。
問題は、この「PDF」という規格にどのくらい普遍性があるかだ。紙製の本は一応半永久的に読めるが、この種のデータは再生するメディアが無くなれば読めなくなり、ただのゴミになる。このアプリで数千冊ほど本を収集したところで10年先に規格が変わり、(ベータのビデオやレーザーディスクのように)すべて読めなくなってしまったら、ちょっとつらい。
それでも、これによって作者から読者へ産地直売(流通コストゼロ)の出版形態が可能になったことは大きい。もしかしたらこれは、グーテンベルクによる活版印刷発明以来の革命…なのかも知れない。
iPadを導入して一週間…というわけで、愛用中の音楽系アプリを幾つかご紹介。
forScore(¥600/英語)はPDFの楽譜を読むのに特化したアプリ。ピアノの楽譜やオーケストラのスコアを読むのはこれが便利。楽譜を「めくる」感触はiBook系で、Bach,Beethoven,Chopinなどのピアノ名曲データ付き(ただしプレイバックは出来ない)
クラシック名曲のほとんどは「青空文庫」的なサイトからPDFで手に入るので、それをパソコンに取り込んで同期する。もちろん新しい楽曲もPDF化すればOK。分厚いスコアを何百冊だろうとまとめて持ち歩けるのが嬉しい。メトロノーム付きで、赤鉛筆でのチェックなども可能。ただし現在のヴァージョンは拡大機能がない。
PDFを読むだけならGoodReader(¥115/英語)。こちらは書類向け(縦めくり)だがPDFの楽譜も読める。パスワードによるプロテクトもかかるので機密文書もOK(このほかPDFを読むアプリは無料のものも含めて幾つかある)
作曲家必携のピアノ鍵盤アプリはiPhone時代から数多いが、一画面での音域の広さでPocketPianoHD(¥115/英語)。鍵盤は1段・2段と切り替えられ、幅や大きさも自在に変更可能。メトロノーム機能も付いている。
これでライヴ演奏…というのはとても無理だが、カバンに入れて持ち歩ける携帯鍵盤としては上々。
このほかオルガンやギターやシンセはもちろん、ガムランやカリンバから琵琶まであるのでお好みで(^^)
さて、問題は「楽譜を書く」アプリだが、使えそうなレベルのものはまだない。
さしあたり、音符をちょっとメモする…というレベルならFastFinga(¥230/日本語。左下)。単なる手書きメモ用アプリだが、背景の罫線の中に「五線譜」(音部記号は無い)というのがあるので、音符の走り書きメモができる。
書いた楽譜は、画像(.jpg)として本体に保存するかメール添付でパソコンに送る。もともと音楽系アプリではないので、五線譜の段の間隔が狭く、大譜表を書くのは無理。でも、思いついたフレーズをすぐ書きとめる…というのには有効。
Composer(¥900/英語。右下)はメロディ作曲用の簡単な打ち込み系作曲アプリ。画面上の鍵盤を弾けばそのまま「楽譜」になり、プレイバックも出来る。音符や休符の種類、#♭、拍子や調性テンポなども変えられ、歌詞もメモできるが、基本は単旋律(和音は不可)で1パートのみ。楽譜書きが苦手なシンガーソングライター向け。
Symphony(¥600/英語)は(かなりぎこちないものの)簡単なアンサンブル曲くらいなら入力と演奏が出来なくもない作曲アプリ。基本は2パートだが最大6パートまで増やせて、和音の入力も可。
こちらもBachやBeethoven,Chopinなどのピアノ曲がサンプルとして付いていて、選べる楽器は20種類以上。変拍子が入力できないのが個人的にはつらいが(かなり無理すれば)携帯用作曲ツールとして使えなくもない。
現状はiPhone用で操作性が良いとはとても言い難いが、iPad用のSymphony proも近々発表予定とか…
天気が良かったので、賀茂川から鴨川まで散策。(注:出町柳から上流が賀茂川、街中を流れるのが鴨川)
しかし、川縁をのんびり日向ぼっこしながら歩いているような時に限って、校正だの原稿の催促だの打ち合わせだのとぱかぱかメールが入る。(こういう時、iPhone+iPadは確かに便利だが、しらばっくれて逃げられないのがつらいところ)
挙げ句、ただ今改装工事中の仕事場真上の階で、水道管をぶち抜いて大洪水…という管理人さんからの緊急電話。一瞬、部屋のパソコン一式がずぶ濡れになっている悲劇の図が頭をよぎる(++;)
あわてて東京に戻って(と言っても3時間後)現場に駆けつけ・・・管理人さんや工事関係者とおそるおそる部屋を開けてみたところ・・・台所の照明の隙間から数滴ほど水漏れしていたらしい痕跡を確認。でも、それ以外の被害はなし。やれやれ。
これは「水難」というべきか、あるいは京都の神社の「水難除け」の御利益があったというべきか。
窓の外は緑と川の流れだけという静かなお宿なのだが、いかんせんお高い(++;)ので、連泊などしようものならチンピラ作曲家のわずかな稼ぎなど即吹っ飛んでしまう。
確かに、こういう所で交響曲を書けたら最高だが、仕事すればするほど滞在費で大赤字になるのは必至・・・・・と、現実的な頭になったところで…
夜、京都RAGというライブハウスにて、先日対談した難波弘之氏のバンド〈センス・オブ・ワンダー:Keyboard,Bass,Drums〉のライヴを聴く。
プログレおたく同世代としては、嬉し恥ずかしのアナログシンセと変拍子のサウンド炸裂。曲のタイトルがSFっぽいのも楽屋オチ的な楽しさ。
トークも交えて3時間のフル演奏。私のように机上の楼閣建造に終始するスコア書き作曲家と違って、ライヴをこなす音楽家はアスリート的な体力が必要なのだと改めて実感。いやあ、お元気。