煮詰まり中の夏
しばらく「原稿」&「イラスト」モードになっていた頭を「楽譜」モードに切り替える。
ただし、切り替えても仕事自体はすべて同じMacの中。机の向きも座る向きも1センチと変わらない…というのが21世紀風。
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この国は、夏になると毎年、季語のように「あの戦争」に思いを馳せる。「ゲゲゲの女房」の水木サンも、今週ちょうど戦地で片腕をなくす話。笑って話せる話ではないのに、笑って話す姿に泣けて仕方がなかった。
でも、この国を守るために命を賭けた人たちに、この国は冷たい。戦時中、九死に一生を得て生還したのに上官に「なぜ生きて帰ってきた。死んで来い」と言われたという(水木サンも語っていた)良く聞く話の不条理は、今も変わらない。なにしろ、国土と母とを守るために死にに行ったのに、守ったはずの自分の国の政治家たちに「近隣諸国に迷惑を掛けた加害者」扱いされているのだから。
そうでなくともこの国は、国の礎のはずの「二〇代から三〇代の男性」に冷たい。「男社会」などと騙されているが、実は有史以来「男は消耗品」。元々は繊細で心優しいコを、煽てて騙して「使い捨て」に耐える「一人前」に育て上げるのが人間社会。それなのに、女性や子供や老人の保護は語られても、肝心の「国を作ってゆく男のコ」たちは今やほったらかし。可哀想になってくる。
これは、おそらく「こんな国のために命を賭けたくない」…と思う若い男のコたちを育てることで、国家を去勢する壮大な計画なのだろうな。
それなら、それは大成功。おかげで、今、こんな国になっている。
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