モッキンバードの離陸
作曲というのは……空から落ちてくる楽想を拾い集めて「お、これはきれい」とか「いやあ、これは歪み具合が何とも」とか「うーん、これは使い方次第か」などと言って並べている段階は楽しいのだが、それを最終的な「楽譜」にきっちり固定する作業は、結構修羅場になる。
音楽的な「夢」の世界から離れて、音符という「現実」と格闘しなければならないし、作業もかなり即物的かつ「事務処理」的な色合いを帯びるし、〆切とか初演とかから逆算した「タイム・リミット」を突き付けられてお尻に火が付いているし。
オーケストラのスコアの場合は、これが最低でも二週間。長い時は数ヶ月続く…。
そんなわけで、〆切前で目を血走らせてスコアを書いている作曲家と、冬眠前に空腹の極限でエサを探しているクマに「やあ、元気?」とか「お腹すいてる?」などと気軽に声を掛けて近付くのは極めて危険です。お気を付けください(> <;)
« ハレルヤ・コーラスはなぜニ長調なのか? | トップページ | 鳥たちの鉄則 »
コメント