変わらない夢
年末に読んだ「べっちんとまんだら」の影響で、正月から中島みゆきの歌が頭から離れない。(後半、主人公が中島みゆきを歌うシーンがあるのです。しかもなぜか爆撃機の上で)
♪シュプレヒコールの波 通り過ぎてゆく
変わらない夢を 流れに求めて
時の流れを止めて 変わらない夢を
見たがる者たちと 戦うため
…中島みゆき「世情」1978
難解な詞で知られる歌だが、改めて聴くと、延々繰り返される上記のリフレインから、学生運動の時代(70年代)の青い切なさがじんじん伝わってくる。
古い体制に向かって「XX反対!」「XX打倒!」と叫ぶ若者たちは、時代を変える「変わらない夢(自由や新しい秩序)」を求めるが、
それを抑圧しようとする旧世代もまた、自分たちの「変わらない夢(伝統や既成概念)」を守りたい(見続けたい)だけなのだ。
どちらも「変わらない(自分たちの)夢」のために戦っているが、どちらも真摯さと共に嘘にもまみれている。その二重構造の怖さ虚しさ。
しかも、その「戦い」を歌う女神は、マイナーキイのリフレインで挫折と悲劇を予言する。
果てしなく切なく怖い…「負」の〈レット・イット・ビー〉・・・(~ ~;)
以前、若い人に「この詞、意味が分からないんですけど」と言われ、説明しようとしたら、「シュプレヒコールって何ですか?」
そっちかい!
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