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2011年1月15日 (土)

冬日記

Hashin 朝、実家の古〜いガス・ストーブ(御年20歳)がとうとう壊れ、暖房が効かなくなる。
 さすがに、土日を暖房なしで我慢するのは生命の危険を感じ、あわてて新宿に走り、最新のガス・ファン・ヒーターを買って帰る。
 暖かい・・・

 昼、前々から気になっていた「ロックとオーケストラの融合」を謳ったスティングの「シンフォニシティ」をiTunes Storeで購入してようやく聴く。
 かつてのクラシックの牙城ドイツ・グラモフォンからの発売ということで、かなりクラシック+現代音楽テイストなものを想像していたのだが、いくぶんアグレッシヴな冒頭の「Next to You」以外はごく普通のバラード風アレンジ。普通にキレイな美声のバラード・アルバムとして聴く。

 夕方、「明治の音」(内藤高著:中公新書)再読。
 明治時代、初めて日本に来た西洋人の耳に、日本にあふれる音楽は「音楽性のない(和声のない)」「耳障りな(雑音系の)」音ばかりに聞こえたそうなのだが、逆に、日本人の耳に西洋音楽は「ぎっくりしゃっくり切れ切れ」な「ジッグ、ジッグ、ジッグ」と聞こえるだけの「わけの分からない音楽」に聞こえたそうだ。
 そもそも西洋音楽が入ってくる前の日本人にとって、自然倍音的なドミソ(長三度)はまったく耳が受け付けず、4拍子でリズムを刻んで歌ったり振りを合わせて踊ったり…ということもまったくなかった。今、私たちが「フツーの音楽」として聴いている4拍子リズムもドレミファも長調短調のハーモニーも、たかだか百数十年前に西欧から突然やってきた異教の音楽の作法にすぎないのだ。
 そう聞くと「音楽」って何だ?とあらためて考えさせられる。

 夜、中目黒近くの小さな隠れ家的料理屋で、西村朗センセ夫妻とミニ新年会。
 暗い石畳のアプローチが妖しくも京都風。

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