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2011年2月 6日 (日)

Paul & Keith

Paulkeith ポール・マッカートニーとキース・エマーソンのライヴ・アルバム2組を聴く。

 音楽が圧倒的に素晴らしいことは改めて言うまでもないが、驚くのはそのエネルギーと体力。P.マッカートニーの方は2009年ニューヨークでのライヴ。1942年生まれだから、この時67歳。K.エマーソンの方は2008年モスクワでのライヴ。1944年生まれだから、この時64歳。(「タルカス」では何と35分のロングバージョンを聴かせる!)

 バックバンドのフォローがあると言っても、万単位の観衆を相手に、出ずっぱりの主役でこのエネルギー量。もちろん、若手の第一線ミュージシャンたちの「元気さ」と比べれば、少しは「お年」ではあるのだが、音楽的質量と速度の総和が半端でない。この二人が傑出して凄いのか、そもそもロック自体が「元気」の元なのか。

 常々、西洋の音楽に接するたびに「体力の差」を思い知るのだが、これは文化の差というのか、食べ物の差というのか。クラシック界でも3時間や4時間のオペラを平気で書き、そして演じる音楽家たちの「体力」にまず圧倒されてしまうし。

 個人的には、50を過ぎたらもう「体力勝負は無し」<<(_ _)>>。
 それでも、作曲家の場合は、若い演奏家たちが自分の曲を演奏してくれることで、若い身体に憑依できるので(…なんだか吸血鬼みたいだが)、楽しくも嬉しい。

 そう言えば、武満徹さんは「ポール・マッカートニーみたいな作曲家になりたかったな」とボソッと漏らしたことがあったっけ。
 どんな素晴らしい曲を書いても「作曲」だけでは満たされない「何か」が音楽にはある。

 作曲家は……
 どんな音楽を書いても、いつもそこには「誰もいない」からね。

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