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2011年3月25日 (金)

科学の横道

Kagakuq 佐倉統さん編著の「科学の横道〜サイエンス・マインドを探る12の対話」(中公新書)を読む。

 東京大学大学院情報学環教授:佐倉氏が色々なジャンル(芸術・文学・コミックスから語学・生物学さらには介護まで)の人々と「科学」を軸に語り合う対談集。
 私は、音楽と科学を巡る第4章「超ひも理論はどんな音楽を奏でるか」で参加。

 興味深かったのは、浦沢直樹氏の「科学という言葉自体がノスタルジーなのでは」という意見。
 私は、コンピュータや原子力やデジタル機器や携帯電話などの「科学の進歩」が世界を変えてゆく様子をわくわくしながら見ていた世代だが、それらがすべて生まれたときから存在している世代にとっては、あって当たり前。ちょっとでもミスを起こそうものならブーイングの嵐を浴び、リスクやデメリットなどマイナス面を穿り出される。

 まさにあの時代に生まれ落ちた「原子力発電所」が、今そんな「20世紀の科学」を見事に象徴している。
 そもそもは人々に幸福と生活の豊かさを与えるために生まれ、20世紀後半の繁栄を支えてきたはずなのに、40年ほど経って年を取り身体にガタが来て、そろそろリタイアかと考えているところに運悪く天災。うっかり爆発して放射能を漏らしたことで、今までの成果も実績もすべて水泡に帰し、人々に疎まれ恐れられたうえ、存在そのものを否定されつつある。

 そして、今、君が懸命に尽くしてきた人間たちは、君を殺す(停める)ことに必死だ。原子炉を擬人化するのは科学的でない。そんなことは百も承知だが、そんな満身創痍の姿を見ていたら、なんだか泣けてきた。
 君よ、安らかに停まりたまえ。君のために涙を流す人も、きっといるから。

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コメント

 ほんと。とにかく収束してほしい。

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