夢詠み夢返し
本日より秩父で二十絃作品集のレコーディングの予定だったのだが、震災によるホールの損傷で延期。
プレイアデス舞曲集の箏DUO版、二十絃SOLOのために新しく書いた「夢詠み」「夢返し」など、いずれも「夢」をテーマにしたシリーズなのだが、これだけ巨大な悪夢の前では無力。
すべてを良い夢にたがえる強力な「夢違え」の呪歌を心から待ち望むしかない。
ちなみに、今回の震災の被害範囲は極めて広く、東京近郊の音楽ホールもいくつか大きな被害を受けている。
中には天井が崩れ落ちる(さいわい観客がいなかったので人的被害はゼロ)という凄まじい被害を被ったものもあり、その写真を見るとコンサートに行くことが怖くなるほどだ。
でも、音楽がある…ということは、そこに安全と喜び(即ち「生命」)がある…ということ。
逆に言えば、音楽の役割は人々に「ここに生命がありますよ」と知らせることなのだ。
だから音楽はくじけない。
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実は地震の前日、ここのホールにいました。
田部さんのプレイアデスのCDも飾ってありましたね。
N響の吉川さん(Tb)の録音で、昼食の後に整体しましたが、
翌日だったら二泊コースでした(^^;)
現場からのレポートです。
当日13時半頃、前日お休みだった蕎麦屋にお昼を食べに山を下り、
14時過ぎにホール帰着、暫く休息して「さあ、ラスト7分ぶん!」というところでグラっときて即停電、非常用発電機が作動しました。
あそこは、山上全体に複数の音楽・スポーツ・レクリエーション設備が散らばる総合施設なのですが、それら全てに給水する設備があるのだそうです。
その設備には震度7を感知すると作動する安全装置がついていて、それが作動していたのだそうで、地層の具合か地震波の干渉現象か分かりませんが、局所的に震度7くらいあったのかもしれません。
本震後に、ホール建屋と周辺の地面とで、所によっては10センチ以上の段差が生じていました。
またホール建屋は、舞台機構のある我々がいた側の地下に機械室があるため、舞台側を軸にゆすられたようで、事務所の棚は倒れ、デスクは動いて配置が変わり、机上のあらゆるものが床に落下・散乱、エントランスロビー天井裏の配管が破損して漏水がおこるなど、エントランス側の方がひどく揺れたことを思わせる事象が多数見られました。
舞台側は概ね無事でしたが、舞台上手天井に埋設されている換気扇が躯体ごと抜けかかり、天井に張られている石膏ボードの破片が、上手舞台面の半径1~2メートルの範囲に飛散していました。
ピアノは鍵盤側のキャスター2個をロックして固定するので、ロックがなく荷重も軽い鍵盤と反対の側が、一番荷重のかかる鍵盤高音側の脚を軸にして、舞台奥に1メートル以上走っていました。
モニタールームでは、スタンド上のスピーカーが幸いにも直接床に転落しただけで、他の機材に損傷はないように見受けられました。
ただ、データをセーブしていない状態で電源が落ちましたので、最終日に録った分は、全ておシャカだったかもしれません。
投稿: 養氣閣 | 2011年3月30日 (水) 23:30