フォト

Home page

お知らせ

  • 音楽館
    作品視聴…映像付き
  • 楽譜出版《ASKS.orchestra》交響曲,協奏曲,室内楽などのスコアを電子版(PDF)で販売中。海外向け→**
    出版作品一覧→***NEW
  • 《図解クラシック音楽大事典》(学研)イラストとまんがでオーケストラや楽典から音楽史までを紹介する掟破りの入門書。旧〈音楽大事典〉の超大幅改訂復刻版。
    作曲は鳥のごとく》(春秋社)自らの作曲家生活を綴った独学の音楽史@2013年3月刊
    《調性で読み解くクラシック》(ヤマハ)調性および音楽の謎を楽理・楽器・科学・歴史から読み解く文庫版入門書。

リンク

« 2011年6月 | トップページ | 2011年8月 »

2011年7月

2011年7月31日 (日)

歯車

Gear 作曲……というのは、頭の中で「歯車」を組み合わせ続けるような行為だ。
 ひとつの歯車が回転している所に、次の歯車をかみ合わせる。そして、その歯車をまた次の歯車とかみ合わせる。

 いくつもの歯車がうまくかみ合って、メカニズムがなめらかに動き出した時、ちょっぴり「何かを達成した」気分になれる。(そう言えば、かの大バッハもそんなことを言っていた気がする)

 でも、それはそれだけのことであって、そこにどうして「悲しみ」とか「喜び」といった情緒が混じるのか、実を言うと未だによく分からない。
 分からないまま歯車は、今日も悲しみと喜びを放射し続ける。

 考えてみると、実に不思議なことだが、そのことについて深く考えてはいけない。
 我に返ったら、おしまいだからだ。

2011年7月29日 (金)

大河ドラマテーマ曲第3稿

Taigaa 大河ドラマテーマ曲第3稿をすすめる。2分半とは言えフルオーケストラのスコアなので、夏場の作業は本当に身体に応える。

 そもそも、書き上げてしまったら最後、泣いても笑っても「とにかく1年間50回毎週テレビから流れてしまう」音楽なわけで・・・

 生まれる前からそういう宿命の曲というのは、なんと言うか、自分の子であってそうでないような・・・(v_v)

 ちなみに、ドラマ本編の方も、この8月にいよいよクランクインなので、台本もそろそろ決定稿が届き始める。

 ロケは、岩手県奥州市の「藤原の里」という処で始まるそうで、エキストラも募集中とか。興味のある方はどうぞ。

2011年7月27日 (水)

初セミや

Semi 朝、今年初めてのセミを聞く。

 私の人生で「夏」というのは、ほとんどすっぽり記憶がない空白期間だ。

 音楽業界も夏は一応「夏休み」だが、休みが明けると必然的に「〆切」がやってくる。
 ということは、作る側の作曲家としては、世間が夏休みの間の数ヶ月に、逆にフル稼働で仕事をしなければならないことになる。

 結果、物心ついてから「夏」というのは、とにかく「クーラーだけ付けた暗くて狭い部屋」にこもって太陽も見ずに毎日毎日スコアだか原稿だかをせっせと書くだけの「お籠もり期間」。
 避暑地などに行く余裕もなく、そもそも外にも出ないし、人にも会わないのだから、記憶などあるわけもない。

 そして、気が付くと秋になっていて、夏の記憶を喪失していることに気付く。…と、そんなことをかれこれ40年ほどやっている。

 いや、夏だけでなく、人生のかなりの部分、記憶がないような気もするが…
 私の場合、その間に書いたらしい交響曲だの協奏曲だののスコアが、失った記憶の遺物として残っているから、まだましだ。

 セミは、もっと怖ろしい〆切に追われて、今、夏の記憶を残そうとしている・・・

 不憫というか、切ないというか・・・

 ・・・やかましいというか…(v_v)

2011年7月24日 (日)

アナログ放送終了

Tvxb 本日正午で、テレビのアナログ放送が終了した。

 NHKの地上波テレビ放送が始まったのが1953年(昭和28年)2月なのだそうで、(何を隠そう)私とひと月違いの同い年・・・

 家にテレビが来たのは(さすがに記憶が定かではないが)おそらく1959年(昭和34年)頃。もちろん白黒である。

 これで、最初のアニメ版「鉄腕アトム」(1963年)から、最初期のNHKの大河ドラマ(1963年の「花の生涯」、64年の「赤穂浪士」)までリアルタイムで見ているので、まさに半世紀以上の付き合いだ。

 ・・・というわけで、同い年の旧友の定年退職に、ちょっと感慨無量。

2011年7月22日 (金)

不忍池

Uenos 上野に出る。

 連日の異様な暑気の中、ひさしぶりの(本当にひさしぶりの)涼しくまともな日だったので、弁天堂から不忍池をぐるりと散策。

 やはり人間、歩かないと駄目なようだ。このところ何となく濁っていた頭の中の音楽が、少し整理できたような気がする。

2011年7月21日 (木)

OSX Lion

Lionos_2 MacのOSX「Lion」(10.7)へアップデート。

 ネット経由でApp Storeからダウンロードして即インストール…というのが便利。
 インストールも(知らない間に自動的に…というくらいの印象で)至極簡単だが、時間は30分ほどかかるので、その間コーヒータイムが必要。

 ちなみに、昔は、MacのOSが新しくなっても、すぐアップデートはしなかった。なぜなら必ず動かなくなるアプリケーションが大量に出てくるから。
 OS8とか9およびOSXのように大きく変わったときは、使っているアプリが全滅するほど凄まじかった。

 最近は、そういうことは少なくなったが、今回のOSX Lionでは、インテルMacになる以前から騙し騙し使っていたアプリ数種があえなく昇天。

 中では、古参の(もう販売中止になってしまった)ワープロソフトEG-Wordが遂に開けなくなってしまったのが悲しい。(なにしろ20年分の原稿がこのアプリで書かれ保存されているので…)

2011年7月19日 (火)

雨の打ち合わせ

Taifu ここ数年で最大級の巨大台風来襲!…と脅かされた割には(東京は)さほど雨脚もひどくなく、拍子抜けな一日。

 午後、新しい本の出版の打ち合わせ。美術・音楽・文学などの入門ガイドブック・シリーズの一冊として「クラシックの作曲家ガイドブック」のような入門書を…という(出版社から持ち込みの)企画。

 著者(私)が文章やイラストをすべて書き下ろす…という作り方ではなく、編集の方でシリーズのフォーマットに沿った項目や図版&イラストなどをある程度作り込み、内容について「監修」的な役割で参加するという形(らしい)。

 まだ、最終的にどういう本になるかフレキシブルだが、今年度(来年3月まで)の完成を目処に、まずは制作の第一歩。

 
 夜は、NHKで大河ドラマの打ち合わせ。 
 タイトル曲の第2稿と、劇中の舞楽(雅楽伴奏で登場人物が踊るシーンの音楽)についてのブレーンストーミング。

 ・・・(v_v)

2011年7月18日 (月)

なばりの三ツ

Cdsawai 箏の沢井一恵さんの新譜「THE SAWAI KAZUE」(邦楽ジャーナル:HJCD-0006)届く。

 2曲目に十七絃のために書いた拙作「なばりの三ツ」(1992)が収められているのだが、この曲を沢井さんは(東日本大震災をふまえた)独自の思いを込めて演奏したそうだ。

 十七絃の野太く原始的な(低音の)呪詛の響きを強調(実際、原調より3度低く調弦)したその演奏は、確かに鬼気迫るものがあり、コントラバスとの呪術的な儀式のような西村朗「覡(かむなぎ)」、呪文のような唄と共に演じられる高橋悠治「畝傍山」、プログレッシヴ・ロックのような十七絃デュオの沢井忠夫「めぐりめぐる」ともども、暗い情念にまみれた呪術的な音の世界が(録音の良さも相まって)火花のように展開する。

2011年7月17日 (日)

山鉾巡行&作曲進行

Gion2011 祇園祭の山鉾巡行のニュースをテレビで見ながら、大河ドラマのテーマ曲テスト版第2稿のスコア書き。

 前回書いたテーマ曲第1稿は、正攻法&直球勝負の「いかにも大河ドラマ!」という曲だったのだが、サンプル音源を聴いたディレクター氏から「これじゃ大河ドラマッぽすぎますよね〜」と言われ、あえなくボツに。
 いや、大河ドラマだから大河ドラマっぽくてもいいのだが…まあ、確かに「(聞き慣れた)伝統的王道路線」と「(聞き飽きた)いつものパターン」は紙一重。

Scorev ちなみに、大河ドラマのテーマ曲の伝統は〈NHK交響楽団が演奏する2分半のオーケストラ曲〉が基本で、そこにソロ楽器だの邦楽器だのを加えるのが王道。

 ここに、制作サイドから「今回○○はXXにしてください」とか「△△は□□で」(詳細は企業秘密)というような色々な注文が交錯し、さらに「☆☆は※※になりました」とか「◇◇は♀♂でお願いします」というような諸事情が絡み合うのが(御意見無用の)「純音楽」とは違うところ。

 というわけで、暑さでふらふらになりながら「ちょっと違う方向」の第2稿を書き下ろし中。

2011年7月15日 (金)

CDピアノ作品集録音セッション

Cdpianoa 埼玉県三芳町の〈コピスみよし〉というホールで、CDピアノ作品集の録音セッション。
 ピアノ:河村泰子さん、録音:カメラータトウキョウ。

 第1日目は、
 ・4つのロマンス〜ヴィヨンの妻より
  …映画「ヴィヨンの妻」の音楽よりタイトル曲、エンディングなど4曲をピアノ用に書き起こしたもの。10分ほどの小品集。
 ・6つのヴィネット(新作・初録音)
  …数年前、河村さんのリサイタルのために書いた「4つのヴィネット」に今回新たに2曲ほど加筆したもの。プロのピアニスト仕様の(要するにちょっと難しい)性格的なピアノ曲集。全6曲17分ほど。
 ・2つのアヴェマリア(編曲)
  …アンコール用に需要の多いカッチーニとシューベルトの「アヴェマリア」のピアノ編曲版。

Cdpianob 第2日目は、
 ・タピオラ幻景(左手のための)
  …舘野泉さんのために書いた左手のためのピアノ組曲。両手で弾いても良いのだが「絶対、左手だけで弾きます!」と気迫の演奏。全5曲で20分ほど。
 ・青い神話(初録音)
  …17歳の時(1970)に書いた初めてのピアノ曲集。もちろん初録音…どころか初演奏。全5曲で10分ほど。40年以上前、高校生の時に書いた曲なのに、現在の作風とあまり変わらないのが怖い…(v_v)

 今年末12月くらいに(5月に録音した)二十絃作品集と同時発売予定。
 楽譜も出版企画中。乞うご期待。

2011年7月13日 (水)

お盆とピアノ

Summerd 灼熱の太陽の下、母のお供でお寺の盂蘭盆会へ。

 むかしは「冬は冷房、夏は暖房!」という本堂で(しかも正座を我慢して)の会だったが、さすがに昨今それでは病人が出かねない。
 というわけで、冷房の効いたお堂で椅子に座っての一時間。

 ただし、外に出ると真夏の日差し・・・
 日差しというより殺人光線のようなレベルだ。

Studiom 夕方、日比谷のスタジオで、明日から始まるピアノ作品集のCD録音のリハーサル(ピアノ:河村泰子さん)。

 終わってから、CD会社・出版社の方々と打ち合わせつつ(ひさしぶりに)有楽町でビールを飲む。

 夜になると、いくぶん風が涼しくて救われる。

2011年7月11日 (月)

FMシンフォニーコンサート7月後半分作成

Fmsymq NHK404スタジオでFMシンフォニーコンサート7月後半分2本の解説を収録。

 7月24日(日)放送分は、宮崎アニメの音楽で有名な久石譲氏の指揮で、藤澤守(久石さんの本名)「5th Dimention」、ベートーヴェン「交響曲第5番」「交響曲第7番」の3曲。
 希代のメロディメイカーにしてアレンジャーでもある氏のこと、原曲のまま演奏するのではなく何か仕掛けがあるのか?と勘ぐったが、見事なほど正攻法で伸び伸びした指揮ぶりに逆に感心。
 名曲の前座に書き下ろされた新作は「宮崎アニメの音楽」風なものを期待する聴衆にはちょっと難しそうな現代曲だが、それでも氏の新しい作品を聴きたくて人が集まり、クラシックの名曲に聴き惚れて帰るのだから、オーケストラの「啓蒙」としては充分。

 そもそも氏を代表格として、映画やアニメの世界には才能のある作曲家が結構いる(…というより、才能のある人は、ちゃんとお金になるそっちに流れてしまっている)。みなさん、是非クラシックコンサートのための本格的な作品を書いてください。そして、一緒にビンボーになりましょう!(*^^)v

 7月31日(日)放送分は、ヴィヴァルディ「四季」(vn:川久保賜紀)、モーツァルト「交響曲第40番」。ダン・エッティンガー指揮東京フィル。
 四季の第2曲「夏」、かんかん照りの日差しの下をふらふらと歩く人たち…という描写が身に染みる。ヴィヴァルディも、まさか東京のこんな猛暑は想像すらしていなかったのだろうが、ちょっと殺意すら感じるこの暑さには、第3楽章ト短調「夏のきびしさ」がぴったり。

 かくして、収録が終わり、かんかん照りの暑さの中をふらふらと家路につく。
 ・・・・・暑い。

2011年7月10日 (日)

音楽のもう一つのチカラ

Music Blog「月刊クラシック音楽探偵事務所」7月号更新。

 今回は、夏休み特集第1弾「音楽のもう一つのチカラ」。背後霊(BGM)としての音楽の効能についての雑感&つぶやき。


 それにしても暑い。梅雨が明けて、いきなりここまで猛暑になると、北の香りがする涼しげな音楽…を聴くくらいでは全く納涼にならない。
 ここは、毒をもって毒を制すで、真夏に敢えて激辛料理を食べる如く、過激な前衛サウンドに身を浸すに限る。

 というわけで、3つのスピーカーからシュトックハウゼンの「グルッペン」と「コンタクテ」と「少年の歌」を重ねて流し、それにブーレーズの「ル・マルトー・サン・メートル」をランダム・シャッフルするという(捨て身の)荒技で納涼中…(@_@;)

 いいね。脳の片隅がちりちりして思考が凍結してゆく・・・

2011年7月 7日 (木)

七夕・・・

Tnbt

2011年7月 5日 (火)

帰京&打ち合わせ

Dramak ふたたび暑き東京にてお仕事。

 まずジャパンアーツで、今月発売される佐村河内氏の交響曲第1番のCD(DENON)への推薦ビデオコメント収録。

 そのあと、NHKで大河ドラマ音楽の打合せ。
 サンプル楽曲のCDを参考にして、主題テーマ曲の方向性や、舞楽のシーンの音楽、オーケストラや雅楽など録音の段取りやバランスなどについてディスカッション。

 なにしろ丸一年全50回のドラマなので、単純計算で一回ごとに12曲ほど音楽を入れるとして全600曲。各曲2分平均として20時間前後の音楽が必要。
 しかも、好き勝手に書けるわけではなく、どういう編成のものをどういう分量どういう段取りで収録してゆくか、予算および時間と相談しつつ作ってゆかなければならないわけで・・・大変・・・(=_=)

          *

1000111 そうそう、本日、当ブログのカウンターが〈100万〉の大台を突破しました。

 ご愛顧に感謝。

2011年7月 3日 (日)

夏の京都

Kyotohr 大阪でのリハーサルの後、京都に寄って「清盛」ロケハン第2弾夏の京都編。

 まずは、清盛の時代に平家の館があった〈六波羅〉至近のホテルに泊まり、平安京の当時に思いを馳せつつ、今までもらった台本8回分を読み返す。(もちろん今は館の片鱗すら残っていないのだが、都の中での位置関係はなんとなく感じられる…)

 すぐ隣の清盛ゆかりの三十三間堂、後白河法皇ゆかりの法住寺なども回るが、あまりの暑さに1時間ほど歩くとへとへとになる。さすがに夏場は広範囲のロケハンは無理か・・・
 夜は三条木屋町の「圓」という料理屋で一杯。

Gioji 翌日は、嵯峨野の祇王寺を訪ねる。清盛が愛した白拍子〈祇王〉ゆかりの寺。
 こちらは六波羅とは正反対の京都のはずれに位置し、庵の中に清盛公の小さな座像と、庭にこれも小さな供養塔がある。

 それにしても、こうして「清盛ゆかりの」という場所を探るたびに、彼の痕跡が(かなり意図的に?)歴史から抹殺されている不思議さを改めて感じる。

 革新的で合理的ながら暴走気味(かつ絶頂期に急死)という点では信長の先駆であり、その後徳川政権にまで連なるサムライの時代の始祖なのだから、もっと高い評価を得ても良さそうなものなのに・・・・と、最近すっかり頭が「平家びいき」になってる。

2011年7月 1日 (金)

ピアノ・リハーサル

Muramaz 新大阪のムラマツリサイタルホールで、CDピアノ作品集のリハーサル。ピアノは(前作アトムハーツクラブの敏腕ピアニスト)河村泰子さん。

 今回は「プレイアデス舞曲集」などとはまた違った多彩なキャラクターによるピアノの多元宇宙。書き下ろしの「6つのヴィネット(仮)」、映画「ヴィヨンの妻」からの4つの断章、17歳の時に書いたピアノ小組曲「青い神話」、左手のピアノのための「タピオラ幻景」などを収録予定。

 それにしても、やさしい小品のつもりで書いた曲が実は死にそうに難しかったり、物凄く難しいかと思っていた曲が何だかとても弾きやすかったり、ピアノの世界はなかなか奥が深くて面白い。
(まあ、弾いている方は〈面白い〉じゃすまないのでしょうが・・・)

 録音は今月中旬。

« 2011年6月 | トップページ | 2011年8月 »