初セミや
私の人生で「夏」というのは、ほとんどすっぽり記憶がない空白期間だ。
音楽業界も夏は一応「夏休み」だが、休みが明けると必然的に「〆切」がやってくる。
ということは、作る側の作曲家としては、世間が夏休みの間の数ヶ月に、逆にフル稼働で仕事をしなければならないことになる。
結果、物心ついてから「夏」というのは、とにかく「クーラーだけ付けた暗くて狭い部屋」にこもって太陽も見ずに毎日毎日スコアだか原稿だかをせっせと書くだけの「お籠もり期間」。
避暑地などに行く余裕もなく、そもそも外にも出ないし、人にも会わないのだから、記憶などあるわけもない。
そして、気が付くと秋になっていて、夏の記憶を喪失していることに気付く。…と、そんなことをかれこれ40年ほどやっている。
いや、夏だけでなく、人生のかなりの部分、記憶がないような気もするが…
私の場合、その間に書いたらしい交響曲だの協奏曲だののスコアが、失った記憶の遺物として残っているから、まだましだ。
セミは、もっと怖ろしい〆切に追われて、今、夏の記憶を残そうとしている・・・
不憫というか、切ないというか・・・
・・・やかましいというか…(v_v)
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おやかましうございました・・・
投稿: semi | 2011年7月28日 (木) 09:45
「春 はじめてのカッコウを聞いて」
「夏 はじめてのセミを聞いて」
…秋、冬はなんでしょうか?
投稿: kazu | 2011年7月28日 (木) 10:40
↑
ディーリアスとの落差にワロタ
投稿: 月注斎 | 2011年7月31日 (日) 09:44