なばりの三ツ
箏の沢井一恵さんの新譜「THE SAWAI KAZUE」(邦楽ジャーナル:HJCD-0006)届く。
2曲目に十七絃のために書いた拙作「なばりの三ツ」(1992)が収められているのだが、この曲を沢井さんは(東日本大震災をふまえた)独自の思いを込めて演奏したそうだ。
十七絃の野太く原始的な(低音の)呪詛の響きを強調(実際、原調より3度低く調弦)したその演奏は、確かに鬼気迫るものがあり、コントラバスとの呪術的な儀式のような西村朗「覡(かむなぎ)」、呪文のような唄と共に演じられる高橋悠治「畝傍山」、プログレッシヴ・ロックのような十七絃デュオの沢井忠夫「めぐりめぐる」ともども、暗い情念にまみれた呪術的な音の世界が(録音の良さも相まって)火花のように展開する。
« 山鉾巡行&作曲進行 | トップページ | 雨の打ち合わせ »
「本CD映画etc」カテゴリの記事
- 帰ってきたあぶない刑事(2024.05.25)
- CD:チェロ協奏曲:ケンタウルス・ユニット(2024.03.06)
- チェロ協奏曲の夢(2024.01.19)
- ゴジラ-1.0(2023.11.03)
- CD宮田大「VOCE」(2023.10.23)
コメント