渦巻き鳥組曲
夏のもう一つの大仕事、ホルンとピアノのための組曲(福川伸陽氏委嘱作品)の作曲を再開する。
ホルンはカタツムリに似ている…とは昔から思っていたことだが、「Horn = Snail」ネタは以前ユーフォニウム(Euphonium)の作品(外園祥一郎氏委嘱による「メタルスネイル組曲」)でやってしまったため、今回は「スパイラルバード(渦巻き鳥)組曲」と命名。
新しい楽器の名手が登場し、思いもよらなかった曲が生まれる…というのは作曲家という仕事の面白さの最たるものだ。
むかし、須川展也氏にサクソフォンの曲(ファジーバード・ソナタ)を書いたときがそうだった。彼に新曲を頼まれるまで「サクソフォンの曲」を書こうなどと一度も思ったことはなかったし、サクソフォンという楽器の印象は「ジャズの楽器」というだけだった。
さらに、出来上がって楽譜にしたときも「こんなメチャクチャな曲を人間が吹けるんだろうか?」と思った。演奏した須川氏も初録音のスタジオで「(部分的には吹けても)全曲続けて吹くのは無理」と肩で息をしながら言っていたほどだ。
しかし、あれから20年。現在ではサクソフォン・コンクールの課題曲としてみんな普通に吹いている。演奏の進化というのは怖ろしい。
今度の曲もよく似ていて、そもそも福川伸陽氏がぱかぱかとホルンで「ラプソディ・イン・ブルー」を吹きまくるのを聴くまでは、「ホルンの曲」を書こうと思ったことは(ホルンが入る室内楽曲は幾つか書いているものの)なかった。それに、今、ある程度まで楽譜を書き終えて「こんなメチャクチャな曲を人間が吹けるんだろうか?」と思っている。
さて、どうなるか楽しみである。
もちろん、ホントに「吹けませんでした」というオチになる危険性も高いのだが・・・
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