題名のない音楽会
題名のない音楽会(テレビ朝日)「調性って何?・フランク交響曲ニ短調」に出演。
調性オタク:フランク先生の交響曲を取り上げるに当たって「調性とは何か?」を解説して欲しい、と言われたものの30分番組ですべて話すのはとても無理。そこで、「倍音」の話も「音階」の話も「#♭」の話もすっ飛ばして「色」という視点で取りまとめることに。
ハ長調からロ長調までを無理やり「虹の七色」にこじつけて、フランクの曲の転調に合わせて照明で表現する…というのは(スクリャービンもやっていたが)まさにテレビ的。調性の変化が実際に「色彩」として見える人(共感覚という)には、あんな風に音楽が「見える」わけだ。(ちなみに、私には音符しか見えない)。元ネタとなった著書はこちら
余談だが、収録は東日本大震災からひと月ほどしかたっていない4月の中旬。いつ大きな余震があるか分からないので、本番前スタッフが「揺れませんように」と舞台袖でお祈りしてからの収録だった。
◇追記
調性やハーモニーは、音楽の基本中の基本でありながら
・音楽的(#♭とか和声法とか)
・科学的(波形とか自然倍音とか)
・感覚的(明るい暗いとか、色彩とか)
の3つを統合する視点がまだない。
その理由は簡単で、音楽家は音楽を科学で割り切られることを極端に嫌い、一方で、科学者や研究者は数値や公式化できない感覚や感性を基本的に信じないからだ。そのせいもあって、未だに「音楽」を語るいかなる単位も、検出するいかなる測定器も存在しない。
だとしたら、その全貌を見据えるには、両方に属さない怪しげな立場(素人探偵)の視点から、胡散臭い理屈(思いつきと状況証拠の積み重ね)で解いてゆくしかない。それが「作曲家(もっとも怪しい音楽家であり胡散臭い科学者)」の視点だったりするわけだ。
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