ミキシング作業2
NHK604スタジオで大河ドラマ「平清盛」本編音楽のミキシング&マスタリング作業の続き。
テーマ曲は〈最終兵器〉を仕込んだ最後の完成形が姿を現し、ドラマ全体のキイとなる「歌」の音楽や、仕掛けを施した舞楽の音楽などが固まってゆく。
色々な音素材を最新機材を駆使してミックスしてゆく作業は、何だかプログレのアルバムでも作っているみたいな感じだ。
余談ながら、今回の音楽制作にかける予算(音楽費)の規模は、さすがに大河ドラマともなると、そこそこの額。(もっとも、1年50回のシリーズということを考えると、必ずしも潤沢な予算ではないのだが…)
ここから、オーケストラ(1回使うとサラリーマンの平均年収ほどの費用がかかる)や演奏家や指揮者の出演料、スタジオ(NHKの場合は放送センターがあるのでスタジオの心配だけはない)や録音にかかる費用、演奏パート譜の作成費(これが結構大変で、軽く国産車が買えるほどかかる)などなどの経費が引かれてゆき、作曲家の取り分(作曲料)は最後に残った金額になる。
つまり・・・大きな編成や音符の多い曲を気張って書けば書くほど、作曲家の「取り分」はがくんがくんと減ってゆくわけで・・・(T_T)
「オーケストラを書くと貧乏になる」というのは、クラシック音楽界だけではなく、映画テレビ音楽界でも通用する〈不滅の法則〉らしい。
というわけで、この種の音楽のプロを目指す方(少なくとも「利益」を挙げたいと思う方)は、自分でピアノを弾き、シンセ&パソコン打ち込みの曲を自宅で作れるようにし、最低でも自分で指揮することを心がけ、やや内角を狙い、えぐり込むように打つべし。(…明日のために、その1より)
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