散歩雑感@夢は枯れ野を
近くの公園を散策しながら「宇宙人に音楽は分かるか?/ロボットに音楽を教えることが出来るか?」という妙なテーマの本についての構想を練る。
先日、その出版打合せで、(そういう話に乗ってくれそうな)理系の作曲家として別宮貞雄さんの名前が出たのだが、その翌日訃報を聞く。享年89。
別宮さんは、東京大学理学部を卒業してパリ音楽院で学んだ理系&理論派の作曲家。しかし、戦後の無調や前衛の「一見理系で理論っぽい音楽」を批判して、「調性」の美しさやロマン的表現を固守した(「現代音楽撲滅運動」のパイオニアと言うべき)大先輩である。
歯に衣着せぬ論客として恐れられる一方、現代音楽協会の委員長を務めるなど、後輩作曲家たちの面倒見もよく、私も、デビュー作「朱鷺によせる哀歌」を世に出すにあたっては大きなフォローをいただいた。
先日は、林光さん(大河ドラマ「国盗り物語」「花神」「山河燃ゆ」も担当された大先輩)の訃報も聞き、作曲家の老後について悶々と思いを馳せていたところへ、ベートーヴェン晩年の手紙が見つかったというニュース・・・
第9交響曲や荘厳ミサ曲を書いている(絶頂期のはずの)52歳頃に書いた手紙なのだが、中身は、お金がなくて大変であること、作品が売れないので買い手を見つけて欲しいこと、目が悪くなり病気がちであることなど窮状を訴えるものだそうで・・・
・・なんだか泣けてきてしまった。
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