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NHK503スタジオで、FMシンフォニーコンサート3月分後半2回の収録。
3月25日(日)放送分は、ロッシーニ「泥棒カササギ」序曲、ハチャトリアン:ヴァイオリン協奏曲(vn:木嶋真優)、チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調。高関健指揮東京フィル。
4月1日(日)放送分はウィーン特集で、シュトラウスのワルツ「酒、女、歌」「ウィーンの森の物語」ほか、映画「第三の男」から2曲(ツィター:河野直人)、ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」。大町陽一郎指揮東京フィル。
この回で「FMシンフォニーコンサート」は終了。次回からは毎週日曜日19:20〜20:20の一時間番組「ブラヴォー!オーケストラ」と改名して再登場の予定。どうぞ引き続き御贔屓に。_(_^_)_
渋谷のタワーレコードで、CD「ヴィネット」発売記念インストアイベント。トーク&サイン会。
河村泰子さんのピアノで、6つのヴィネットから「時のロマンス」、大河ドラマ紀行の音楽「夢詠み…紀行」、シューベルト「アヴェマリア」…という3曲のミニコンサート付き。
彼女は関西弁トークを始めると面白いのだが、今回は一応キレイ系のアルバムなので「ネコかぶります♡」ということで封印。
2日間で22曲録音するというハードさに、思わず「ウミガメが卵産んでるみたいな気分…」と言った話とか、録音2日目の朝に「目が腫れてひどい顔になっちゃって」と呟いたら「顔は録音しないから大丈夫」と言われた話とか…。(^_^)b
日曜版「赤旗」(2月26日:文化欄)および「男の隠れ家」(4月号:Person of Month)にインタビュー記事掲載。
夜、FMシンフォニーコンサート放送。尾高尚忠「フルート協奏曲」ほか。同じく、大河ドラマ「平清盛」第8回「宋銭と内大臣」放送。
最近、日曜日が「濃い」・・(=_=)
日本版は、今までのe-frontierに代わってMI7(エムアイセブン)からの供給。2011版以前からのユーザーは登録情報などが自動的に移行されているので,販売代理店が代わったと言うだけで使用環境は変わらず。
しかし、今回のように販売代理店が代わると一瞬どきっとする。なにせ、ここ15年ほどの曲はすべてFinale作成なので、このソフトがなくなってしまうとアウト。
数年前に、EGWordというワープロソフトの会社が無くなった時、デビュー以来20年分の原稿がほとんど開けなくなって偉い目にあったが、その悪夢が頭をよぎる。
紙の本や楽譜なら燃やさない限り一瞬にして消えるなどということはないが、ディスクやネット上のデータは,人間が一生かけて書いたものでも巨大図書館一軒分でも、あっと言う間に音もなく消えて跡形も残さない。
データのバックアップは必須だが、複数の形式での保存など(もしもに備えた)危機管理も必須だ。
色…と思えど、それ即ち「空」。
コンピュータ&ネットの時代になって改めて古き仏教の教えが身に染みる。
CATV(チャンネル銀河)で、大河ドラマ「秀吉」(1996)の再放送を録画して見ているのだが、これがなかなか面白い。16年前の当時ももちろんリアルタイムで見ていたのだが、改めて見ると現在の「平清盛」と演出上の類似点が多くて興味津々・・・と思っていたら今回のチーフ演出の柴田岳志さんがしっかり参加しているのだった。
オープニング映像が共に〈少年が走る〉という絵柄なのも共通だが、それよりなにより出世前の秀吉(竹中直人)がとにかく汚い(笑)。百姓の出で「猿」とまで呼ばれる御面相なのだからしょうがないのだが、浅黒い顔で目をむいて口から唾を飛ばしての大熱演(…おかげで、以後、秀吉というとまず彼の顔が思い浮かぶほど強烈なキャラクターだ)。これが後半、天下を取ってからは贅沢かつ豪華を極める太閤殿下になるわけだから、その落差も似ている。
そもそも、この二人、異例の出世でのし上がり、栄華を極めた後に悪評をまき散らしながら病死、主を失った家は次世代の天下人の手にかかってあっさり滅亡……と顛末まで同じ。それなのに、なぜ秀吉=人気者、清盛=悪者として日本史に残ってきたのか。考えてみると不思議な話だ。
NHK404スタジオでFMシンフォニーコンサート3月前半分2本の収録。
3月4日(日)放送分は、シューベルト:交響曲第8番「未完成」、第9番「グレート」。上岡敏之指揮東京フィル。
3月11日(日)放送分は、ムソルグスキー「禿げ山の一夜」、メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」(vn:三浦文彰)、リムスキー・コルサコフ「シェエラザード」。小林研一郎指揮東京フィル。
シューベルトの交響曲は、最新の研究では「未完成」が第7番、「グレート(ハ長調)」が第8番。NHKの放送でもその基準で楽曲紹介しているのだが、私の中ではいまだに未完成は「第8番」グレートは「第9番」だ。
しかし、1番から6番は20歳前の習作で、未完成が25歳頃の作。シューベルトとしては続く28歳頃の作と思われるハ長調(グレート)を第1番として、交響曲作家のキャリアを積み上げていきたかったのではなかろうか。(なにしろ31歳という若さで死んでしまうとは夢にも思わなかっただろうから)
かく言う私も、26歳の時に未完成交響曲を書いている(「ドーリアン」がその時のフィナーレ)。続く33歳の時の「鳥たちの時代」も元々は3楽章の交響曲として構想されたものだから、最初の未完の交響曲を第1番としていたら、現在の第5番は「第7番」になっていたわけだ。(とすると、次に書くのが第8番?。ちょっとイメージが違う気が…)
私ですらそうなのだから、シューベルト先生も、自分が書いた「未完成」が下界で「第7番」と呼ばれていると知ったら「え?ええ?」と戸惑うだろうな、と想像すると面白うて……
……やがて悲しい。
私は、慶應義塾高校→大学工学部と経歴だけは〈KOボーイ〉だが、実は「部活動にオーケストラがある!」というだけの理由で(密かに自分の交響曲を演奏させるという陰謀を胸に)塾高に潜り込んだ異分子。
そもそも受験直前まで慶應に高校があることすら知らなかったし、工学部に進学したのも、学内にあるコンピュータ目当て(当時はコンピュータを個人で持つことなど有り得ない時代でした)。
しかし、その当てが外れたのと「中退」という学歴が欲しかったのとで1年であっさりドロップアウト。・・・あまり大きな顔で「慶應出身」は名乗れない身である。
おかげで、慶應時代のことをいろいろと訊かれても、そもそもあまり記憶がないのと、当時の行動原理の説明が難しいのと、何となく後ろめたさがあるのとで、どうも〈殺人事件の日のアリバイを聞かれてオドオドしている挙動不審な容疑者〉みたいな受け答えになってしまうのでした。
先日、実家で取っているA新聞が「1年間の購読更新」のお願いにやってきた。
父親の代からそれこそ50年以上取っている新聞なので、別に購読延長は構わないのだが、老齢の販売員氏がまた「4月から1年間ッ。お願いしますッ」と妙に真剣。
で、ついうっかり「いいですけど、来年の4月にまだ〈新聞〉ってあるンでしょうかね〜」と軽口を叩いたところ、「うわー、そんなこと言わないでくださいよ〜」と焦り顔に・・・…>_<…。
昔は最大時(父と合わせて)4紙ほど取っていたが、今はこの1紙のみ。そもそも紙媒体の新聞雑誌の類を最近ほとんど買わなくなった。
高校時代は「本虫」と渾名されたほど文字中毒の私ですらこうなのだから、本の未来がどうなるか、予断を許さない。
ただし、iPadでネット経由の新聞は数紙購読しているし、雑誌もアプリで何誌も読んでいるから、文字情報を読む習慣が減ったわけでもない。
まあ、「書道」などがあるお国柄だから、紙媒体が絶滅することはないだろうが、新聞は・・・おそらく後数年で・・・もごもご
大河ドラマの音楽の中からいくつかの曲をピックアップして、左手のピアノのための〈遊ぶこどもの情景〉(仮題)を制作中。
先日、高崎で舘野泉さんにお会いした時、「平清盛がらみでリサイタルの時に弾ける曲があるといいんだけど…」という呟き(注文?)を受けたもの。
まあ、「遊びをせんとや」や「夢詠み」は入るとして、全部で4曲…くらいか。いや、もう少し増えるかも知れないし、逆に減るかも知れないし・・・
ちなみに、「平清盛」オフィシャルピアノスコア…というのがヤマハから既に出ているそうで、こちらはプロのアレンジャーによる編曲のもの。まだ楽譜は見ておりませんが、収録曲は「テーマ曲」「遊びをせんとや」「夢詠み…紀行」「友愛」「安息」「決意」の6曲。みなさん本当に仕事が早いです。
Blog「月刊クラシック音楽探偵事務所」2月号更新。
今回は、クラシック音楽のOS(オペレーティング・システム)を解き明かす……ちょっと理系向けの音楽随想…「音符と総譜と音楽と」。
音楽は理系か文系か?…と訊かれたら、それはもうまぎれもなく「理系」です。間違いない。
演奏は「音符」という記号を解読する行為だし、作曲は「構造」を計算し組み立てる行為。どこまでも冷徹な知的行為であって、文学的な情緒や気持ちなんて入り込む余地はありませぬ。
それでも「気持ち」が聞こえるって?
それは「気のせい」です。d(^-^)!
作曲…というのは、「何かを表現する」という感性の行為ではなく、神経のどこを引っ張ると涙腺が刺激されるとか、どういう化学成分をかがすと心拍数があがるとか、そういうことを研究するきわめて理性的な人体実験的行為のような気がするんですよね。
音楽って、どこか麻薬とか毒薬と似てるでしょう。摂取すると夢心地になったり眠くなったり興奮したり失神したり…。こういう和音にこういう和音を繋げると人は「泣く」とか、こういうリズムにこういうノリを付けると「興奮する」とか(笑)そういう薬物的な効能や致死量があると思うんですよ。
それを研究するマッド・サイエンティストのようなものが作曲家というか(笑)。言って見れば、毒薬の調合師みたいなもので、心動かされる音楽を書く人ほど実は悪魔なのかも知れないですね・・・(^_-)-☆
大河ドラマの物語ゆかりの地を紹介するミニ番組「紀行」は、春夏秋冬と3ヶ月ごとに模様替えをし、4月からは新しい音楽に代わる。というわけで、二十絃:吉村七重さん、チェロ:長谷川陽子さんを迎えて、「夢詠み」の新ヴァージョンほか、ストリングスがバックのもの、デュオのものなど全2曲4パターンを収録。
次回どの曲になるかはまだ不明だが、いずれアヤメかカキツバタ・・・どれもきれいで悩むところ。
続いて夜は、NHKで大河ドラマ音楽制作の打合せ。中盤のクライマックス…保元・平治の乱に向けて新しい音楽の録音についての相談会。
それにしても今回の物語は強烈なキャラクターが多い。主役イケメン群以外も、白河法皇(伊東四朗)、鳥羽上皇(三上博史)、後白河法皇(松田翔太)という「怪演」の家系も楽しみだし、最強のボケツッコミ?キャラ信西(阿部サダヲ)、一瞬にして世界をピンク色にしてしまう時子(深田恭子)など、役者のキャラクターのツボを押さえた見事な使い方には感心するばかり。音楽も負けじと・・・頑張らねば。
放送の方は、次回(12日放送)が前半最大のクライマックス。瀬戸内海での海賊との大海戦シーンが見もの。ネット風に言うなら、キタ━━━━ヽ(゚Д゚ )ノ━━━━!!
付記:CDジャーナルでのインタビュー記事はこちら
高崎の群馬音楽センターで「大河ドラマとオペラの音楽」コンサートに出演。
坂本和彦指揮群馬交響楽団の演奏で、大河ドラマのテーマ音楽(赤穂浪士、独眼竜正宗、平清盛ほか)とクラシックのオペラ序曲や間奏曲を組み合わせたコンサート。
ゲストに俳優の玉木宏さん(平清盛の源義朝役)を迎え、テーマ曲演奏ではピアノ:舘野泉さん(平清盛)、オンド・マルトノ:原田節さん(独眼竜正宗)も参加するという豪華プログラム。
玉木宏さんは、今回の義朝役というよりは、のだめカンタービレの千秋先輩(天才指揮者)のイメージが強く、オーケストラになじんでいる感じ(…ご本人はしきりに「音楽は素人ですから」と言ってましたが)。トークゲストで舞台袖から出てきても、そのまま指揮台に上がってしまいそうな不思議な迫力が・・・(^_^)b
源義朝は残念ながらドラマ中盤の平治の乱で死んでしまうわけだが、「昔の大河ドラマでは人気が出ると死ぬのが延びる場合もあったらしいですよ」と言うと、会場の玉木ファンから盛大な拍手が・・・
ちなみに、会場の9割は女性客だったそうな。
コンサートの放送は2月25日(土)NHKラジオ第一で午後4時5分から55分。トーク付き全編?は3月10日(土)NHK-FM 前橋で午後2時から4時まで。(残念ながらTVではありません)
CD「ヴィネット」収録曲の出版楽譜校正中。
・6つのヴィネット
・4つのロマンス〜ヴィヨンの妻より
・青い神話(全5曲)
楽譜自体はFinaleによるデータ入稿で、曲はもう既に録音済み…なのだが、「ヴィネット」の初校(4曲だった頃のモノ)と改訂稿(6曲に改訂したモノ)と録音稿(CD録音したモノ)とが微妙に違っていてチェックに追われる。
こちらは音楽之友社より3月初旬出版予定。
*
同じ「ネット」がらみ?で、以前、初音ミクを大河ドラマ音楽仮歌で使った件のTV取材が、明日「MAGネット」という番組で放送予定。
放送時間は、金曜日の夜24:15〜(土曜日の0:15〜)。
しかし、これは還暦間近の作曲家が出る番組じゃなさそうな・・・なんだか「ワラタ」とか「オワタ」とかが目一杯飛び交うクラスの〈場違い〉な気が・・・(@_@;)
大河ドラマ「平清盛」サントラ盤発売&登場人物のポスター届く。
音楽担当として、ドラマは試写用サンプル版で数話先まで見せてもらっているのだが、(音楽は抜きで、単に50年来の大河ドラマファンとして客観的に見て)、絶妙な構成感を持った脚本にしろ、俳優陣の名演にしろ、一本筋の通った美術にしろ、そのレベルの異様な高さに感心させられることしきり。
大河ドラマにしては視聴率が少し低めだそうだが(とは言っても放送中のドラマでは1位)、そのくらいの疵がなければ逆に怖いと思えるほど・・・。
音楽を担当したのがこのドラマで本当に良かった…と(少し他人事のように)天に感謝している。
ちなみに、「タルカス」ファンの方は、第6話「西海の海賊王」をお見逃しなきよう。
清盛とタルカスの咆哮が呼応する前半のクライマックス。乞うご期待。